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公爵領へ

「うわー! こんな大きな街初めてきた!」

「すごいです! すごく賑やかです!」

「はしゃぐのは構わないが、人様に迷惑はかけないようにな」


 転移スキルを使い、俺たちはリダー公爵領の街にやってきた。

 さすがは領主が住まう街ということもあって賑やかだ。


 それに公爵と来た。

 多くの富と権力を持った男の領地ということもあって、生活水準はかなり高い。


 俺も頑張らないとな。

 ともあれだ。


 俺の目的は遊びでも視察でもない。


「ここですか!? すごい豪邸!!」

「屋根ひろーい! あそこで眠れたら……」


「ルーシャ、お前は絶対に大人しくしてろよ……」


 リダー公爵の屋敷まで来ると、二人はテンションがかなり上がっていた。

 それもそうだ。俺が住んでいる屋敷とは全く違う。


 絢爛で庭も広い。


「アルン様ってすごい人とお知り合いなんですね。門番さんも顔パスで通ってましたし」

「ありがたいことにな。でもまあ……気をつけろよ」


「え? どういうことですか?」

「会ったら分かる。ルーシャも一応気をつけとけ」


「よく分からないけど了解ー!」


 というわけで、リダー公爵が待っているであろう部屋の前までやってきた。

 二人は俺の後ろを着いてくるように指示を出した。


 もちろん、彼女たちを彼から守るためだ。


「リダー公爵、元気してるかー?」

「お? これはこれはアルンくんではないか! 久しぶりだねー!」


 金色の髪をなびかせながら、変なステップでこちらに近づいてきた。

 こいつがリダー公爵。俺の親友だ。


「あれー? アルンくんの後ろに控えている可愛い女の子は誰だい? お名前を伺ってもいいかな? ところで交換日記やってる? 僕としないかい?」


「え? えっと、交換日記は誰とも……」

「交換日記ってなに!? 妾気になる!」

「お、一人興味を示したねー! いいねいいね。それじゃあ僕と婚約したってことでいいかな?」

「む! それはしない! 妾はアルンと結婚するの!」


 あー……頭が痛くなってきた。

 そう。こうなるから二人には注意するよう言っておいたのだ。


 こいつは女好き。それも超がつくほど。

 っていうか、二人は話が飛躍しすぎだ。婚約ってなんだよ。


 俺はリダー公爵の首根っこをつかんで眼の前に正座させる。


「変わってないなお前は……」

「あはは! それくらいで怒らないでよ。ほら、ちょっとしたジョーク? もちろん上手くいったらマジになるけど!」


 とりあえず一発食らわしておいた。


 ◆


「突然訪ねてきたのには驚きだけど、一応聞いてるよ。王族から追放されたんだって?」

「ああ。どうやら俺は無能らしくてな」


「全く、国王様は見る目がないね。アルンは超人だってのに」

「そんなことはないさ。平凡だ平凡」


「それは僕がしたジョークより酷いよ。僕は君の実力を知っているんだから」

「ま、そうだな」


 そう言いながら、俺は用意してくれた椅子に座る。

 二人も不思議そうにしながら椅子に座った。


「で、僕の助けが必要なのかな」

「察しがいいな」


「ま、付き合いも長いからね。あー、そこのお嬢さん方。遠慮せずお菓子食べてねー」

「ありがとうございます……」

「このクッキー美味しー!」


 リーンはかなり緊張しているようだが、ルーシャは……。

 ともあれだ。


 俺は送られてきたパーティーへの招待状をリダー公爵に見せる。


「ふむ……ルル伯爵主催のパーティーか。これがどうかしたのかい?」

「それがな……」


 俺には爵位がないこと。

 そして、明らかに俺を肴にするつもりでいることを伝える。


「なるほど。ま、聞いた感じだとその通りだと思うよ。爵位もないし王族から追放された身。肴にするにはちょうどいいかもね」

「ああ。そこでなんだが――」


 言いかけたところで、リダー公爵がにやりと笑う。


「みなまで言わなくても分かるさ。ふふふ、僕も乱入すればいいんだろ? さぞかしルル伯爵は驚くだろうね。公爵様が突然アルン側でやってくるんだから」


「いいのか?」

「もちろんだよ。アルンにはお世話になってきたからね。とにかく任せてくれ。最高のパーティーにしようじゃないか」


 よし。これでパーティー面に関しては問題ないだろう。


「二人も可愛いドレスを着て来てね。楽しみにしてるよ」

「お前……実のところそっちが本命だろ」


「知らないなぁ」


 本当にこいつは……。


「あ、ところでなんだけど」


 呆れていると、どこか真剣な表情で俺を見てきた。

 俺も俺で聞く姿勢になる。


「その代わりと言ってはなんだけど、お願いを聞いてもらってもいいかな。もちろん報酬は弾むよ」

「もちろんだ。それで、お願いって?」


「吸血鬼退治だよ」

あと少し更新します!これも、皆様の応援のおかげです!

しかし、もう少し皆様の力を貸していただきたいです。





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ですので、少しでも面白い、続きが読みたいと思ってくださった方はお気軽に評価をしていってください!




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