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元韓国避難民は継続して収容されたままであったが、在日韓国人・朝鮮人は制限を渋々ながら受け入れた。
日本の情勢は沈静化していったかに見えたが、実際にはそれは表面上だけの事であった。
避難民からメンバーの選出がなされ、韓国臨時政府が表明されたのだ。
日本政府はすぐにまた慌ただしく動かなければならなくなる。
韓国臨時政府は避難民の取りまとめをし、問題を解決するために活動するという目的を持っていたが、これは表向きであって、裏では在日韓国人の組織である民団と繋がっていた。
韓国臨時政府は、マスメディア各社、リベラル系知識人を通じて「避難民の人権が抑圧されている」と訴え出した。
マスメディア各社は民団と繋がっており、リベラル系知識人はマスメディア各社がいるから働き口が確保できる。
中国のチベットやウイグルのようなものには見向きもしないマスメディア各社であったが、日本政府を叩けるとなると積極的に取り上げ出した。
「避難民の人権がー!」の大合唱となり、秋葉内閣は避難民の収容を止めざるを得なくなった。
避難民は第2の在日韓国人となり、日本全国へ散ってゆくことになる。
この避難民の中には軍隊関係者や警察関係者がいる。
最も危惧されているのはこれらの人々が武装して日本国内で暴れる事だった。
民団がマスメディア各社へやっているように、これらの人々へ資金援助をすると難民の皮を被った武装組織へ変わる。
秋葉内閣はそれが分かっていたものの、何一つ有効策を講じることなく、ただ時間だけが過ぎてゆくこととなる。
在日韓国人に課せられた追跡は携帯を利用した緩いのものでしかなく、それはつまり携帯を所持しなければ見失うといった程度のものである。
携帯の所持が義務付けられてる訳でもなく、簡単に抜けれる無意味な追跡であった。
最初のテロはすぐに起きた。
軍隊経験者の一団が銃器を使用して無差別に民衆を殺害した。
警察内の特殊部隊が出動し、応戦したが、隊員が3名ほど殉職。
犯人らは全員射殺された。
無差別テロではあったが、実情は他国の部隊との市街戦であった。
多大な被害を出したことで、日本国内は凍り付いたかのようなショックを受けた。
さらにショックが覚めやらぬうちに2度目のテロが起きた。
秋葉内閣は混乱し、場当たり的に処置をしたが、何の解決にもならなかった。
国民が犠牲になり続け、在日韓国人との対立が強まった。
憎しみの連鎖が始まる。
元自衛隊員により構成される組織が現れ出した。
在日韓国人組織を襲撃し、殺害した。
目的は資金や物資の調達を阻止することだったが、これも立派なテロである。
日本は内戦へと突入する。
…かに見られたが、これを抑制したのは意外にも朝鮮であった。
朝鮮は中国、ロシアのみならず日本とも限定的にだが貿易を開始していた。
朝鮮にしてみれば、日本経済が内戦により衰退する事があれば貴重な売り先がなくなるのを意味する。
貿易により国力をつけつつある朝鮮は、韓国人テロが非常に邪魔なのだ。
この構図は、米国との対立を続けていて日本に期待を寄せる中露も同じである。
朝鮮は自国の精鋭部隊を密入国させた。
この辺の手口は昔とった杵柄というか、鮮やかである。
在日朝鮮人の協力で潜伏した朝鮮精鋭部隊は韓国テロ集団を殲滅しにかかった。
もちろん中露の後押しの元にである。
秋葉内閣は何も出来ずに眺めてるしかなかった。
沈静化まではいかないものの、テロの頻度が下がった。
朝鮮精鋭部隊は甚大な被害を出しながらも韓国テロ集団の力を削ぐことに成功したのだった。
元自衛隊によるテロ集団は、自衛隊協力の元、日本警察により逮捕された。
抵抗した者もいたがそれらはすべて射殺。
続いて、韓国テロ集団、朝鮮精鋭部隊の残党も逮捕及び射殺された。
秋葉内閣は、これまではマスメディア各社の支持を受けていたが、この件を境に責任を糾弾され、総辞職に追い込まれた。