吾輩はほんの少し悪戯心が芽生えただけである!
今日も商店街へ仕事の一つもしようと三河家を出る我輩。
途中、あちらこちらで挨拶を交わし、病院前の塀を歩くニャー吉を発見。
なにかに気を取られている様なので、脅かしてやることに。
電柱の陰に隠れ、あれこれ画策していると、散歩途中のニャン吉と遭遇。
ここで一筋の光明が!
しつこく何をしているのかと聞いてくるのでそれを利用してやる。
塀の上にいるニャー吉がキサマの好きなニヤちゃんを口説いてるぞと。
あの軟派野郎にかかれば子供を作る事なぞ造作もない事だぞと。
激高するニャン吉!
思った通りだ!
彼は塀を一気に駆け上り、そのままニャー吉へ体当たりを!
しかし計算外だったのはその後である!
{ドン!}
「ニャギッ!!」
「バウッ!?」
運悪くビーグル犬の上へ落ちたらしい。
普段とても温厚な犬だが、突然の来訪に聊か驚いたようで・・・
確認の為、塀の上からそれ等を見守るニャン吉の横へ我輩も上ると・・。
「ガウガウガウガウガウガウガウゥッ!!!!!!」
「ニャイィィィィィィィィッ!!!!」
いくら猫が素早いと言え、全体重を掛けられて抑え込まれればお手上げ状態に!
パニクって正常さを欠いたビーグル犬は牙をむいての連続バイト!
見る見るボロ雑巾になって行くニャー吉・・・。
まるで野生動物のドキュメンタリーを見ているようで現実感が湧かない。
あーなってしまえば小さなドラ猫なぞ、ひとたまりもない。
我輩もニャン吉の横で一部始終を見て今後気負つけようと心に決める。
まあ、いつまでも残虐ショーを見ていてもツマラナイから、仕事へ戻る事に。
我輩は元居た道路に戻ろうと、細い塀の上で反転して・・・あ!
{ドンッ!}
「アニャン?」
ケツドンでニャン吉を塀の下へ押し出してしまった!
となれば当然・・・
「バウバウバウバウバウバウバウバウッ!!!!!!」
「ギニャイィィィィィィィッ!!!!」
あーあ。
三毛猫が四毛猫に・・・。
・・・。
ま、いっか!
してしまった事を今更悔いても仕方のない事。
我輩は先程までの出来事をキレイサッパリ忘れて仕事へ戻る。
今日はどんな仕事をしましょうかねぇ。




