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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩達は車に轢かれる時がある!


 人間とは不思議な生物である。


 機械の塊”車”なるものを異様に愛でる彼等は、週末になると眩しい程まで磨き倒す。

 

 今回は商品を見極める為に、先ずは爪を立てた前足でボディに対して力を入れながらゆっくりと引っ掻く。

 塗膜テストはまぁこんなものだろう。


 次はワイパーなる物への耐久テストをするつもりであったが、急に催して、ガマンは良くないとワイパー上にしてしまう。小のついでに大もした。


 最後にあちらこちらで拾い集めた”釘”なるものをタイヤなる物の近くへばら撒く。

 これは我輩の仕事現場である建設現場によく落ちているのだ。例の肉球印を押す場所。


 特に”五寸釘”なるものを、タイヤの面に対し、斜60度ぐらいでに立てかける様置いてやる。

 車が居なくなるのを見計らって確認しに行き、ばら撒いたうちの50%も無くなっていればまぁ良しとしよう。

 

 車という物は我輩達にとっても本当に便利で、人間達の眠る夜になると、ボンネット上は忽ちダンスステージへ。

 数匹の猫達による夜通し踊りまくりの企画があちらこちらで行われている。

 特に黒く輝く車が超クール。終わればどれだけ激しく踊ったかが傷でわかるのだ。


 冬場はボンネットの上やエンジンの下は暖が取れる為、複数の野良によるミィーティングが行われる。

 ここで注意しなければならないのが、下の場合、論議が朝まで続くと、時々仲間がさらわれて消えるのだ。

 数日後に同じ場所で毛皮のみが発見される事となる。

 

 夏場は時々窓ガラスを開けたまま駐車しているヤツを見かけるのだが、特に布地のシートとやらはトイレに最適だ。

 片っ端から窓の空いている車に乗り込む我が仲間達。

 気のせいか、それらは比較的小さな車に多い気がする。


 いつも身近にある車につい油断して飛び出すことがある。

 これで何人の仲間が逝った事か・・・。


 

 それらを思い出し、我輩は少しセンチな気分に。

 今日は早めの仕事終わりで現場へ弔いの酒を撒くことにしよう。


 

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