表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
88/218

吾輩は台風時期には多忙を極めるのである。


 台風。

 それは我輩の仕事に於けるハイシーズンでもある。


 一般的に仕事どころではなくなるのだが、我輩の場合は全く逆。

 大忙しとなるのだ!


 確かに暴風にさらされ、雨でベチャベチャになる。

 しかしそれ以上のやりがいが!


 コンピニにて。

 傘立てに刺してある複数の傘を爪で引っ掻いてやる。

 後は入口付近をうろちょろして自動扉に反応させ、何度も開閉を繰り返させる。


 商店街付近にて。

 紐や針金等で固く結ばれている各店の看板。

 前足でニャンニャンとじゃれるようにしてほどく。

 角度を計算し、突風時には最も高い一枚ガラスへ直撃するように。


 民家付近にて。

 台風が来ているとの予報時には動かないクセに、酷くなってきた途端に心配となって補強を始める老人。

 我輩風上へと周り、板っきれを空中へ放る。

 やはり角度と風速を計算し、ジジイの顔面へ直撃するように。


 違う家では雨漏りなのか、屋根に上って修理している人間が見える。

 下にある”脚立”とやらへトントーンと身軽に上る我輩。

 上段にあるロックらしきものを外してやる。

 

 一般にはガッチリロックされて外れないのだが、年寄りの場合、軽くかけてあるだけの事が多い。


 その後素早く降りて内側から足部分を押してやると・・・


 {バッタン!}


 開いて地面へ簡単に倒れるのだ。

 これでよしと!


 最後に増水を心配してか、或は好奇心なのか川へと足を運ぶ人間。

 彼等の後方へそっと周り、思い切り体当たりを・・・。

 大概年寄りが多いから、我輩でも簡単に押し飛ばすことが出来るのだ。


 これは田んぼの場合も同じだが、農家の人間はコメの影響を心配しての事。

 彼等に至っては水門の開け閉めなども重要となってくる。

 責任をもってする彼等の仕事は我輩の手伝う所は無いのだ!

 そちらには同じ仕事師として、敬意を払う。



 今日もいい仕事しましたねぇ。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=205125233&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ