吾輩は駄菓子屋の婆さんと仕事をするのである。
なんだか駄菓子屋が騒々しい。
真っ黒な服を着た複数の人間が出入りをしている。
一旦家へ戻り、全身ファンデーション後に侵入する。
居間らしきところで複数人集まってヒソヒソ密談をしているらしいな。
一体何の相談だろうか?
見つかって摘まみだされても困るので、人目を避けて一番奥の部屋に・・。
そこには布団で寝ている一人の人間が。
なんとキサマは駄菓子屋のハババアではないか!?
体を壊して入院したと聞いておったが、そうかそうか、退院したのか!
何と目出度い事よ!
ババアのクセして、イッチョ前に化粧なんぞしおって?
我輩に気付かせるため、その顔を前足で引っ掻いてやる!
ムム?
傷だらけになるだけで一向に目覚めないな?
気のせいか少し冷たいような?
生物は体温が低下するとろくに動けなくなるそうではないか?
ならば今回だけ特別に我輩が温めてやろう。
せっせとババア山へ登る我輩。
すこし皮膚の堅い顔面へ登頂成功すると、徐にウンチの体制へ。
{プリプリプリ・・・ジョロロロロ・・・}
ふう~。
これで多少は体が温まるだろう。
早く目覚めるといいなババアよ。
それにしても先ほどから我輩の鼻をつくこの臭いはなんだ?
以前お寺で嗅いだことあると思ったが・・・ハテ?
我輩はババアの顔面に乗ったまま、辺りを隈なく見渡した。
するとババアの写真が飾ってある横で何かが煙を上げている。
近づくと・・・
犯人はキサマかあっ!
くっさいくっさい臭いをまき散らしおって!
おんどれのような輩はこうしてやるっ!
前足で大きな蚊取り線香の様な物を弾き飛ばしてやった!
その時隣にある、普段は見たこともない大きな蝋燭も倒してしまう。
これ以上この臭いに耐えられないので我輩は撤収する事に。
ババアよ、早く元気になって我輩とまた一緒に仕事をしようぞ!
こうして逃げるように駄菓子屋を後にした。
その後、駄菓子屋の火事によって商店街近辺は大パニックに。
幸い駄菓子屋は商店街から少し離れていたから燃え移る事はなかった。
それでも煙に巻かれた多くの店はスス被害で真っ黒に・・。
至る所に仕掛けられた防犯カメラを確認の結果、犯人は三毛猫と断定。
駄菓子屋の家族によって商店街で三毛猫狩が連日行われたそうな。




