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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は本物のアンクレットが欲しいのである。


 仕事中、妙な噂を耳にした。

 猫達の間でおかしなアイテムが流行しているらしい。

 革製や樹脂製のバンドを首に巻く猫が増えたというのだ。

 フン、これだから学の無いやつは・・・。


 それらは飼い猫の印、”首輪”に他ならない。

 現に我輩も赤いチリンチリン付きのヤツをしているだろうに!

 それらが増えたという事は、飼い猫の増えた証し。

 つまりこの町に猫自体が増えたのだ!


 昨今の猫ブームに乗っかった愚か者が増えたのだろう。

 飼い猫を着飾ったりするより、まず自分を磨くのが先では?ってな飼い主の多い事多い事!

 

 特に複数の猫を飼っている人間にその傾向が多く見られる。

 勿論、全てという訳ではないのだが・・・。


 話は逸れたが、首輪の話で新しい商売のヒントを得た!

 別にそれ等は首だけに限らなくてもよいのでは?

 アクセサリーといった観点から、アンクレットなどもありでは?


 先手必勝!

 思い立ったが吉日!

 時は金なり猫は暇なり!

 

 ”ある物”を手に入れる為、ダッシュで駄菓子屋へ!

 幸い孫娘が席を外していたから、”ソレ”を箱ごと加えて速攻三河家へ!


 「あらニャゴロー、それ”輪ゴム”じゃないの?しかもいろんな色が混ざっててとってもキレイね!」


 「ウルニャン!?」


 やらかした!

 美也殿に見つかってしまった!

 よりによってなぜこんな時に?


 「ちょっと貸しなさいよ!」


 「ニャギギッ・・・・!」


 抵抗虚しく怪力によって箱ごと取り上げられた。

 そして・・・


 「ちょっとニャゴロー、アンタの前足にブレスレットしてあげる。・・あ、ガバガバで落ちちゃうなー。ならこうして6重ぐらい巻いてっと・・・」


 ヤメテ!

 うっ血・・いや、腐っちゃうからヤメテェ!


 「これでよしっと!・・あ、いいこと考えた!!これ持って公園へ行ってみよう!!」



 一時期この町で前足がパンパンに膨れた猫が多数見かけられた。

 近所の住人は”マムシ”の仕業と、公園や堤防の草むらなどを役所も巻き込んで連日大探ししていたそうな。

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