吾輩はそばえる気持ちを抑えきれないのである!
夏!
それは生き物を育む季節。
夏!
それは植物たちが急速に成長する季節!
例えば道路わきで蛙を発見するとしよう。
ピョンピョン移動するその姿は、そばえ心を刺激する。
夢中で追いかけ一歩二歩!
{ドボン!}
「グギャハッ!」
用水に落ちた。
近くを通りかかった心優しきイタチに助けられる。
オナラのお土産付きで。
例えば家でブラックサファイアを発見するとしよう。
カサカサ走り回るその姿に興味が尽きない。
夢中で追いかけると・・・
「ギャアァァァァァァァァァァァッ!ゴキブリイィィィィィッ!!!!」
{プシャァァァァッ!}
「ギャ・・ギャッホギャッホ!」
缶に入った毒霧を思いっきり吹きかけられる。
退治できるのはヤツラだけではないのに・・・。
我輩はおろか、犬だって・・・。
例えば公園に生えた、いかにもキノコって感じの赤いやつを発見するとしよう。
ジャンプして飛び越せば点数か貰えるかな?
食べれば体の大きさが倍になるのかな?
前足で小突いていると、偶々通りかかったニャー吉が我輩を発見。
即戦闘モードへ移行し、ちょっかいを掛けて来た。
すかさず猫パンチで応戦!
特に顔面を集中的に!
「ニャギャギャアァァァァァァァァァァッ!!!!!」
突如として転げまわるニャー吉。
かと思うと、突然立ち上がっておかしな動きをする。
よほど我輩の猫パンチが効いたのか、混乱して見えぬ敵と戦っている様だ。
これに懲りてあまりちょっかいを出さぬことだな。
勝利の余韻と共に、前足を舌で舐めてお手入れする。
肉球の間や爪にキノコの破片らしき物がついていたが、気に留めず舐めまくる。
「ニャッ?」
その後、公園内の松林でハエに集られながら、見えない敵と本当に戦ってるかのリアルなシャドーボクシングをする2匹の猫が目撃されたそうな。




