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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はどんな時でも落ち着いているのである!


 商店街に新しいお店が開店した。

 腐って酸っぱくなった穀物の上に死んだ魚の身を乗せた料理を出す店。

 そう、以前我輩とニャー吉、ニャン太郎の三匹で訪れた場所。

 そこには『回転ずし』なる看板が掲げられている。

 

 早速店へ足を運ぶ我輩。

 なるほど、よく繁盛しておる。

 しかし店の前まで来てふと思った。

 

 ムム?

 『すし屋』は確か既にあるはず。

 その証拠に回転ずし屋の真正面にまだ店があるではないか?

 潰れたと聞いていないから当然だろう。

 すし屋の店構えを見て、我輩少し前の出来事を思い出した。


 魚屋と非常に仲のいいこのすし屋を経営する親父。

 小太りで白髪交じりの汚らしいイモ虫みたいな指をした経営者。

 『すし』はこの汚らしくて不衛生な芋虫指でこねくり回されて作られる。

 しかしもう少し清潔さを出せないモノかね?

 せめてその不精髭を止めればもう少し客の入りも上がるだろうに。


 毎日魚屋から新鮮な魚を仕入れるすし屋。

 フッフッフ・・我輩達は知っているぞ?

 貴様は早起きが苦手の為、朝の仕入れを全て魚屋に任せている事を!

 しかもそれを裏口のカギが掛かっていない扉の影に配達して貰っている事を!


 毎朝釣りをする人間の持っている大きな箱の中に魚と氷を入れていく魚屋。

 魚屋によってすし屋の裏で行われるそれ等一部始終を見ていた我輩達。

 なんとか魚を手に入れられないかと、あの前足この前足で試行錯誤。


 結果、我輩とニャン吉が蓋を開けているうちにニャン太郎とニャー吉が魚を引っ張り出すことに落ち着く。


 では行くとしますか皆の衆。


 「ニギャッ!」


 掛け声一つで思いっきり前足に力を入れる我輩とニャン吉。

 蓋は思いのほか重く、その隙間は五寸程しか上がらない!

 待つ事を知らないニャン太郎とニャー吉は直ぐに前足を突っ込んだ。


 蓋が開いて彼等の前足が入った事に満足する我輩とニャン吉。

 一仕事終えた事に満足して自分の前足を外す。


 {バッタン!}


 「ニギャアァァァァァァ――――――――ッ!!!!!」


 店中響くニャン太郎とニャー吉の悲鳴! 

 ビビった我輩とニャン吉は大量の脱糞をしてしまった。

 勿論、前足を挟んだニャン太郎とニャー吉も脱糞放尿の連続コンボ。


 この時箱がひっくり返って中身が飛び出し、魚が我輩達の糞まみれに。

 ツイていないことは重なるものである。

 朝のジョギングをしていた役所のヤシ皮を頭に乗せた男に偶然見られてしまう。


 慌てて逃げる三匹に対して、我輩なんと落ち着きのあることか。

 こういう時に動くのは得策ではないと、事の納まるまで息を潜めてじっとする。


 やはりヤシ皮男は逃げる三匹を追って何処かへ行ってしまった。

 我輩その後悠々と家へと帰ったのである。



 その後、暫く『すし屋』の店はシャッターが閉まったままとなっていた。

 そこには一枚の張り紙が。


 ”不衛生の為、この店を一週間の営業停止処分とする。・・保健所”

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