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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は砂利が大好きである。


 近所のバイク屋が庭を大改造したらしい。

 早速調査に乗り出す我輩の目に留まった物は、素晴らしき日本庭園。

 汚いバイク屋の親父がこれ程のセンスを持っていようとは只々感嘆するばかり。


 手始めに、京都の枯山水を模して造られた砂利には大便をしてやる。しかも細かくあちらこちらに。

 これが結構手間のかかる作業で、最後辺りは上から砂利をかけて隠すことも出来ない程疲れてしまう。


 となれば、今度は疲労回復の為にとコケで作られた絨毯の上に寝ころぶも、フィッティング感が今一つ。

 激しく動き回って自分好みに調整する。


 一時ほど横になれば、今度はストレス発散の為、大きさの割には相当歳を取っているだろうウネった針葉樹の本体でガリガリ爪を研ぐ。ところがこの老いぼれときたら表皮がぺリぺリと剥がれる役立たずで困ったものだ。


 そこから少し離れた場所でチラリと鉢植えの植物が段々に並べてあるのを発見し、特に針金でぐるぐる巻きにされた気合いの入っている物を選んで何個か地面に落としてやると、花火のように飛び散って我輩もすっかり気分爽快。


 音で気付いたのか、主人であるゴミ虫が”モンキーレンチ”と呼ばれるものを振りかざして大喜びしながら我輩を追いかけてくるので、お礼を頂く程のことまではしていないと謙遜して早々とその場を切り上げた。


 その時店頭に整然と並んでいるバイクのスタンドなるものに引っかかってしまい、打撲を負ってしまうが無事バイク屋からの脱出に成功。

 同時に後方から複数の何かが倒れる音が聞こえて来るも、我輩には一切関係ないので無視を決め込む。


 悠々と店を後にする我輩は、一度だけ振り返ると、ゴミ虫親父が地面を叩きながら泣いて喜んでいるのが目に入った。


 

 我輩は今日もバイク屋の手伝い仕事をこなしたのである。


 

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