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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はカチャカチャチーンマシンのスペシャリストである!


 今日の仕事場は先日ジジイが犬死した八百屋である。

 しかしあれ以来、どうにも仕事がしにくい!

 二代目どころか、ジジイの孫まで店先に姿を現すようになったのだ。

 

 しかも孫と我輩達猫連中はどうにも相性が悪い。

 なんとかクソガキを攻略しなければ・・・。


 美也殿程の脅威は感じられないものの、とにかく素早く動くジジイの孫。

 何匹の猫達がヤツに捕らえられたか・・・。

 

 ニャン吉など、この間ジジイの孫に捕まって酷くやられたそうではないか。

 しかもその時の傷がまだ癒えていないときたもんだ。

 自分も二の舞にならないよう気を引き締めて行動しなければ・・・。

 

 まぁ、そんな事を言っていても始まらないから仕事を始めるとするか。

 

 商店街にある八百屋の正面に座り、中の様子を伺う我輩。

 ふーむ、心配を他所にクソガキは外出中のようだ。

 今は夏休みの最中だから遊びにでもいっているみたいだ。

 それに二代目店主も席を外しているのか、どこにも姿が見当たらない。


 しかし不用心な店だな。

 危機感を煽る為、少し罰を与えよう。


 先ずは八百屋のくせに野菜ではなく箱に入っているフルーツ”さくらんぼ”を猫パンチで全て潰す。

 棚から落とすおまけつき。

 同じように透明のパックに入った”マンゴー”へ猫キック!

 これも棚から落として潰すことに成功。


 あまり商品をいたぶる仕事ばかりしていると八百屋の経営を揺るがしかねない。

 店頭はこれぐらいにして、奥にあるカチャカチャチーンマシンのある場所へ。


 フフン、我輩はコレの使い方を知っているぞ?

 生前ジジイが居ないときに良く使用したものだ。


 機械の下で一旦小さく丸まると、全身のバネを利用して大ジャンプ!

 カチャカチャチーンマシンの前へ見事着地成功。

 さてと・・・。


 電卓と同じ並びの数字を適当にカチャカチャっと前足で押しまくる。

 画面に数字が表示されたら並びにある大きなスイッチをポチっとな。

 

 {チーン!}


 開いた。

 なんだ?結構入っているではないか。

 機械詰まりを起すといけないので紙幣を何枚か咥えて抜き去る。

 勿論諭吉のみをピンポイントで。


 本来もっと八百屋で仕事をしたかったのだが、咥えた紙幣の重い事重い事!

 仕方がないので今回はこれぐらいで切り上げるとしよう。


 今日も秘密の場所へ諭吉を隠した後、一枚だけ使ってニャン吉のお見舞いにでも行くとするか。


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