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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は仕事後の一杯が楽しみである!


 「お!どうしたニャゴロー?珍しいじゃないかこんな時間に。」


 今我輩はバイク屋一家の食卓にお邪魔している。

 ここは店舗兼自宅の自営業者だから一般サラリーマンより終業時間が遅い。

 よって必然的に我輩の寄生する三河家よりも夕食が遅いのだ。


 現在ゴミ一家三人はテーブルを囲み食事の真っ最中。

 媚びを売る為、ゴミ虫、美人ママの順に体を摺り寄せる。

 最後はデカチチパー娘の膝に飛び乗って座り込むと・・・


 「なによニャゴロー、なんかほしいの?」


 「ニャ~ン?」


 いるか馬鹿者!

 我輩先程小織殿から高価な肉を(内緒で)頂いてお腹一杯なのだ!

 デカチチの食べているソレはなんだ?

 真っ黒な石ころと竹楊枝を混ぜたようなもの・・・確かに香は食欲をそそるな。


 「ほら口開けて!夏バテしないようにこの”レバニラ”を食べなさい!」


 「ニャギャッ!?」


 「無理やり押し込んじゃえっ!」


 「ニャギャアァァァァァァァァァァァーーーーーッ!!!!!」


 暑いではないかバカチチがっ!

 我輩猫舌ではなく本物の猫だぞ!?


 「いたぁーいっ!!!!」


 腹が立ったので胸のあたりにある突起物に噛みついてやった!

 

 「そりゃお前が悪いよ。ニャゴローは熱いの食べられないだろう?ささ、火傷したベロを冷やしてあげるからこっちこい。」


 信用度が無いに等しいゴミ虫の誘い。

 警戒するも、舌がヒリヒリするのでヤツの言う通りに。


 「おー、よく来たなニャゴローよ。ほら、この黄色いショワショワの水で冷やすといい。」


 最初はオシッコと思い、コップごとひっくり返してやろうと思ったが、それとは違う匂い。

 どちらかと言えば好きな匂いがする。


 恐る恐る前足の先をチャプリと黄色い水に付けてそれを口に持っていく。

 疑心暗鬼になりながらもペロペロ舐めると・・・


 旨い!

 なんたる美味!

 我輩コップに顔を突っ込んで中身全部を飲み干した。


 「お!ニャゴローいける口だな?だったらこれはどうだ??」

 

 ゴミ虫は舐めやすいように透明のソレを皿の上に注ぐ。

 何も考えずに無色透明のソレを全部飲み干した。


 「ヌギャ?」


 うわあああああああああああああああああああ!

 あついあついあついあついあついあついあつい!

 やけるやけるやけるのどがやけるやけるううう!


 火の玉を丸のみしたのかと思う程の焼ける喉に、苦しくてのた打ち回る我輩。

 この時一瞬ではあったが、頭に輪っかをのっける羽の生えた子供が数人見えた。

 

 「どうだニャゴロー、”スピリタス”のストレートは?ヌハハハハ!」


 このままでは殺されてしまう!

 そう思った吾輩はダッシュでゴミ虫家から逃げ出した!・・・のだが。


 ニャッハハハハ!

 なんかチョー楽しいぞ?

 真っすぐ歩けないのが更に我輩を愉快にさせる。

 これは公園内にいる退屈を持て余した仲間たちに見せてやらなければ!



 次の日、川の上に浮かぶ白と黒のボロ雑巾が清掃人によって回収された。


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