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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は肉球を触られるのが大嫌いである!


 「ニャゴロ―ちょっと手を見せて。」


 「ウニャ?」


 美也殿に言われて右前足をだすも、肉球をギュッと抑えられる。

 

 「あっ!ちょっと待ってよ!!」


 この先何をされるのか分からないので脱出。

 しかし三河家を飛び出してすぐ・・・


 「あっ、ニャゴロー!ちょっとこっちへおいで。んで前足見せて。」


 「ウーニャン?」


 バイク屋のデカチチ娘も美也殿と同じ様に肉球をギュッと。

 怪力娘は加減を知らないようだ。

 ほんの少しだが複雑骨折をしたらしい。

 故に急いで逃げ出す。


 「あっ!ちょっともう少しだけ!!」


 娘にやられた腹いせに店内へ糞をまき散らす。

 ピカピカに光る”Z750RS”の上へ飛び乗りシートで爪を研ぐ。

 ついでに”火の玉タンク”の”キャップ”をくにっと外して中へオシッコをする。

 

 ゴミ虫の仕事を手伝うあまり、各部の名称も完璧。

 次は”ドカ750SS”のお手伝いをするつもりである。


 「あっ!ニャゴロー、お前またそんな!!・・まぁいい、ちょっとこっち来て前足を見せてくれ。」


 「グルニャン?」


 娘ほどではないが、やはりゴミ虫も我輩の肉球をギュッと押す。

 先程のダメージを引きずっていた事もあり、爪全開でヤツの鼻をガリっとヒト掻き!


 「いたたっ!このヤロー、引っ掻きやがったっ!!」


 この家はヤバイと思い、大至急逃走。

 奥方に掴まれば前足を肉球ごと切り落とされかねん!

 くわばらくわばらっと!


 こんな日は御子息のベッド下でじっとしている事にしよう。

 


 - 小張バイク店のラジオより -


 「アナタはもう猫の肉球を押しましたか?フカフカで気持ちいいだけではなく、癒し、ストレス発散、無の境地などのセラピー効果を得られると日本ボクシング協会が先程正式に発表致しました。狂犬ジムのバハマ代表にインタビューしたところ、『猫だろうと人間だろうと、拳の事は任せて下さい!』と、強気の発言を頂きました。これにより・・・・・・」



 たまごっち、ハワイアンパンケーキときて、次は猫の肉球押しブームがもうそこまで・・・。

 知らぬは我輩達猫連中だけである。

 

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