吾輩は夏野菜収穫に大忙しである。
最近の我輩は仕事場が主に畑となっている。
この時期非常に沢山のものが収穫される為だ。
それでも昼間は暑くて熱中症の危険があるので、メインは夜勤となる。
皆が寝静まった時が我輩の出勤時間なのだ。
ー そして丑の刻 -
玄関はカギが掛かって出れないから、先ずは窓を開けっぱなしで寝る御子息の部屋へ。
出かける前に、彼の眠るベッドの上で一旦立ち止まる。
「スー・・スー・・・。」
よく寝ているようだ。
折角なので枕元を転がりまわる。
「ハハハ・・ハックションッ!!」
勿体ないが、とっておきのブラックサファイアをオデコの上へプレゼント。
おまけにオナラをかます。
今日はこれぐらいでいいだろう。
我輩も忙しいのだ。
そして窓から表へ出ていざ畑へ。
我輩の通う仕事場は三河家からそれほど離れていない。
大きさも大したことは無いのだが、それでも一通りの野菜が育てられている。
先ずはナスなる御子息の友人に似た野菜。
ギョワギョワして爪が刺さる何とも言えぬ快感。
大きい物から順番に刺してやれ!
お、これはトマトではないか?
血液の様に赤いこの野菜は爪を立てて撫でるとはち切れるのだ。
パンパンに皮が張っているやつを順番にシャーっと。
青いやつはガン無視で。
そして今日の目的である胡瓜。
これを2~3本頂いておくとしよう。
これだけ頑張ったのだからその対価として当然の事。
これをこっそりニャー吉やニャン太郎の後ろへ置いてやるのだ。
きっと飛び上がって喜ぶだろう。
ムムム?
我輩の手足では2~3本どころか1本も持てないではないか!
仕方が無いから1本だけを咥えて持ち帰ることに。
今日もいい仕事しま・・・
「ニャギャァァァァァァァァァァーーーーッ!!!」
振り返るといつの間にやら足元に胡瓜が・・・。
この時我輩3メートルほど飛んだと後からニャン吉に聞かされる。
今日はニャン吉がいい仕事しましたねぇ。




