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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は商店街にも顔が利くのである。


 我輩に休みは無い。

 仕事戦士と呼ばれるが所以。


 今日は商店街へ行こうと思う。

 主に老人が守をする店を重点的に。

 決して生死の確認を取りに行く訳ではない。

 

 彼等は『ウニャン?』と一言声を掛けるだけで、必ず何か賄賂を差し出してくる。

 魚屋の主人ならマグロの赤身。

 これはまぁ許せる。


 肉屋の大将なら生の筋肉。

 ”豚なる生物の肉”は寄生虫がいると聞いたが、これは何の肉だ?

 偶にはケースに入った”松阪で丹念に育てられた牛なる生き物”のサーロインとやらでもいいのではないのか?


 問題は八百屋の何時お迎えが来てもおかしくない、ほぼ間違いなくボケているだろうクソジジィである。

 今回は”トマト”なる血の色で染めたようなゴリゴリドゥルドゥッルなものを無理やり口に放り込んできたから下痢便で応戦、”レタス”と呼ばれるもので尻を拭いてやった。


 我輩もバカではない。

 尻を拭くのは色が”赤”以外の物と既に学習済み。

 ”とうがらし”なるものを尻に当てた瞬間、肛門が爆発するといった苦々しい過去を踏まえての事だ。

 

 ここまでなにも仕事をしていなかったことに気付く我輩。

 それならばと、箱に入った野菜と同じテーブルの上にある透明のトイレットペーパーを爪で引っ掻き回す。

 

 「コラ―ッ!ビニール袋を無茶苦茶にするなーっ!!」


 などとジジイからお礼の言葉を掛けられた事に充実感を覚え、走って八百屋を後にする。


 

 ”パン”とは何だ?

 最近出来た店で、他とは違い一生懸命な若い人間のオスとメス。

 不思議な白い塊を親の仇の様に何度も何度も机に叩きつけている。


 二人が何処かへ見えなくなったのを確認。

 コッソリ中へ入るとプレート上に複数並べられた大きなカタツムリみたいになった白い物体を発見。

 そっと触れてみる。

 ふわふわである。


 肉球印を全部に力強く押しておいた。

 

 すると、大きな機械の中へ入った色の違うよく似た物体が我輩の目に飛び込む。

 仕事意欲が膨らんだ我輩は、それにも肉球印を押そうと機械に近づく。

 徐に前足を掛けた瞬間・・・火傷した。


 時には失敗もあると自分に言い聞かせてトボトボ帰宅の途に就く。

 痛くはあったものの、今日は有意義な一日でいい勉強になった。



 

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