表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
31/218

吾輩は毛深くなどないのである!


 暑い!

 今日も仕事をサボってダレるとしよう。


 湿度と高温で、体感温度が著しく上がるこの国。

 アフリカの方がよほどマシとの声も高い。

 

 そんな訳でこの季節はキライなのだが、他にも理由がある。

 夏休みというおかしな制度だ。

 つまり美也殿が日中も家にいるのである。


 それは御子息殿も当然当てはまるのだが、今年は忙しいようで殆ど家にいない。

 現に今も合宿とかに行って留守なのだ。


 「ニャゴローどこー?お土産があるのー!」


 何!?

 お土産とな!!

 よく御子息殿を訪ねてくる女性達が持参するアレ等の事か?

 ケーキなる甘味の王やホニャララ牛なる霜降りの肉などのアレか!?


 ダッシュでリビングへ向かう我輩。

 辿り着いたその先には・・・美也殿がいた。


 「つーかまえた!」


 「ニャニャン?」


 お土産なる食べ物はどこにもないではないか?

 さてはこの娘、謀ったな?


 「じゃっじゃーんっ!これは電動バリカンと言って毛を刈る機械よ。夏なのにアナタ暑苦しいんだもん。」


 バリカン?

 この娘は何を言っておるのだ?

 動物に体毛があるのは当然だろう。

 もし剥き出しだったら怪我が絶えないぞ?


 「ニギャアァァァァァァァッ!!!!」


 そんな思いも虚しく、容赦なく体毛を刈り取る美也殿。

 どこで手に入れたのか分からないそのバリカン。

 時々毛が噛んで”切る”のではなく”毟る”になっている。


 歯科検診で行われる歯茎テストの後と同じく、我輩の身体は至る所で出血。

 この悲鳴が聞こえないのか!


 「ほーら終わったー。とっても涼しいでしょう。」


 まぁ、確かに涼しくはあるが・・・。

 それ以上にヒリヒリして痛いのだ。

 

 しかし我輩はこう思う。

 仕事をサボった罰が当たったのだと。

 だから今回は敢えて苦汁をなめることにしようと。


 

 その後、近所でスフィンクスと間違われる野良猫が多数出没したのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=205125233&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ