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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は飼育も得意である!


 今日は出勤途中でバイク屋へ営業をかけることに。

 早かったのか、まだゴミ虫は店へ顔を出してない様だ。

 そんな訳で勝手に家の中へ。


 「あ、アンジョーん家のニャゴローじゃないの?」


 「ウニャン?」


 まずは乳デカ娘を味方につけるべく媚びを売る。

 座っている彼女の膝や背中をスーリスリっと。

 どうやら朝食をとっているらしい。


 「ニャゴロー、ご飯の邪魔になるからこっちへおいで。最近お父さん、熱帯魚ってのを買い始めたから見せたげる。」


 熱帯魚?

 魚を家で飼育しているのか?

 ああ見えて多趣味なゴミ虫主人、その懐と了見は・・・狭い!


 「これはねー、ネオンテトラって飼育が簡単で初心者にもやさしいんだって。あとはオトシンクルスとかグッピーの安いやつ。ほら見て御覧、いっぱいいてキレイでしょー?」


 「おい真紀子よ、それぐらいにしてくれよ。ニャゴローに食べられちゃうとイヤだし。」


 「お父さん朝食はもういいの?まったく心配性なんだから。そんな悪戯はしませんよねーニャゴロー?」


 ゴミ虫はそのまま店へと出て行ったから、今日は我輩も別の仕事へ出かけた。



 - 次の日早朝5時頃 -


 {カタン}


 おおっと!

 危ない危ない!

 万が一ゴミ虫が起きてきたら我輩の仕事に支障が出てしまう。

 細心の注意を払わなければ。

 

 などと言っている間に大きな水槽の前へ到着。

 フム・・・。


 その設備はごく普通の熱帯魚飼育システムで60cmの水槽に上部フィルターを備えたお手頃価格のモノ。

 まず手始めにコンセントを抜く。

 

 そして台所へ侵入し、ブラックサファイアジェットを持ち出す。

 これが体の小さな我輩にはとてもハードな仕事であった。

 

 スプレー缶と格闘する事15分、音を出さないよう注意して水槽の上へ。

 水分の飛んだ上部フィルターへシューッと中身が無くなるまで噴射。

 空になったジェットを元あった場所へそっと戻す。


 後30分もすれば家族が起きてくるだろう。

 そしてコンセントを入れた時、我輩の仕業に泣いて喜ぶのが目に浮かぶ。

 フフフフ。


 

 明朝バイク屋から飛び出した悲鳴は商店街のパン屋まで轟いたという。


 我輩今朝からいい仕事しましたねぇ。


 

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