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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はバイク屋の主人と仲良しである。


 前回同様、暗くて狭い場所も大好きな我輩達。

 勿論陽だまりも大好きである。


 暗い場所では活発的に仕事、暖かい場所ではサボタージュってとこだろうか。

 

 仕事途中、偶然にも我輩一匹が通り抜けられるほどの穴の開いたブロック塀を発見。

 ゾクゾクする感覚に見舞われ、猛ダッシュで飛び込んだ。


 {ゴチン!}

 「ブニャンッ!!」


 が、目測を誤り、塀に激突してしまう。

 センサーとも呼ばれる立派な髭が、美也殿のキャンプ(キャット)ファイヤーでグルグル巻きにされたのを忘れていた。

 ここまで彼女の行為が我輩の行動を制限させるとは・・グヌヌ。


 悪気は無くても悪意のある悪戯をする美也殿は現代版サタンなのか?

 そんな下らぬことを考えつつ、前足で額を押さえてのた打ち回っていたら我輩を呼び止める声が・・・。


 「お!ニャゴロー、この間の怪我はもういいのか?」


 にっくきバイク屋のゴミ虫である。

 キサマのおかげで我輩がどれ程悲惨な目に遭っていると思っているのか!

 美也殿以上にキサマが憎い!


 にこやかな笑顔で我輩に声を掛けるヤツも考えは同じ。

 猫バーサス人間のメンツをかけ、互いの目と目には火花が迸る。


 ヤツは我輩を睨んだまま、そっと床へ小さな宅配便の段ボール箱を置く。

 我輩もヤツを睨んだまま、さり気なくその段ボール箱へ近づく。


 「フフフ、ニャゴローよ。この中へ入りたいんだろう?さぁ中身は空っぽだから遠慮なく飛び込みなさい!」


 警戒心マックスの我輩だが、本能には勝てずについ・・・


 「おっと、言い忘れたが、さっき箱の中へ”ハバネロパウダー”をこぼしてしまってな、綺麗に掃除したつもりだが、もしかしたら・・・」


 「ウニャン!?」


 時すでに遅し。

 ゴミ虫がそれを言ったのは、我輩の美しい跳躍が最高点に到達したとき。

 動揺で頂点からの折り返しを失敗して尻もちをつくよう段ボール内へ着地。


 しかし過去の苦い思い出から大至急段ボール箱を脱出!

 望まぬハバネロパウダーを纏ってしまった我輩は、奇しくもゴミ虫の顔へぶつかってしまう。


 この後、肛門が爆発した我輩と眼球が吹き飛んだバイク屋のたらこ唇ゴミ虫が、暫く店頭で仲良く転げまわっていたのは言うまでもない。



 バイク屋のゴミ虫もいい仕事してますねぇ。



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