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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は火も苦手である!


 待ちに待った夏休み。

 しかし我輩を待っていたのは”何故休み?”


 夏休みの課外授業という事でキャンプへ出かけた美也殿。

 そのリュックの中へは便利な道具と共に、何故か我輩も・・・。


 素晴らしい自然。

 体中を駆け巡る高濃度の酸素。

 興味や探求心をくすぐる様々な生き物。

 そして透明度の高い清流。


 確かにリフレッシュをするには最高の場所だろう。

 美也殿さえ居なければ・・・。


 キャンプ場へ到着するなり、揉みくちゃにされる我輩。

 中には肉球をグッと強く抑える不届き者も。

 人間が思う以上に痛いのだ。


 「ニャゴロー最近少し汚いから体洗いなさいよね!」


 清流へ投げ入れられる。

 この時危うく三途の川の方を渡るところだった。

 

 「あーあ、べちゃべちゃじゃないのよ。ちょっとこの網の上で乾かしなさいよ。」


 「あっ!美也ちゃんそれバーベキューの・・・」


 断末魔の叫びと共に転がり落ちて、そのままもう一度清流へ飛び込む。

 この時少しだけ”ジュゥ”と音がした。


 「あはははは!なにそれニャゴロー!!昔のアメリカ人みたいーっ!!!」


 大爆笑の美也殿を不思議に思いつつ、清流に映した自分の顔を見てみる。

 髭が全てぐるぐるに丸まっていた。

 切られてしまうより屈辱である。


 そこから食事になると、暫く構って貰えなくなり、少しばかり退屈な時間へ。

 容姿のせいか、思いのほかモテる美也殿。

 言い寄る男どもの多い事。

 性格はアレなのに・・・。


 とりあえず、彼女と話のきっかけを作るために我輩を触るヤツは片っ端から噛んでやった。

 しかも思いっきり。


 ゴタゴタで今日は仕事をしていないのを思い出し、遅ればせながら取り掛かる事に。

 時間も少ないから簡単に済ますこととしよう。


 そして我輩は、男だけで編成されたチームの食材へ味付けの手伝いと称してオシッコをかけて回る。

 野菜には味噌によく似た糞を・・・。


 

 我輩は出張先でもいい仕事してます。


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