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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
182/218

吾輩は雪などで喜ばないのである。


 なんとな~く気怠い朝。

 仕事師の我輩らしからぬ。

 

 それでも体に鞭打ち、今日一日頑張る為、朝食を取る事に。

 しかしこの何もしたくなさはなんだ?

 まさか病気?


 朝食を食べながら色々な原因を考察。

 脳を使ったせいか、その間にドンドン覚醒してきた。

 目が完全に覚めたぞ!


 体も仕事体勢に入ったのか、軽くなってきた!

 腹も膨れた事だし、いざ仕事へゆかん!


 元気一杯の我輩は飛び跳ねる様に玄関へ! 

 弟子と呼ばれるメスも出勤するそうなので扉を開けて貰い一緒に外へ。

 彼女は一番最後だった為、カッチリ扉の鍵をかった。

 そして……


 「見てニャゴロー! 白銀の世界になってる!」


 うわっ!

 最悪!

 一面光で反射する銀鱗の世界!

 子供と犬ッコロが喜ぶ天然のかき氷!

 雪ではないか!

 我輩の大っ嫌いな!

 

 しかも今日に限ってちゃんちゃんこを着てないぞ!

 さっむ!


 「アンタも気をつけなよ? ベタベタの足で家の中へ入ったら御屋形様に殺されるからな!」


 弟子と呼ばれるメスはそう言い残し、行ってしまった。

 いや、もう既に四肢ドロッドロだし……


 しかしこれで目覚めた時怠かった意味が分かったぞ。

 気温が低すぎるのだ!


 寒いの大っ嫌い!

 こんな日は仕事などやっとれん! 

 

 そこのゴミ虫ですら仕事どころではない感じで雪かきをしておる。

 猫である我輩はなーんの役にもたたないから家の中で丸くなるとしよう。

 うーさむさむっと……


 玄関大扉下にある我輩専用の小さな扉。

 そこを前足でカチャカチャっと……あ、あれ?

 開かないぞ?

 まさか凍結か!


 その後必死でガリガリするも傷がつくだけでビクともしない小扉。

 これをなんとかしなければ家の中へは入れないではないか!

 フギャァァァァァァァァ!


 

 こうしてニャゴローは三河家玄関前で遭難。

 生ける彫刻になった。


 直ぐに何処かへ出かければこんなことにはならなかっただろう。

 悲しいかな、いつまでも扉をカリカリしていた為、後ろ足と地面が凍結。

 外気温も一日中マイナスの寒さで身動きが取れなくなりそのまま低体温症へ。


 数時間後、学校から帰って来た美也に発見され、救助された。

 その後手厚い看護を受けると数日後には元通りとなったそうな。

 

 それにしても家ネコで過保護のくせに、なんと強靭な体力!

 これにて一件落着!


 

 因みに美也が行った応急処置の内容。


  ・凍って地面にくっついたニャゴローを力任せでバリバリ剥がす

  ・ダッシュでお風呂場へ行き熱湯シャワー

  ・序に全身クレンザーで洗浄

  ・ドライヤーは面倒なので乾燥機へポイー

  ・乾燥後、口の中へ熱湯注ぎたてドロッドロのコーンスープ注入


 以上、完璧な処置により、幸か不幸か命〝だけ〟はとりとめた。

 


 

 


 

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