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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
130/218

吾輩は禁じられた遊びを許さないのである。


 先程ニャー吉が病院前の道路ではねられたそうだ。

 それは我輩の仕事を請け負って公園へ行く途中の出来事。


 なんとひき逃げだそうではないか!

 しかも彼の亡骸は暫く放置されたままだったらしい・・・。


 これは噂レベルだが、ニャン吉とニャン太郎で公園まで彼を連れ帰ったとか。

 眉唾とはいえ、責任のある手前、確認しない事には話にならない。

 何はともあれ現場へ急行だ!

 

 

 公園内はやけに静まり返っていた。

 様子を伺うべく、警戒心全開で辺りを散策。

 すると猫の集団を花畑で発見!

 本当に葬儀が始まっている!

 

 我輩が仕事をほっぽって公園に駆けつけた時は既に穴が出来上り埋葬寸前。

 他の参列猫達も多数駆けつけ、最後の贐をと口に様々な物を咥えていた。


 「ウミャ~アァァァニャアァァァ。」


 「ニャーミャーンディヤミャーアァァーーン。」


 プププ。

 コイツは面白い。

 まったくもってこんな場で笑う事は不謹慎なのだが・・・


 どうやらニャン吉は神父で、ニャン太郎は坊主か?

 バカ猫にも程があるぞ?

 

 二匹の鳴き声合戦も終わり、いよいよ埋葬へ。

 ニャー吉を二匹が穴へ押して転がすと、上から砂を掛ける。

 前足で撫でるようにササササっと・・・

 そんなペースでは日が暮れてしまうぞ?


 「ニャアアアアァァァァッ!!!」


 あっ!

 ニャー吉が!

 

 なんと大鳴き声をだして穴から飛び出して来た!

 死んでいないではないか!


 近くにいた飼い猫のニヤが一部始終を見ていたらしいので、詳しい話を聞く。

 なんでもニャー吉が轢かれたのは車ではなく病院のビーグル犬だそうだ。

 バカ犬だから言う事を聞かず、散歩で嬉しくて家を飛び出したのだと。

 そのとき偶々玄関前を通るニャー吉と出くわして正面衝突だそうな。


 体格差があるからビーグル犬は何事もなく走り去って行ったとの事。

 ところがニャー吉は泡を吹いて失神。

 そこにこれまた偶然通りかかったニャン吉が彼を見て大騒ぎを始めたって。


 結局は勘違いから始まった一連の騒動。

 本当に迷惑な話だ!

 禁じられた遊びとはよく言ったものだな!


 「ニャギャアアアッ!!!」


 「フギャアアアアッ!!!」


 「フウウウーーーッ!!!」


 ワハハ!

 バカ三匹が取っ組み合いのボールになってケンカしよるわ!

 転がる転がる!


 プライドを掛けた三匹の戦いに参列猫が大歓声を上げる!

 力は拮抗しているのか、一進一退を繰り返す兵たち!

 彼等は勢い余って公園の外へ!


 「ブロロ・・キキイィィィィィィーーーッ!!!!!」

 {ドンダンガンッ!}


 「ギニャ!」

 「ニギャ!」

 「グニャ!」



 参列猫は無駄足にならず、安らかに彼等の冥福を祈った。

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