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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩はお中元配りに忙しいのである。


 夏本番、今日も怠いが負けられない!

 この日本という国には”お中元”なる伝統が残っている。

 旧暦のお盆頃までに、日頃からお世話になっている方々へ贈り物を送るといった何とも情緒あふれる風習だ。


 今日は我輩もお中元配りに勤しむ事としよう。


 普段からお世話になっている母上にはドレッサーの上へウシガエルを。

 この姿を見れば今よりもっとプロポーション維持へ力が入る事だろう。ある意味美容グッズだ。


 姉妹喧嘩をしないよう、美也殿と小織殿には我輩たちの世界で”ブラックサファイア”と呼ばれる生きた宝石を下着の入っているタンスへ同じ数だけ放す。数匹が逃げ出そうとしたから前足で少し強めに押してやると、中身が出て大人しくなる。

 

 白やベージュのキャンパスへいい感じの模様が出来た。

 悲鳴を上げて喜ぶ顔が目に浮かぶ。


 愚息の御長男は猫アレルギーらしいので、せめて我輩のニオイでもと、至る場所へ大小便をまき散らしておいた。はたして彼はこの贈り物を喜んでくれるのだろうか?

 

 これだけでは足りない気がして、ご子息の使用する布団の中へ採れたての”ハチの巣”なるものを丸ごといれた。メイドインジャパンのはちみつは相当高価らしく、泣いて喜ぶだろう。

 

 巣を咥えてここまで運ぶ時に体中のあちらこちらが針で刺したようにチクチク痛かったので、腹いせの為、ベッドに下にある裸の人間が載っている雑誌を爪でめちゃくちゃにしておいた。


 特にお気に入りとみられる丁寧にビニール袋へ入れられてるものは、一枚ずつ剥がして家中へばら撒いてやる。おかしな場所が破れない様かなり気を使いながら。


 

 今日も働き者な我輩であった。

 

 

 

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