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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は野菜が苦手である!


 最近我輩の住む町で家庭菜園なるものが流行りを見せている。

 やる気ゼロの我が三河家は一切それら面倒な事を誰一人しようとはしない。


 などと思っていたのだが、さすがは流行、三河家愚息の長男でさえ裏庭に猫の額より狭い畑でちょこちょこっと。料理全般を熟す彼だから思ったのであろう。家計を助けるためにと。


 狭いながらもかなりの種が所狭しと植えられている様だ。

 それにビニールハウスなるものまで作られているではないか?

 

 なんとなく我輩の期待が裏切られた事で、ビニールの部分を爪で裂いてやる。

 もっとショボいと思っていたのに・・・。


 最初に我輩の目へと飛び込んできたのは赤いボール。

 土の部分に小さく白い墓標が立てられており、”トマト”と書いてある。

 栄養源はこの下に埋まる”戸間途”さんなる死体なのだろうか?


 よく見ればこれは商店街のクソジジイが我輩の口に無理やり入れてくるドゥルドゥッルのアレではないか!

 ボケジジイの顔を思い出し、思いっきり爪で引っ掻き回してやる。

 思った通り、裂け目からはドゥルドゥッルのアレが・・・。


 一通り血の色に変色したやつを地面に落とし終えた確認を済ますと、隣にある緑の長い物に気付く。

 これには我輩も口から心臓が出るほど驚いて飛び上がる。一瞬だが天敵の蛇に見えたのだ!


 落ち着いてみればなーんの事は無い。

 しかし心臓に悪いから猫チョップと猫キックで真っ二つないし三つにへし折ってやった。

 

 更に隣には紫色のびよーんとした感じの野菜がある。

 時々三河家を訪ねてくる愚息の友人になんとなーく似ている。


 コレに爪と立ててゆっくり差し込んでやると、ギュワギュワと不思議な感触がして何だか気持ちいい。

 ぶら下がっている大小問わず全てのソレを穴だらけに。

 ストレス解消サイコーっ!!


 今回の仕事は我が三河家のみだったが、バイク屋の親父も菜園を始めたようだと近所に住むニャー吉に聞いたから、明日はそこへ行こう。


 

 残業は我輩の仕事における範疇ではないのだから。


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