吾輩は宴会奉行を務めるのである。
公園内が騒つく。
スーパースターの我輩が登場したからである!
と、冗談はニャン吉玉袋の大きさ程にして、今日ここへ来たのには別の理由が。
一斉に野良たちの視線を口もとへと浴びる我輩。
そう、今我輩はあるものを咥えているのだ。
それは何を隠そう、小織殿の部屋から拝借したファンデーション。
名前は・・サセテォクーレ・フェラチ・・!!!
そんなワケあるかっ!
サルヴァトゥオーレのヤツだった。
危ない危ない・・・。
訂正、ガモのファンデーションである!
今日はこれで全猫をパフパフする。
そしてニャー吉ドラ猫カラーへ変装して仮装大会をするのだ!
我輩の特殊メイクスキルを使えばお茶の子さいさい!
次々に量産されていく茶色のドラ猫。
さぁ、パーティーを始めようか!
「ギャアァァァッ!!」
{バサバサバサ!!}
「チヨチヨチヨッ!」
{パタタタタタ!!}
「グルックークルックー!」
{バタッバタッ!!}
ムム!
突然何処からか鳥たちの鳴き声と羽音が!
折角の宴を台無しにしよってからに!
幸いまだ宴会は始まっていない。
素早くニャゴロー警備会社隊員を招集!
ひーふーみー・・・全部ニャー吉ではないか!
我輩でも見分けがつかぬぞえ!?
まあよい。
いないよりマシか。
我輩烏合の衆を引き連れ食堂裏の森林地区へ。
全猫匍匐前進!
すると数人の人間が・・・。
なにをしているのだろう?
あっ!
あれは禁止されているカスミ網ではないか!
小鳥を一網打尽にするとかで禁止と美也殿の犯罪マニュアル本で見た覚えが?
あっバカ!
キサマ等早まるなっ!
鳥は食べモノではないぞ!
なぶり殺す玩具だぞ!
次々網にかかった鳥を襲う偽ニャー吉軍団!
もはや我輩には為す術がぁっ!
「くおぉぉぁらあぁぁぁっ!お前等そこで何やってるんだあぁーっ!!まさか密猟かあぁぁっ!?」
「やべ!公園の職員だ!!逃げろっ!!!」
地球の自転速度より速い盗人の逃げ足。
そこには網と複数の鳥を咥えた猫達だけが取り残された。
「ニャギャニャッ!」
我輩の合図で一斉に散開するドラ猫兵士!
ものの見事にその場から消えてしまった。
その後、公園内の各所に写真付きでニャー吉の手配書が張り出された。
『そのドラ猫、鳥好につき!』と・・・。




