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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
103/218

吾輩は猫舌である。


 八百屋にある国産松茸とやらを全て道にぶちまけた我輩。

 ジジイから代を受け継いだ孫の目が光る中、結構骨の折れる仕事であった。


 折角商店街へ来たのだから、ニャン吉に会っていくとしよう。

 ・・・バカにするために。


 最近ニセモノ事件が多発して、ヤツは塒を移動したと言っていた。

 うーむ。


 そんな時、どこからか香ばしい香りが!

 ムムム、コレは!?


 間違いない!

 魚を焼いている臭いだ!

 

 辺りを見回すと、モクモクモウモウの店が!

 あれは魚屋か!


 魚屋が魚を売る事などごく当たり前だが、生モノ専門のはず!

 焼き魚は専ら飲食店と呼ばれる人間の餌場から臭うのが世の常。

 これはどういうことなのだ?


 真相を確かめるべく、魚屋へダッシュ!

 とは言っても、この場から2件隣なだけなのだが・・・。


 

 電柱の陰に隠れて魚屋の様子を伺う我輩。

 どうやら店の軒先で小さな七輪を使って焼いている様だ。

 一体何を・・・


 あっ!

 あれは我輩の大好物サンマではないか!

 だからこんなにも煙が上がっているのだな! 

 となれば相当に脂が乗っているのだろう。


 考えただけで止まらなくなる涎。

 いや違う!

 そうではないのだ!


 これだけ煙モウモウだと商店街にある他の店が大迷惑間違いなし。

 我輩心を鬼にして煙の元を断ち切ろうとしているだけなのだ!

 決して食べたいからではない!


 あぁっ!

 しかも大将がその場を離れた!

 そりゃお客さんのほうが大事だろう!

 大チャ~ンス!


 目にも止まらぬ速さで物陰に隠れつつジグザグに移動。

 ここまで誰の目にも触れていないはず。

 目標まで、その距離およそ1メートル。

 ここは一気に!


 サンマ目がけて大ジャンプ!

 そして尾のつけ根辺りをパクっと・・・・・

 ん?


 {ジュッ}


 「ニギャアァァァァァァッ!!!!!」


 勢い余って網の上に前足を乗せてしまった! 

 しかもサンマ自体激熱で舌もやられてしまったようだ!


 しかしこのままでは我輩の面が割れてしまう。

 泣く泣く撤退を・・・。



 その日、商店街ではスキップするように前足をピョコピョコする舌を出しっぱなしの猫が、行き交う人々の目を楽しませたそうな。

 

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