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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は水生動物ではないのである!


 遂に我輩は水中で呼吸が出来るようになった!

 しかも小さいながら、前足には水かきが!


 初めて見る世界のなんと美しい事よ。

 視界50cmってとこだろうか?


 あっ!

 我輩この魚の名前を知っておるぞ!

 確か”ブルーギル”といってにっくき在来種を次々滅ぼす良魚ではないか!

 いつかいろんな場所へ拡散してやろう。


 おぉっ!

 一際大きな個体!

 これが噂のブラックバス!

 この国に於ける水生生物を亡ぼすとまで言われている淡水のクイーン!

 キングはスモールマウスバスかな。


 以前ゴミ虫の熱帯魚水槽にコッソリ入れた時の存在感たらなかった。

 次々カラフルな魚を捕食する素晴らしきイーティングパフォーマンス!

 ほれぼれしてしまう。

 今度病院に出来たばかりの庭園を飾る池へこっそり放すことにするか。


 お!

 なんだ!?

 これはバイクではないか!?

 川にバイクが捨ててあるぞ!

 その横には冷蔵庫・・そしてテレビまでもが!

 

 ここはエルドラドか!?

 一人暮らし用の電化製品など、探せば大抵の物が落ちているのではないか?

 喜べ学生諸君!

 日本全国津々浦々、近くに都市のある川は全て宝の山だ!


 それにしても水草の一つもないな?

 我輩の記憶が確かならば以前は無数の水草が水面を覆っていたと思うのだが?


 あっ!

 キサマは!

 その偉そうな口ひげ・・・悪食鯉かっ!

 以前美也殿が見ていた池を攫う企画でやっておったぞ?

 なんでもキサマは水草を全て食べてしまうそうだな?

 しかも外来種だと言うではないか!

 デカした!

 まことに天晴である!


 ムム?

 このウニウニ動くものは何だ?

 お前は大雨の後、よく道路でのた打ち回っているミミズではないか?

 もしかして水に溺れているのか?

 ならば新生半漁猫の我輩が助けてやろう!


 ミミズを摘まもうと両前足で挟んだ途端、激しい激痛が右前足を襲う!

 

 なんだこれは!

 釣り針ではないか!?

 しかも猛烈な力で水面へ引き上げられる!

 

 「ニギャアァァァァァァーーーー・・・・・・・・」


 

 その後、公園で一人の釣り人により溺れた猫が引き上げられる。

 彼曰く、堤防で釣りをしていたら、突然釣り道具と共に猫が川へ落ちたそうだ。

 5秒もしないうちに助け上げたとの事だが、既に土左衛門状態だったらしい。


 時同じくして、現場を通りがかったニャー吉の頭の中にあのフレーズが。

 『ボクド〇えもん!』と・・・。


 丸の中へ入るのは、果たして“ラ”なのか、それとも”ザ”なのか・・・

 

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