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仕事猫ニャゴロー  作者: どてかぼちゃ
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吾輩は飼い猫である!


 我輩は飼い猫である。

 名前は既に『ニャゴロー』とつけられている。

 どこぞの”タマ”や”ニャン吉”とタメ張るダサさに少々困惑気味。


 今日も塗りたてのコンクリートに肉球ハンコを押す為、建設中の建物をせっせと探し回る。

 途中、駄菓子屋を経営する明日にでも死にそうな婆さんの所に立ち寄り、”やっちゃん酢イカ”を与えられ、その場で腰を抜かして脱糞する醜態を披露。


 恥ずかしさの仕返しで店先に整列するガムやグミなどの商品を何箱かひっくり返してやった。

 

 ガタガタ激しい地響きがする。

 これは間違いなく建設中の何かがあると踏んだ我輩は小走りで音のする方へ。


 鉄筋コンクリート三階建ての新築アパートの様だ。

 先ずは手始めに壁紙業者の使用する車内へと乗り込み、クロスと呼ばれる物を爪とぎしながら引っ掻き回す。

 とても大きなトイレットペーパーにも似てなんと愉快な事。


 次は隣にある車へと移り、道具箱とやらを前足と爪を使い上手く開けると、中には様々な大工道具が入っている。その中でもノミと呼ばれる木を削ったり溝を掘ったりする刃物が多数を占めていた。

 

 人間の指など簡単に落としてしまいそうなよく手入れされたそのノミの刃に天敵と言われる塩分豊富のオシッコを掛けて酸化を促進してやる。


 それではいよいよメインディッシュの判を押す作業に入ろう。

 人間二人掛かりで段差一つなく仕上げられた駐車場?と呼ばれる場所を悪びれることなくスタスタスタ―っと。

 初めは軽やか、そして中盤は全体重を乗せてハッキリとした肉球の跡をつけてやる。


 途中、人間に見つかり追い立てられたが、動物愛護を盾に人気の多い場所を選んで逃走。

 気持ち的に最後の仕上げまで届かなかったことが非常に悔やまれる。

 それでもここ最近太り気味だったので、ダイエットには丁度いいぐらいの追いかけっこだったとポジティブに考えよう。


 今日もいい仕事をしたと我が家である『三河家』へと帰る事にするか。


 

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