ファンタジー舞台設定のために、中世の農地面積を考えてみた
2018/12/20追記
本文の内容は、当時TRPGシナリオ作成時に欲しい情報が見当たらず、使えそうなデータを集めて場当たり的に計算した内容です、非常にテキトウな内容となっておりますが、悪しからず。
ところで"適当"って漢字で書くと"その場を取り繕う、いいかげん"という意味より、本来の"条件・目的・要求などに、うまくあてはまる"感じになって若干使いづらい気がしませんか?
"いいかげん"も"好い加減・良い加減"と漢字で書くと……
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引用しまくり文だが大丈夫かしらん、ダメならさっさと消すので教えて下さい。
中世の農地面積ってどのくらいが妥当なの?と調べてみたが、これだ!って情報が見つけられなかったので考えてみた。
作物、気候、土質等で当然変化するが設定の目安として。
計算で変な箇所や、もっと良い計算方法があれば教えて下さい。
2018/12/19追記
11月初旬にスマホで追記したつもりだったのに、気がついたら追記できてなかった。悲しい。
・感想に空野月星さんから素晴らしい情報が投稿されていましたのでアドレス貼っときます
https://novelcom.syosetu.com/impression/view/ncode/915318/kanrino/6098536
参考に計算すると
全農地だと、10.53百万エーカー÷全人口425万人×ヘクタール換算0.4=1人辺り必要農地面積0.99ha
耕作地のみだと、6.76百万エーカー÷全人口425万人×ヘクタール換算0.4=1人辺り必要農地面積0.63ha
うん、悪くない悪く……あれぇ?結構違いますね。
・本文計算では休耕地を除いてますが、現代日本と違って、三圃式農業では必要があって休耕地にしているので、そもそも計算から除外してはいけないと思われます。
・なお計算値でマップを作ってみた所、非常に広大な範囲が農地になりました、モンスターが跋扈するような世界において、人類領域(主に農地)を守るためには、万里の長城が必要かもしれません。
むしろ、日本のように狭い範囲にリソースを注ぎ込んで、収穫量を上げるのが正しい選択な気がします。ファンタジー世界の農業は、きっと(面積換算という側面では)効率的に違いない。
・http://www.maff.go.jp/j/budget/2010_3/pdf/enkatu-haikei1.pdf
を参考に江戸時代位の1人辺り農地面積をざっくり計算してみると
耕地面積300万ha÷人口2千万人=一人あたり農地面積0.15ha
少ない!2千人の町なら周辺農村まで含めた総人口は2千*5で1万人、必要農地面積は1万×0.15ha=1500haこのくらいなら防衛もかなり楽になるかも。
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指摘があったので時期と場所について。
非常に大雑把ですが、三圃式農業をやっているくらい、ノーフォーク農法導入前ですね。
地域はもうざっくりとヨーロッパ、細かい場所まで考えるほど資料を見つけられなかったですし。
TRPGの舞台設定やシナリオ設定に使う様に計算したので、そこ迄細かくは要らないかなあ思いまして。
あとは国毎、地域毎に大雑把に係数を掛ければソレっぽい数値に成るかなと。
何故農地面積が欲しかったかと言いますと、町から森までの平均的な距離を出したかったからですね。魔物がでそうな領域との境界、依頼を受けてそこ迄何日掛るのか、比較的安全に旅ができるのはどの辺りまでか、魔物の領域との境界警備にどのくらいのリソースが必要なのか。
魔物の跋扈する世界で境界警備のリソースをできるだけ減らしたいのであれば、農地の範囲は円形になるでしょう、開拓をするならどうすべきか、あまり飛び地とは考えにくい、もし遠方で開拓するなら相応の武力が必要で開拓地からは弱い魔物の出現程度では依頼は来ないだろう等、そういった事を計算する上での基礎資料ですね。
下記農村1家族当り人数より1家族平均を8名と仮定。
ハイド、エーカーの内容から
404686/8≒50586≒50000
三圃式農業から34%が休耕地として
50586×66%≒33893
納税の項目と、後代には賦役から金銭納付に変わった事を鑑みて、強引だが凡そ半分が税と考える
33893/2≒16946
農村が都市部を支える必要があるため農村都市人口比より20%は都市部への食料として計算する
16946×80%=13557
”十分な広さ”とあるので余裕があると考え幾分削って13000㎡が1人当り必要な農地面積と計算
因って都市人口×1.3ha+都市人口×4×5ha=都市周辺の最低農地面積と仮定。
最下段1ヘクタールで何人養えるかを参考にみると、1人当り1.3haは悪く無い数字と思う。
オーストラリアより優秀な数字なので、実際に必要な面積より少いかもしれないが、ファンタジー世界ならファンタジー植物のお陰と言う事にすれば大体良いかも。
2000人の町の場合2000×1.3+2000×4×5=42600haを最低農地面積とする。
町周辺の農村には8000人が居住し、1家族8名として1000戸、1集落の戸数平均を25戸程度と考えると40前後の集落が周辺にある。
42600ha/10000(都市及び村落地合計人口)=4.26haなので、漢王朝時代の農地面積と比較しても悪くないかも。
●漢王朝時代の農地面積
http://heartland.geocities.jp/zae06141/agricltural_productivity.html#%82V%81D%92%86%90%A2%83G%83W%83v%83g%82%CC%94_%8B%C6%90%B6%8EY%90%AB
『漢書』記載の全可耕耕地を人口で割った一人当たりの平均農地=13.8畝
http://www.allchinainfo.com/trivia-of-china/4841
6尺=1歩とし、240平方歩=畝
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%95%9D_(%E5%8D%98%E4%BD%8D)#cite_note-2
1尺=23.1cm=0.231m
以上より
13.8×(0.231×240)^2=42415.59168㎡≒4.24ha
●1エーカー≒4047㎡(国際単位系)
ウィキペディアより
エーカー (acre) という名前は、ギリシャ語で牛の軛を意味する言葉に由来する。そこから、「雄牛2頭引きの犂を使って1人が1日に耕すことのできる面積」としてエーカーという単位が作られた。よって、その土地の傾斜や土の固さなどによって1エーカーの面積は変わることになるが、同じエーカーであれば、作業時間は同じということになる。
●1ハイド≒404686㎡(国際単位系)
ウィキペディアより
ハイド(hide または hyde)は、かつてイングランドで使われていた面積の単位であり、徴税単位としても用いられた。
もともと農民が家族を養うのに十分な耕地の広さ、という意味の面積単位であった。そのため、エーカーと同じく地方によってその広さはさまざまで統一的ではないが、およそ60エーカーから120エーカー、あるいはそれ以上とされる。12世紀から13世紀には120エーカーと定義されている
●農村1家族当り人数
http://ameblo.jp/sumire93/theme2-10047586430.html
農家の家族はたいていの場合、核家族or拡大した核家族=「1~3人の子供,祖父・祖母,親」からなり、多人数の家族は珍しかった。農家の生活は「耕地が広くなる,家畜(特に役畜)が多くなる」につれて、ますます豊かになった
●農村-都市人口比
http://www5a.biglobe.ne.jp/~outlaws/text/city_design.htm
大きな人口集中地は他の人口集中地との協調関係を発展させているのが常でした。大きな都市は数多くの“衛星”都市を持っていました。人口が30,000から10,000人の小さな都市も、半径20~30km以内に百ほどの“衛星”「町」「村落」「小村」を持ち、それらは都市の農業基盤の役割を果たしていました。そして、農業が大きく発展していた地域での「都市―農村人口比」(「小村」「村落」「町」に住む人口と「小都市」「都市」「大都市」に住む人口の比)はおよそ4対1でした。言い換えれば、「工業化以前」の時代では、最良の条件にあったところでは人口の80%が農村部に住み、20%が都市部に住んでいたことになります。しかし、この人口比が常に成立していたのはオリエント(極東・インド・中東)だけであり、西ヨーロッパでの人口比は9対1以上、つまり人口の90~95%は農村部に住んでいました。このことから、ファンタジー世界を形成していく上で、重要な要素は農業の発展度ということになります。やや、強引ではありますが、文明の社会・経済レベルを以下の5種のクラスに分類します。
●三圃式農業
ウィキペディアより
三圃式農業(さんぽしきのうぎょう、英語:threefieldsystem)は、農地を冬穀(秋蒔きの小麦・ライ麦など)・夏穀(春蒔きの大麦・燕麦・豆など)・休耕地(放牧地)に区分しローテーションを組んで耕作する農法である。農地の地力低下を防ぐことを目的としており、休耕地では家畜が放牧され、その排泄物が肥料になり、土地を回復させる手助けとなった。中世ヨーロッパで行われており、現在の混合農業につながる農法である。三圃制とも。
●納税
http://ameblo.jp/sumire93/entry-11609141067.html
イングランドの場合賦役が普通だった時期には、農民の大部分は1週間のうち2日or3日間、領主のために働かねばなならなかった。加えて収穫期には、領主の意向によってさらに「毎週2・3日の臨時の労働」を行わねばならなかった(=1週間のほとんどを領主のために働く)。しかもこの臨時労働には「妻を除いた全家族と、3人の男子の補助者」と共に出てこなければならなかった
●農民の収益
http://ameblo.jp/sumire93/entry-11614015879.html
(2)農民の僅かな収益
A.上記のような制約から、農民の獲た収穫量は僅かであり、しかもそのかなりの部分を「賃租と貢租の支払いとして」領主に納付しなければならなかった。その上「教会の1/10税,国王の種々の租税」徴収が存在した
B.ある計算によれば「1.土地の収益(あらゆる収穫の貨幣換算)は平均して土地価格の1/10」「2.土地価格の3~4%が領主に納付された」「3.さらに納付しなければならない他の諸義務を加算すると、農民の手許には収益の1/3しか残らなかった」という
C.別の計算もほぼ同じ結果である。「1.収益の1/3は保有地の賃租として荘園領主が徴収する」「2.残りの2/3のうち1割を、1/10税として教会に渡す」「3.さらに残った6割のうち1/3をフォークト(代官)が受け取り、10%が租税となった」
●1ヘクタールで何人を養えるか
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200906/2009062205.htm
農用地のカロリー供給力の国際比較(2003)
1ヘクタール当りの人口扶養力
カナダ 0.66
オーストラリア 0.11
イタリア 2.33
イギリス 2.49
フランス 2.50
ドイツ 4.10
アメリカ 0.88
日本 9.33
畜産とかは聞かないで下さい。