ピエロと猛獣使い
ピエロと猛獣使い
あるところにサーカスがありました。
そこにピエロと猛獣使いがいました。
ピエロはみんなと同じ時間に練習をして猛獣使いを除くみんなと仲良くしてました。
猛獣使いはみんなより少し早い時間に練習をしていましたが皆をばかにしたり文句を言ったりしてみんなと仲良くできませんでした。
ピエロはサーカスの人気者でみんなを笑わせていました。
猛獣使いはそんなピエロと同じくらい頑張って芸をしてもみんな笑ってくれず団長に怒られてばかりいました。
猛獣使いは人気者のピエロが嫌いでした。
「俺はみんなと同じぐらい頑張っているんだぞ。なのになんでお前ばっかり人気者なんだ。」
猛獣使いはピエロを毎日怒っていました。
「どうせお前は俺をばかにしているんだろ。何とか言ってみろ。」
猛獣使いは毎日ピエロにそう言いました。
しかしピエロは何も言い返しませんでした。
「何も言わないってことはやっぱりバカにしているんだな。俺もお前なんか大嫌いだ。」
猛獣使いは必ずピエロにそう言うのでした。
そのたびに皆から
「おい。こいつをいじめるのをやめてやれよ。かわいそうだろ。」
と怒られました。
猛獣使いはそんな毎日が嫌でした。
ある日猛獣使いはサーカスの公演中にライオンの火の輪くぐりをしていました。
猛獣使いはライオンをむちで操ろうとしました。
しかし、ライオンはいうことを聞いてくれません。
いつものことでした。
「おい。俺が火の輪をくぐれと言っているんだ。」
猛獣使いはライオンに怒鳴りました。
いつものことでした。
しかし、毎日こんなことをしているせいで今日はとうとう頭にきて…
「おまえなんかこうしてやる。」
ライオンをむちでたたきました。
ライオンはびっくりして火のついた輪に体当たりしました。
火のついた輪はサーカスのテントのところまで転がり輪の火はサーカスのテントに燃え移りました。
客も団員もサーカスの動物もみんな外に逃げました。
サーカスのテントはすべて燃えてしまいました。
団長はかんかんです。
「おまえのせいでサーカスはめちゃくちゃだ。おまえなんかくびだ。俺たちはまた新しいテントを借りて仕事をするがお前は来るな。」
そう言い残して去っていきました。
「なんだよ…なんだよ…」
猛獣使いは泣きそうになりながら座り込みました。
「ねぇ…大丈夫かい。」
誰かが声をかけてくれました。
それはいつも猛獣使いがばかにしていたピエロでした。
「なんだよ。お前は俺をばかにしているんだろ。じゃあ俺のことなんか気にかける必要はないじゃないか。」
猛獣使いはそう言いました。
「ちがうよ。君のことなんかバカにしてないよ。むしろ君はみんなより頑張ってるじゃないか。」
ピエロは優しくそう言いました。
「みんなより早い時間に来てみんな以上に頑張って…僕はそんな君をすごいと思うよ。」
ピエロは続けてそう言いました。
「…でも。お前は俺なんか嫌いだろ。俺はいつもお前をばかにしてたからな。」
猛獣使いはそう言いました
「ううん。君は嫌いじゃないよ。むしろ頑張ってる君と友達になりたいと思っているんだ。」
ピエロはそう言いました。
「…そうか…ありがとう。…なぁピエロ。本当はお前がうらやましかったんだ。
俺より何でもできるお前が…なんでお前にいつもひどいことを言ってたんだろう。
…ごめんな。ピエロ。俺もお前と友達になりたいと思っていたんだ。」
猛獣使いは泣きながらそう言いました。
「じゃあ、僕たち二人は友達だ。二人で団長にあやまりに行こう」
ピエロはそう言いました。猛獣使いもその言葉にうなづきました。
そして二人は団長にあやまって猛獣使いもサーカスに戻りその日から見違えるように腕を上げて今やピエロと並ぶ人気スターになりました。
そしてピエロと猛獣使いの友情はいつまでも続きました。おしまい。




