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明日の僕は  作者: 錫華
1/1

僕と彼女 春

僕には彼女がいます

周りにとっては姉と弟にしか見えませんが、僕と彼女は付き合ってます


桜が舞い、昼間の日差しで暖かい春の道を歩きながら僕は彼女の元に向かう

今回は少し大人な感じで花を買い、彼女にプレゼントしよう

女性に対して花をプレゼントするというのは少し大人の階段を登った気分になります

花を買ったせいか、少し浮かれてしまっている僕がいる

「そろそろ、起きてるかな?」

気が付けば、彼女の部屋の扉の前にいた

僕は急いで制服と髪を整え、大きく深呼吸をしてから扉を開けた

「お早う、今日は花を買って、来―」

そこから先の言葉は出てこなかった、いや出すことが出来なかった

何故なら僕の目の前には―

「ん?お前、今日から学校が始まったんじゃないのか?」

「うわぁぁぁぁぁ!?服、服を!!」

「服がどうしたんだ、ちゃんと着ているぞ?まぁ、面倒だったからボタンは付けていないが」

「お願いだからちゃんと服を着てよ!!」

―パジャマのボタンを全開にしている僕の彼女がいたからだ

扉を開けた瞬間にパジャマのボタンを全開にしている人がいたら誰だって驚くはずだ

「病室で大きな声を出すとは、非常識な奴だなお前は。また看護婦に叱られるぞ?」

「大体君の性だからね、あと非常識なのは君だよ!!」

僕を小馬鹿にして振り回しているこの人が僕の彼女です

まるで子供扱いされてる気分と言いたいですが、僕は昨日中学生になったばかりなので子供としか言いようがありません

「非常識に関しては否定するつもりはない。まぁ、折角来てくれたんだからお姉さんとハグしようじゃないか、ハグ」

「ならボタンをちゃんと付けてよ、お姉さん」

「ハグしてくれたらボタンを付けてよう」

僕は少し唸ってみたが、彼女には全く効果が無いため諦めました

僕が諦めたのを察した彼女は自身の膝を叩いて、膝の上に乗るように指示している

僕が渋々靴を脱いで彼女の膝の上に座った瞬間、彼女の手は僕の後頭部に触れたあと僕の頭は彼女の胸の方向に引っ張られた

僕の顔は彼女の胸に押し付けられている状態だが、何かは分からないがいつもとは違う感じがした

「ブラを付けるのを忘れていたが、中学生のお前には良い刺激になるだろう」

「刺激うんぬんは別に良いから服装や下着はちゃんとしてよ!!」

「それはそうと、胸がまた大きくなったんだが、気持ち良いか?」

「もう二十歳なんだからもう少しまともになってよ!!」

十三歳の僕と二十歳の彼女の年齢差は七、しかも周りの人には彼氏彼女の関係に見えないらしい

周りの人が姉と弟にしか見えないと言っているのはこのやり取りの性だと僕は思います

現在地を言っておきます、病院の個室です

前は相部屋だったんですけど、最近個室に替わりました

それなのに大声を出す僕達が怒られないのは、常日頃こんなやり取りをしているのが原因なのでしょう

「さて、お前を愛でるのはこの辺にしておくか。…お姫さま抱っこか、そのまま式場にでも行くか?」

「車椅子に乗せるだけだよね?…それに、重―イタッ」

「それ以上は言わない方が得策だぞ」

「殴ったあとに言われても…」

彼女は下半身不随なので基本的に寝たきり生活ですが、退院していないのは彼女の希望によるものらしいです、あとビンタが痛いです

退院しない理由が「快適だから」の一点張りと、普通は拒否出来ますが病院側が拒否しないのは彼女の親が議員さんだからです

長期間の入院はお金が凄く懸かりますが、彼女の親が議員さんなのでお金的には問題は無いようです

僕が入院した頃の病院では彼女は腫れ物扱いでしたが今ではみんなと仲良くしてます

僕が入院した頃の話しは今は止めときましょう、多分面白味が全く無いと思うので、今すべき話しは―

「ん?どうかしたのか、まだ散歩をしていないのにほくそ笑んで?」

「責めて笑顔って言って欲しかったけど…じゃあ行こうか」

―僕と彼女のこれからについての話

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