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第13話 秘術はまさか超有名なあの技(?)

今週土曜は仕事休みで落ち着いて更新。

マスターが置いていった《出禁の書》と共に残されたおれたち。


「どうも敵の数が多すぎるな。このままだったら村は壊滅か。タタロオも人間とフュージョンしたんだから、特殊能力が開発されているはずだ」とバンバン銃で撃ちながらチャウ丸。


「技を出すには緩急が大事なのよ。何かやってみて」とシャムりん。


 緩急ねえ······序破急(じょはきゅう)みたいなことぉ?

 そんなこと言われてもなぁ······。


 本に載ってる〈ハドー拳〉は、たしか同名で人気の格ゲーの技にもあったような······。

 でも漢字じゃないから同一のものかは不明だ。


「これやってみな」

 チャウ丸がページを開いた。



【〈秘術 其ノ八〉

 コカン魔殺砲(Special Beam Canon Ball)】



 ············。

 ん? これはあの超有名漫画の緑の戦士が使いこなす由緒ある必殺技に似てないか?

 微妙に呼び名がちがうのは、三銃士の噂に基づいたレポートだからか。


 とはいえ、ほんとに有名な必殺技にちなんでたとしたら、なんか本場に申し訳ないな。

 しかも、なんの取り柄もない雑種犬のおれみたいなもんが。


 添え書きのところに〈唱えると同時に手を振り下ろす〉とある。 


 じっとおれのほうを見るふたり。

 じりじりと近づいてくる複数の魔物――。


 ······そうだよね······きっと何もしないよりはいいよね。 


 おれはふたりの視線に耐えられず、一度大きく深呼吸をしてから、指示通りに手を振り下ろしながら気合いで叫んだ。


「コカンマサッポウ!!!」


 シーン。


 ハズッ。


 恥ずかしさのあまり、顔から火が出てません? 

 もしやその熱がエネルギー弾じゃないよね。

 顔が炎上するように火照(ほて)ってるんですけど。


 ねえ、そんな浴室のカビを見るような目で見ないでおくれよ。

 〈世の中には生まれ持ってなんでもできる器用な人と、そうじゃない人がいるんですからね〉


 なんか悔しかったから、勢いのまま本場のほうの名前でもやってみた――

 が、出ない。  

 恥の上塗りだ。本場の方々、すみません!


「あっ、見て!」


 覗き込むと、こうあった。


【逆側から唱えること】


 ············それ、早く言ってよぉ!


 でもまさか英語ってわけじゃないよね?

 もし英語なら、どう読むんだ? 

 ラヴォノ······わけわからんな、ヤメだ。

 ジーコ、しっかり英語勉強しとけよなー。


 ちなみに日本語は············ウポッサマンカコ。


 これならなんとかいけそうだな。

 でもめちゃくちゃ言いづらいな······えーっと、どうやって覚えよう······

 “ウポッサマンの過去”って感じね。


 ウポッサマンって誰だ? 


 まあいいや、ウポッサマンの過去、ウポッサマンの過去――。


 おれはみんなの視線を気にしながら、ふたたび勇気凛々(りんりん)で腕を思いっきり振り下ろした。


「ウポッサマンカコ!!」


 おれが叫ぶが早いか次の瞬間、前方の林にパッと放射状の光が広がった。


「おおっ、なんか出たぞ!」とチャウ丸。


 えっ? まじ? おれがやったヤツかな?


 手がじゃっかんジーンと(しび)れているくらいで、イマイチ実感ないんだけど。

 これ、腕を振ったことによる痺れじゃないのか?


「もう一発いこうぜ!」


 まあ、そうなるよね······。

 じゃあ、ハズいけどすみません、いかせてもらいます。


「ウポッサマンカコォ!!」


 さっきより滑舌もよかった気がする。

 オオオッ!

 見ると今度は林が炎を上げているじゃないか! 


 もちろん本場みたいなダイナミックなエネルギー弾が出ているわけじゃないが、魔物たちが雄叫びをあげながら逃奔している。


「やったなタタロオ、成功だ!」

「······あ、ああ······」


 うーん、よくわからんが、これは成功なのか。


 手の痺れが尋常じゃないんですけど。

 しかも顔に近づけたら、じゃっかん手が熱を放ってるし。

 熱力学ではどこかに秩序が発生すれば、どこかに無秩序が発生しないといけないから、さっきのでなにか大事なものが損なわれたりしてないかな。

 とはいえやはり、可視光線ではない何かは出たんだろう。


 マジかよ······えれえことになってきたな······。

 まさか自分にそんな能力が身についているなんて······。

 イヌと人間がフュージョンしたことで謎の化学反応が起き、特殊能力を身についたってことか?


 でもこれって豚に真珠いわず、まさにイヌに魔術じゃないかな。

 使い方もよくわかってないおれなんかが、そんな貴重なものを手に入れちゃって大丈夫?


 にしても、なんで技を逆側から唱えるんだよ。

 だったら最初から唱える呼び名で記載しとけばよくない?

 おそらくだが正式名と唱える呼び名はまた別扱いなんだろう、知らんけどさ。

 

 いろいろ謎が多いから、例の《出禁の書》を読み込まないとな。 

 おっかない魔物たちもいなくなったし、とりあえず良しとするか。


本場とは一切関係ないそうです。。

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