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プロローグ


異世界転生物語を書いてみたくて、コロナ禍に適当に書きなぐった作品を手直ししたのを投稿









 ――――次は~王城前~、王城前に停まります。お降りの方は鐘を鳴らしてお知らせ下さい。


「ご利用ありがとーございました~」


 異世界にて、馬車の運転手やってます五ノ上夜々(ゴノウエヨルヤ)です。前職はバスの運転手でした。


「料金はこちらに……あ、定期券なら提示して下さい」


 この世界にやって来て半年ほど。若者達の召喚に巻き込まれた形でやって来ました。


 まだ二十五なので自分もまだ若者ですけどね。


 ――――次は劇場前~、劇場前に停まります。お降りの方は鐘を鳴らしてお知らせ下さい。


 まぁそれなりに楽しくやっています。第二の人生、俺は自由にやって――――



『クエストを開始します』


【サブクエスト――――】

【クリアー条件――――】

【クリアー時間――――】

【クリアー報酬――――】



 ……まぁそれなりに楽しくやっています。第二の()()()()した人生、俺は楽しんでます。


 はぁ、なんでこんな事になったんだろうな。


 まぁいいか、このクエストクリアーしたらガチャ回そ。




 ――――

 ――――





『あ~……またかな?』

『この方も二十歳を超えてますね』

『これで二つ目の手違いだぞ』


 手違い。そんな不吉な言葉が、自称神様達の口から発せられた。どうやら俺は死んでしまったみたいで、この神様達の元へと送られたらしい。


『あっちの神はいい加減な仕事をするのですね』

『一つならまだしも、二つとは』

『どうしようね。さっきの子は勇者達の付き添いで特例って事にしたけど』


 俺が歓迎されていないのは雰囲気などで分かった。歓迎されていないと言うよりは、困らせていると言った感じだが。


 しかし勇者と言ったか? おいおい、まさかこれって異世界転生とか、異世界召喚とかそういうアレか?


 死後どうなるのかなんて誰にも分からない。でも俺は勝手に、また地球の人間として生まれ変わる、そのために神様に面会している……そう思っていたんだけど。



『え~と名前は、五ノ上夜々……ヨルヤ・ゴノウエね』

『この者は、あの者達とは違う所属らしいが』

『所属より二十歳を超えている事が問題でしょう』


『ギフト取得が出来なきゃ、異世界人が生きていくのは難しいからね』

『ならばどうする?』

『仕方ありません、この方も特例でいいのでは?』


『ふむ、我に異論はない』

『この方の知識、技術、経験的に問題はなさそうですし』

『たまに凄い知識を持った人が来るからね』


 ……違うっぽい。マジで異世界、剣と魔法の世界に送り込まれるかもしれない。勇者とか召喚とかギフトとか、もう完全にアレじゃん。


 冗談じゃない。特例と言う響きはなんか魅力的に感じるが、異世界に行ってまで俺ツェェェェェェ!! なんてしたいとは思わない。


 最初はいいかもしれないが、どうせ文明が発展してないお約束の世界なんだろ? そんなの、地球の発展した文明を享受していた俺には苦痛でしかないだろう。


 ウォシュレットがないトイレなんて絶対に嫌なんだが。ケツ拭いた紙を便器横のゴミ箱に捨てるとか冗談じゃないよ。



「……あの、神様? もし異世界召喚とかそういうのだったら俺行かないんで、戻してください、地球に」


 話し合いを行っていた神達の目が俺に集まる。


 珍しい物でも見たような表情だが、誰も彼もが異世界転生に前向きな訳じゃないんだよ。



『珍しいね? あっちの世界の者は大抵が喜ぶんだけど』

「現実主義者なんで」


「手の平から炎を生み出してみたいと思わないのか?」

「ライターあるんで」


『エルフとかいますよ?』

「それはっ……コスプレで十分なんで」


 今までの話や雰囲気から察するに、俺はイレギュラーなのだろう。望まれてここにいるという訳ではない、神達に手違いがあったのだ。


 なら別にいい。異世界とかエルフとかワクワク……しない訳ではないけど、剣とか魔法とか魔王とか出てくるんだろ?


 そんなヤベぇ世界に行けるかっての。俺はまだ二十五歳、地球での人生はまだまだこれからなんだよ。



『いやでも、もう君の魂は譲渡されちゃってるし』

「……魂が譲渡? 人の魂を勝手に譲渡するなよ」


『その魂を作ったのは我々だ。つまりお前の魂は我々の物だ』

「うわ、傲慢神かよ」


『再譲渡は可能ですが』

「ほんとですか? なら再譲渡してくださいよ」


 なんだよ、出来るんじゃないか。危険な剣と魔法のファンタジー世界に行くより、安全で近代的なリアリティ世界に戻った方がいい————


『————戻った瞬間に死にますのでお覚悟を。あと次の転生が人間になるとも限りませんのでご注意を』

「人間になるとは限らない……?」


『どの命に生まれ変わるのか楽しみですね。まぁまず虫でしょう』

「む、虫……」


 なぜ言い切れるのか、神様だからか? こんな適当な物言い、普段なら一笑に付すところだが……目の前の女神の神々しさがヤバくて信じてしまうそうになる。


 いやまて、落ち着け。仮に、仮の仮に虫に生まれ変わったとしよう。


 虫はすぐ死ぬ。人間に踏みつぶされるかもしれないし、もっと強大な虫に食われて終わるかもしれない。


 そうしたらまた生まれ変わるのだろう? 何回か生まれ変われば、いつか人間になれるのでは?


 ……いやまてまて落ち着け。耐えられるか、俺。虫の人生……虫生を。それを何回も繰り返す可能性だってある訳なんだぞ。


 俺、蜘蛛が大の苦手なんだけど、もしそれに生まれ変わったりしたら……!



『では最終確認だ。こちらの世界は、お前の元居た世界とは環境が異なっている』

『死の脅威、己に宿る異能、他にも様々な事が元の世界とは違うでしょう』

『強制じゃない、断る事も可能だよ。ただし、元の世界に戻っても君は死んでるから、別の生命体に転生する事になるけど、何の生命体に転生するかは分からない』


 蜘蛛か……? 蜘蛛なのか!? そこが最重要なんだが。鳥とかに生まれ変わるとかいうのなら喜んで戻る所なのだけど!


 死の脅威か、虫か。その二択であれば……!



「蜘蛛は嫌だ……それならウォシュレットを我慢します……」

『よく分かりませんが、我々の世界に来ていただけるという事で宜しいですね?』


 項垂れるように頭を下げ承諾の意を示した俺は、再び話し合いを始めた神達を横目にここに来るまでの事を思い出す。


 あの日、あの時、何が起こったのかをハッキリとは覚えていない。地震のような衝撃を感じた後、急に目の前が明転したのを覚えている。


 眩いばかりの光に包まれた。ありがちな話だと死んで目の前が暗転して転生とかだけど、俺には全くといっていいほど死んだ実感なんてなかった。


 光に徐々に目が慣れてくると、そこには神達が居た……という訳だ。



『じゃあさっきの子と同じで、限界延長でいいかな』

『そうですね。あとは努力次第かと』

『うむ、ある程度の力を得る事は出来るであろう』


 俺は死んだらしい。俺と一緒にいた人達もほとんどが死んだと聞かされた。だとしたら……俺が殺してしまったのかもしれない。


 大げさにはなるが、あの状況下では俺がみんなの命を握っていたようなものだ。言い換えれば、あの状況であの数の人の命を奪う事が出来たのは俺だけだ。


 なんて色々と思う所があったり、その後に出て来た新しい神様と色々あったりしたが一先ずは落着した。


 これから俺はどうなってしまうんだろう? 正直、授かった変なギフトのせいなのか不安しかない。



『まぁ頑張ってよ! 勇者召喚に巻き込まれた一般人————バスの運転手さん!』


 こうして、学生たちの修学旅行に随伴していたバスの運転手さんである俺は、異世界へと転移した。



 ――――the next bashastop is ~どう見ても異世界転移じゃん……~


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