プロローグ
とある場所でドラゴンが狩られた。
奇跡に近い偶然と幸運の結果ではあったが
さすがに竜種は希少なだけではなく存在自体が
人類より格上だったらしかった。
倒される直前に切り落とされたしっぽの先は竜本体が倒された後も
暴れまわりそこら辺の兵を薙ぎ払った。
幸いにして武に長じたものが多く切り刻んで燃やし、なんとか始末が終わった。
そう思われていたのだが。
えー、突然ですが竜のしっぽです。
竜が死を避けるため残った力の一部をつぎ込んだようです。
竜の魂は殺すことはできなかったらしく封印されたようです。
巨大な竜の骸の小さな破片はさすがに見落とされたらしく、気が付いたら
ぽつんと荒野に取り残されておりました。
しっぽだけで動けるように分身にもちょっとした自意識があったのですが
他に竜とつながっていた意識を持つものはいないようです。
本体とともに消え去るか、巻き込まれて消されたのでしょう。
自分だけ残ったのは本体が倒された場所から数キロも離れていたせいでしょう。
壮絶な戦闘で切れ端がすっ飛ばされたようです。
特殊な魔法が使われたのか竜の存在は異次元に封印されたようですね。
こちらにのこったのは竜の名残(極小)という感じです。
また見つかって騒動になっても困るのでそこらへんで死んでいたさまよえる存在を
知識ごと取り込んだのですが、全然常識がない人物だったので安全のため姿を
人間に変えても周囲から浮きまくりで危険でしょうがないです。
いつかは力を取り戻せるかもしれませんが、自然に任せるとあと5000年以上は
軽くかかるので人類の脅威になる日は2度と来ないんじゃないかと思います。
そもそも、今回倒された本体も人類を滅ぼそうとか考えてなかったみたいですしね。
特に興味がなかったんじゃないかと思います。