8.いざ地球へ!
不定期で月曜日に更新予定で進めていきます。どうぞ、ゆっくりご覧になっていってください。
〜前回のあらすじ〜
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下界を見るって面白いね
ついでに、もう少し下界の情報を眺めて見ると
まぁ面白いことに、この世界にはどんな人がいて、子どもを欲しがっていて、どんな未来が設定されているか可能性ではあれど一望できるんだな、この魂の状態というのは。ある意味こんな風に未来がわかると、面白くもあるしつまらんもんだな、と思う
先がわからないから面白いのだ、と。「先に結論を伝えてから説明した方が、脳は喜ぶ」なんて話を聞いたことがあるけど、あれは結論がわかっているが故の安心感があるから、落ち着いて思考を巡らせることで状況コントロールできている気分になっているだけだろう、と思っている。
人にはコントロール欲がある。自分の思い通りにことを進めたいという欲。だから思い通りにいかないと怒るわけだ。依存という形でも現れるが、浮気を許せないのはまさにそう。そもそもはもっと歴史深いものがあるのだろうが。まぁ浮気は僕も嫌だけどね、これからの世はその価値観も変わるだろうしね
そろそろ下界へ旅立ちだ
「そろそろいいか?」
「OK」
「それじゃいくぞ、楽しんでこい」
神様がその言葉を放つと、まるで魔法のランプでも発動したかのように、エネルギーの渦みたいなものが眼前に発生し、僕の魂はその中に巻き込まれ、何が何だかわからなくなった。台風の中に巻き込まれたようなものだろう。時間も場所も方向もわからないまま、一瞬なのか永遠の時なのかさえわからない、「あり得ないことが起きていることだけは確か」というものだ
そして
「自我にとらわれないことで幸せになる」という直感が働いた。理由はよくわからないが、おそらく転生先で使うのだろう。なんとなく心に留めておいた
気がつくと僕は、生まれていた。まだ目を開けてはいないが分娩室にいる感覚はあるし、なんか体に温かい液体ついてるし、なんかお腹周りに紐みたいな感触あるし、たぶんそうだな。お母さんのお腹の中にいる経験はできなかった。ちょっと興味あったんだけどな。胎内記憶とか、なんかかっこいいじゃん
全体を把握することはできなかったが、お医者さんに看護師さん、医療器具に母親、父親を認識する。だから神様は急がせたんだ。僕が誰を選ぶかもわかっていたし、もう時間がないからこのようなスピーディーな展開になったんだな
しっかし、さっきまでは出産の光景なんて見えなかったぞ。どれだけ時間飛ばしたんだよ
なんか矛盾しているんだが納得感もある、よくわからん事態だ
改めて神様に意識を飛ばすが、もうコンタクトは取れなくなっていた。まるで分厚いコンクリートで遮断されているようだ
「こっからは自力でやるしかないな」
覚悟を決める
体を洗ってもらっていると、なんか不思議な感覚だ。他人に体を洗ってもらうって生前はないからな。けっこう楽でいいや
母親のところに近づけてもらう。おっ、ちゃんと上で見ていた人だ。安心安心。今んとこはそれなりな展開だぞ。でもちょっと髪が伸びたな
いかがでしたでしょうか?
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