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21.フレア

更新が遅くなり、申し訳ございません!

次の更新は遅くならないように頑張ります!


誤字報告をありがとうございます!

いろいろ間違えるので、これからもたくさんの誤字をすると思います。

最新話を書くことに時間を割き、なかなか自分で誤字を見つけられないことが多いので、よければこれからも教えてくださるとうれしいです!

「改めて、本当にありがとうございました。」


 場所は変わって、私たちは今彼女行きつけの店を訪れている。


 彼女の言葉に苦笑をしながら返事をする。


「いえ、そう何度もお礼を口にされるほどのことはしていませんよ......それにしても、ここは素敵なお店ですね。」


 何度も素直にお礼を言われるのは少し恥ずかしかったので、話の流れを変えるためにも店の方に注意を向けた。

 けれど、その言葉に偽りはない。賑わっていて華やかなお店といった感じなのだ。


 彼女は私の言葉に一瞬驚いた様子を見せていたが、すぐに笑顔になって言った。


「そう言っていただけると嬉しいです。この店は私が働いているお店なんですよ。」

「へえ~、俺たちまで一緒に来てしまった悪いね。」


 あ、そういえばエリオたちを差し置いてお話してしまった。私としたことが......と思い、謝ろうとしたが、それよりも先に彼女が返事をした。


「すみません、私たちだけで話を進めてしまって.....というか私ったら自己紹介をしてませんでしたね.......私はフレアといいます。」


 ちなみにだが、彼女は赤色に近いオレンジの髪で深緑色の目をした元気いっぱいの少女である。この前のおびえた様子とは全く異なる印象を受けた。


「そういえばまだ自己紹介をしていませんでしたね。改めまして、僕はセシルと申します。今は訳あってこちらの方々と()()()()行動を共にしています。」

「俺はエリオ。こっちの赤髪の怖そうな人がディランで、その隣の黄緑色の髪の優しそうな人がフレディー。2人とも俺の友達だよ。もちろん()()()()ね。」


 よろしく、といってエリオが締めくくった。

 2人は、というかディランはエリオの紹介に一瞬むっとした様子が見えたがこの場で言うことではないと判断したのか、多少顔が引きつっていたが、良いタイミングで会釈程度にあいさつした。フレディーは言わずもがなである。


 エリオは二人のことを友達と言ったが、彼らに自分で紹介させず、主として二人を紹介したことから、二人には従者として私たちの会話を邪魔しないようにしてくれたようだ。


 もちろん、彼女......フレアにはそんな裏話は伝わるはずもなく、私たちだけの秘密のやり取りであるのだが。まあ、三人は私たちに伝わっていると分かっているのかは不明だが。


 .......あれ?どさくさに紛れて気づくのが遅れたが、最後に念を押すように私のこと”も”友達だって言っていなかった?私が”一時的に”って言ったことが気に食わなかったのかな?......いやまさかね......そんなことはない。考えすぎよ。私ったらいやね。


「なら、セシルくんって呼んでもいいかな?私の方が年上みたいだし。もし嫌だったら変えるけど......」

「もちろんかまいませんよ。フレアさん。僕はこれ素みたいなものなので、このままいかせてもらいますね。」

「わかったわ。えっと、そちらの方々は......」

「俺たちのこともセシルと同じように扱ってください。」

「了解よ。」


 三人の隠しきれないキラキラオーラを察したのか、一瞬戸惑いが見えたが、エリオがそれに気づき、先回りしていうことが功を成したのか、フレアは安堵した表情を見せた。

 やがて、フレアのおごりと言われて運ばれてきた(私も支払うといったのだが、頑なに断られた)料理が運ばれてきた。みんなでグラスを持って乾杯し、一通り料理を堪能したところで、話はまた出会いの時のことで花を咲かせていた。


「エリオたちは見ていないから知らないと思うけど、あの時のセシルくんって本当にかっこよかったのよ~。パニックになっていた私の目の前に現れた背中がとってもたくましくってね~。」


 そのときのことを脳内再生しているのか、うっとりとした表情で、その目は私たちを通り越していた。一方私は、ポーカーフェイスは崩さなかったが、内心は穴があったら入りたいほど羞恥心に満ちていた。フレアから聞かされる話は嘘ではないのだが、それは誰だ?、と言いたくなるほどに美化されているのだ。どうやら彼女の中での私は、白馬の王子様として存在しているらしい。


 .......うん、いや間違いではないんだけど、間違っているというか......


「実は俺たちもあそこにいたんですよ。遠くてすぐに助けにいけなかったので、セシルに先を越されてしまいましたがね。だから、俺もそのときのセシルの雄姿は知っていますよ。」

「え!そうだったの!?」


 俺もその姿が忘れられないんですよ、なんてエリオが言ってしまうものだから、彼女はより理解者を得たとばかりにエリオやフレディーたちとも話していた。

 しばらく話してふと何か思い出したようにフレアが言った。


「そういえば、どうしてあなたたちは一緒に行動しているの?あのときではまだ知り合いではなかったのよね?」


 なんと説明するべきかと一瞬迷ったが、盗賊騒ぎの調査していることやエリオたちの正体に触れるべきではないと判断し、私が男たちと争いになった時に加勢してもらったことを主に話した。


 彼女は驚いていたが、十人ほどの男を一人で倒したと聞くと嬉しそうにし、最終的には落ち込んでいた。


「間違いなく私を庇ったせいよね......ごめんなさい。」

「気にしないでください。トラブルもありましたがそのおかげでこうして皆さんに出会えたんですから。」


 本当は知り合いたくなかったけど、こんな状況でなければいいお友達になれていたであろう。


「ごめんね」 「気にしないで」.......というやりとりに終止符を打つようにエリオが言った。


「配達をお願いできるところはありますか?」

「それなら隣にこの店と同じ系列店の店があるわ。もし利用するんだったら私の名前を出せば融通を聞かせてくれるはずよ。」

「それは知らなかった。あとで行ってみますね。」


 エリオがまた次の計画を始めるのだろう。

 早く解決するといいのだけれど。




 あれから、フレアとはお別れした。


「いつでも来てね!」


 と別れ際に言ってくれた。


 そして我々は宿に戻ってきた。休憩もそこそこにして、私たちはエリオの部屋に集まった。


「それじゃあ、今後について話そうか。」


 さて、今度は何が始まるのやら。





お読みいただきありがとうございました。

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