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霧の大深林に挑む者

鬱蒼と霧が漂う森ーー視界が霧に遮られ、森に行き、森を住処とする氏族である「長耳族(エルフ)」ですら帰るべき道を見失うという、「霧の大森林(ミスト・フォトレス)」。その奥には、人の手が入ってないと思われる遺跡がある。そこには、神話の時代から生き続ける怪物が住んでおり、伝説の装備や溢れるほどの財宝を保管しているという眉唾な噂があった。今では、酒場の酒飲み達の笑いの種や、吟遊詩人の暇つぶしにしかなってないが、一昔前は、その噂を信じた一攫千金を夢見る冒険者達が次々と森の中に入っていき、一人も帰って来なかったという。しかし、霧の大森林に入りたいという、学者を名乗る二人の人間がいるという。なんでも、奥にある遺跡を探索したいとのこと。曰く、神話の時代の遺跡は、古代技術の分析において、非常に重要になるとか言っているとのこと。その話は、すぐに物好き達の耳に届いた。物好き達は、「もし、神話の遺跡(笑)を見つけられれば、金貨十枚やるぞ!」などと言って、賭け事をしていた。


......大丈夫なのだろうか。私は、不安になってきた。何しろ、二人の人間は、どちらも国の重要人物だ。古代の歴史など、様々な分野において、解析・研究をしてきた第一人者だ。もし行方不明になったりしたら、私の首が物理的に吹き飛ぶ。もし、怪我でもしたら、首切りは避けられても、奴隷落ちぐらいはするだろう。二人が、絶対に大丈夫というから任せたが......。もし帰って来なかったらと思うと、胃痛がする。そうそう、私の自己紹介を忘れてたね。私は、ロイド=ロジャーナだ。霧の大森林の麓にある街の長をしている。辺境だが、一応領主だよ。あの人達のお付け目役を国王から命じられてるんだ。あの人達なら、今頃は、遺跡に到着してるはずだよ。私としては、無茶をしてないか、非常に心配だがね。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


霧の大森林の奥地で、二人の人物が、遺跡の前で騒いでいた。一人は、こんな森の奥にいるべきではないほど場違いな、青いグラデーションがかかった腰まである金髪をなびかせる美少女で、白衣の上からでも分かるほどスタイルが良い。目が悪いのか、銀縁の眼鏡をかけている。もう一人は、紫がかった黒髪の、筋肉質な青年である。こちらは荷物持ちか何かなのか、リュックを背負っている。二人とも、非常に興奮しているようだ。

どうやら、二人が、遺跡を調査しにきた

「こ、ここだ......文献の通りだ。本当にあったんだ!」

「やりましたね! 博士! これで、古代文明研究学会の老害どもに吠え面かかせてやれますよ!」

「ふはははは! やった! やったぞおおぉっ! 無駄ではなかったのだあぁっ!」

「博士! 早く行きましょう! きっと超文明の遺産が山ほど眠っているはずです!」

「そうだな! これで、「神話の時代」の謎を暴く研究が、飛躍的に進むぞ!」

「そうですね。魔物の気配はしませんが、念のために、警戒しながら進むことにしましょう」

「そうだな。この遺跡の学術的価値は計り知れない。絶対に、壊したりしないようにな。壊したら、私がお前を八つ裂きにして殺す。覚えておけ。わかったな?」

「僕も学者の端くれです。それぐらいは、わかってますよ。さあ、行きましょう」

「よし! さっさと行くぞ! 神代の遺跡が、私を待っている!」

「はいはい。興奮しすぎて、倒れないでくださいよ〜」


二人は、遺跡の中に入っていった。その先に待つものが、何かも知らずに......。

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