第四話 ヴァンデル城にて①
すいません、中途半端な切れ方なので明日も更新します!!
翌日からは訓練が始まる。筋骨隆々系イケオジな帝国騎士団長、フレイム・ザスト・ティンバーレックの指導の下比較的厳しめの訓練が施されるのだが、一日目からいきなり行われるはずもなく、今日はいわゆるオリエンテーションだ。
「諸君らにはまず各々の実力を知ってもらう。一人ずつこの水晶に手をかざしてみてくれ。」
いわれて光琉から水晶に手をかざしていく。すると、水晶が白色に光り、空中に文字を浮かび上がらせた。
神楽坂 光琉
称号:救世の勇者
レベル:1
ステータス
筋力:250/魔力:250/体力:300/俊敏:250/頑丈:300/魔耐:230
特殊技能:聖剣の主、加速、装甲、不屈
この数字に回りが沸き立つ。ステータスというものは世間一般(レベル1時点)を50とし、相対的に表される。つまり、光琉は一般人(レベル1)の約五倍近い実力を持っているということだ。
その後、順序良く鑑定が進んでいく。その一部をご紹介しよう。
神楽坂 愛葉
称号:救世の勇者
レベル:1
ステータス
筋力:190/魔力:210/体力:190/俊敏:300/頑丈:150/魔耐:170
特殊技能:超加速
戸田 佳乃
称号:救世の勇者
レベル:1
ステータス
筋力:130/魔力:250/体力:100/俊敏:150/頑丈:130/魔耐:150
特殊技能:治療
上野 真
称号;救世の勇者
レベル:1
筋力:300/魔力:120/体力:350/俊敏:150/頑丈:350/魔耐:150
特殊技能:体力馬鹿
上川 洋一郎
称号:救世の勇者
レベル:1
筋力:220/魔力:210/体力:250/俊敏:200/頑丈:250/魔耐:200
特殊技能:保護
風間 明日人
称号:救世の勇者
レベル:1
筋力:230/魔力:200/体力:220/俊敏:190/頑丈:230/魔耐:160
特殊技能:金属加工
ついに司の番になった。なんだかんだで最後になった。水晶に手をかざそうとしたとき、頭の中に声が響いた。
「ステータスの隠蔽を行いますか?」
司は反射でイエスを選んでしまった。すると水晶からは以下のように表示された。
青葉 司
称号:救世の勇者
レベル:1
筋力:160(実際:230)/魔力:200(実際:350)/体力:170(実際:230)/俊敏:200(実際:250)/頑丈:160(実際:220)/魔耐:180(実際:350)
特殊技能:無し(実際:鑑定)
(実際)の部分はどうやら他人には見えていないらしい。平均レベル、に調整されていたため神官たちや騎士たちからも「まあ、こんなものか」と怪しまれた様子はなかった。しかし特殊技能表示がなかったことに幾分か残念そうにはしていたが。
その後、昼を挟み武器庫にて自分たちに合う武器を選んでもらうこととなっていたため一同は武器庫へと向かう。武器庫のすぐそばの詰所ではフレイムとよく似た青髪の青年が紙に色々と書きつけていた。
「あれ?兄さんどうしたの?」
青髪の青年が不思議そうにフレイムに向かって訪ねる。そんな彼にフレイムは拳骨を落としてからあきれたように言ってのけた。
「ミハエル、お前なあ…言っておいただろう。」
「あー、そっかそっか。ごめん、兄さん。」
殴られた部分をさすりながら青年は立ち上がる。そして光琉達に体を向けた。
「初めまして。僕はミハエル・リヒト・ティンバーレック。ティンバーレック家の四男でね。ここで武器とか魔道具の開発を任されてるんだ。忘れてたけど、君たちの武器を選ぶ役回りも仰せつかってます。」
笑いながらそういうミハエルの後ろでフレイムはため息をついた。しかし何も言わずさっさと武器を持ってこいといわんばかりに顎を武器庫のほうへ向けた。
「はーい。」
そういって武器庫のほうに歩いていくミハエル。彼のどこか頼りない雰囲気とは裏腹に仕事は早く、物の数分で全員分の武器を浮かせて持ってきた。
さてさて、司君たちの武器は何になるんでしょうかね。司、明日人、洋一郎にはそれぞれある程度のモデルがいます。性格とかというよりはバトルスタイルで、ではありますが…。
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