休みについてのあれこれ(延長戦・その1)
僕の診断書に書かれた必要な休養期間は“1ヶ月”でした。
僕の休養理由は“働き過ぎ”。だからこそ、1ヶ月が経過したらすぐに復帰できると思っていました。
端的に言えば、その考え方は間違っています。何故なら、診断書は“心療内科”から出ているからです。
心療内科は心の病気を治す病院です。心を治す際、少しでも間違えばその心は二度と回復しません。ですので、治療に関わる人たちは細心の注意を払います。診断を受けた会社も慎重になります。一歩間違えれば、対象者は再発させてしまいます。だからだと思いますが。
診断書の期間が終了する数日前、僕は休職の診断書を書いた医師のところへ行きました。定期診察のタイミングだったのですが、その際に医師から復職可能診断書をいただきました。後で調べて分かったことですが、復職可能診断書は復職に必須だそうです。
僕が復帰可能と判断された理由は、ただ1つ。
「毎朝決まった時間に起きて、夜きちんと寝ていますか?」
この質問に「はい。」と答えられるからです。
当たり前と言えば当たり前ですが、休養期間が終われば元の生活に戻ります。ですので、きちんと朝起きて、動いて、夜は寝る生活をしないといけません。これは、休養して2週目に言われました。休み始めて10日も経過していませんでしたし、そもそも最初の7日は習慣が抜けないので、特に生活リズムも崩れておらず、朝少し寝坊する以外は問題なく行えていました。
もちろん、この“少し寝坊する”旨も伝えました。ですが、
「1時間遅いだけだけど、これは実家にいるから仕方ないと言えば仕方ないし、復帰までに調整できる範囲だから問題ない。」
とのことでした。
ただ、この“規則正しい生活をしている”証明は難しいです。というか、面倒です。
僕は、病院から生活リズム表というものを渡されました。病院によってフォーマットは異なると思いますが、僕の場合、「日付」、「時間」、「症状のレベル」を記入するタイプでした。
これは、「記録する日」の「朝4時から深夜3時」の間に何をしたとか、食事のタイミングを書き、主に休む原因となった「症状のレベル」を書き込みます。正確には0時以降は翌日になるので翌日のに書き込めばいいのかもしれませんが、一般に人間が活動する時間の24時間分を1日としているそうです。
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生活リズム表例(※見にくいかもしれません)
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日付 | 4時 5時 6時 7時 ∥ 3時| 症状レベル |
-----------------------------------------------|
1(木)|←――睡眠―――→ 食事 ∥――→| 30%(日中) |
~
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僕はこれを診察毎に渡し、チェックされていました。強制はされませんし、誰か別に監視が入る訳ではなく、患者に任されるので素直に書いてください。というよりも、嘘をついても自分以外には問題ではないです。悪化したりしんどくなるのは自分ですから。
症状の悪化も無く、規則正しい生活をしていたので、以降は投薬も無く、復帰についても許可がおりました。
しかし、問題はこれからです。
「2週間、図書館に通いましょう。」
診断書の期間が終了して数日後、僕は産業医と面談しました。体調に悪いところは無いか、今何がしたいか、日中は何をしていることが多いか等々。特に問題なく終わり、さていつから復帰できるのかと聞こうとした瞬間に言われました。
「図書館に通うんですか?」
「1ヶ月も空いちゃいましたからね。朝から頭を動かすという作業に慣れてもらおうと思いまして。」
就業時間内、集中して仕事ができるか。目の前の文字が滑ることなく、頭に留まるか。そして、他人がいる場所で、長時間静かに作業が行えるか。
恐らくはそのようなことを試す為でしょう。僕は毎日の図書館通いを課題とされました。あれ、長期休養者の復帰プログラムで見たぞ?と思ったことは内緒です。知ってる、それ知ってるわとか言いそうになりましたが、黙って産業医の次の言葉を待ちました。
「普段、会社へ行くのと同じ時間に起きて、近隣の図書館へ行って勉強してください。」
「就業時間中は居るようにしてください。体調が悪ければ帰ってもいいです。」
「勉強内容についてはこちらから指示しません。」
おおよそ、このようなことを言われました。
「ではまた、2週間後にお会いしましょう。」
医師の意思で簡単に復帰を延ばされると知りました。