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休みについてのあれこれ(指定期間内・僕側)

 休んですぐは、仕事が心配でした。

 よく社畜を諭す言葉で「貴方の代わりはいるのだから休みなさい。」というのがありますが、僕にとってそれは死刑宣告に近いものでした。僕の代わりがいるということは、僕は復帰してもその仕事が出来るとは限らないということですし、既にお荷物である僕は不要だと切り捨てられる可能性があるということです。


 僕は、会社にいる間は解雇されないように、自分の居場所を作ることに尽力していました。雑用もすれば、根回しも手配も、他人が気づかないような細かいことを色々としていました。全てがすべて、職場の人たちに役だったかは分からないですが、僕はそんなことを仕事と一緒にしていました。

 仕事ができないなら他のことを、と考えていたせいか、何もできない僕は休むことがとても怖く、診断書に書かれた“1ヶ月”で戻らないと居場所はない、と考えていました。


 1ヶ月で戻るとしたら、何をすべきか?

 僕は「自分の体の不調をすべて取り除くこと」と考えました。ですので、片っ端から病院に行きました。僕の身体は他人よりもとても弱くできているらしく、お恥ずかしいことに、季節の変わり目には風邪をひき、1日10時間近く寝ないと動けないような学生時代を送ってきました。社会人になってからは家計費の水道光熱費とは別に医療費を作るほど、僕の身体維持には結構な金額がかかります。

 僕は(病院へ行って徹底的に身体を調べる行為を身体のメンテナンスと言っていますが)、メンテナンスをいつも夏休暇に行っていました。今年は恐らく、有給休暇がすべて消費されてしまうので、夏休暇が消えると考え、このタイミングで行いました。

 また、僕は会社に入ってから趣味が一切なくなりました。これは仕方ないと言えばそれまでですが、学生時代とは違い、とにかく時間が無い。突然会社を休んで趣味に費やす、なんてことはできませんし、第一外出するような体力がありませんでした。また、幸か不幸か、僕は忙しくなってから味覚が消えかけており、「生きる為」に毎日同じ時間に食べて寝ていました。それは精神衛生上、よろしくないですし、自分が美味しいと感じるものを探すのもいいなと考えていたので、この休みを機に趣味と研究を兼ねて料理を始め、自分の回復に努めました。

 基本的に2週間に1回、心療内科へ行くことがほぼ義務状態でしたが、それ以外は自由でしたので、合間には友人と会ったりもしましたが、一切会社の人とは会いませんでした。


 その間、会社では同期の送別会や組織変動もあったようですが、僕には一切ありませんでした。

 唯一と言うべきか、休み始めて数日後に先輩から「お前の手掛けてた案件の資料、どこ行った?」とメールが来ましたが、本当にそれまでもそれからも何もなかったため、僕はそれをお守り代わりに保存しています。当然、先輩には内緒ですが。僕にとって、仕事は大切だと再認識させる出来事でしたが、地獄の始まりでもありました。


 1ヶ月も休んだ人間が簡単に復帰など出来るはずがないのですから。

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