第4話 出会いと3人姉弟
バイトのシフトが増えるけど書く時間はギリギリになるかもしれません。
毎週木曜0時にアップロードします。
(5月24日修正)
「「「へ?」」」
「は?」
え、どうゆうこと?スキルを使って隠れていたのかな?それを僕らが見破ったって事なのかな?そのせいで必要以上に警戒されているみたいだ。何とか誤解をとかなくては。
「僕ら姉弟は邪神ナルキスを倒す為に勢い良く旅に出たものの、旅の常識を知らずに出てしまった為、道に迷ってしまったんです。どうか、近くの街までご一緒させてもらってもいいですか?」
二人の男は僕らを観察するように見た後、持ってる武器を閉まった。
「すまない、最近世間は物騒でな、君達を色々疑っていた」
軽そうな装備を身に付け、髪の毛はミディアムで茶髪、年は二十代初の男が話しだした。
「いえ、大丈夫です。こんな世界で始めて会うなら疑われるのは当然です。気にしないでください」
「助かる、君達の名は?」
「私は善美、こっちがキッキー、そしてモンモンだよ」
「か、変わった名だな」
「こら、俺達のあだ名で呼ばない」
「すみません、姉があだ名で呼ぶ変な癖があって。こっちが兄の元吉、僕は元明といいます」
「あ、ああ。ヨシミ、モトヨシ、モトアキか。それでも変わった名だな。俺の名はダン、こっちは仲間のギールだ」
さっきから何も話さなかった黒髪の男、ギールが頭を下げながら挨拶した。髪は少し長く、ダンさんと同い年に見える。
「それでダンさん達はどうして隠れていたんですか?」
「あぁ、そうだった。オレ達のパーティはギルドの依頼でこの地変にゴブリンが現れたから、その討伐をする為に来たんだ。でも、ここに来た途中にデカイ爆発音が聞こえて、その様子を見にオレ達で走ってきたんだ。
そして着いて驚いた。荒れた草原に君達がいたから警戒していたんだ。もっと驚いたのは君達がオレ等の方に向かってくるから焦ったぜ」
「すみません、魔力を感じたので助けを求めようとしていたので」
「魔力か、ちゃんと隠したと思っていたのだが」
「お姉が言うまで気が付けなかったです」
「凄いな、距離はかなりあったのに。そのお譲ちゃん、かなり高い魔力感知を持っているようだな」
なるほど、この世界にもギルドが存在するんだ。そしてパーティー活動で冒険しないとかなり難しいみたいだ。
それにしても、お姉の‘魔力感知’って高いらしい。僕も気付かなかったのに...今後の冒険に必要になるな。
「あの、さっきも言いましたけど僕等を街まで連れて行ってもらえませんか?お金も払いますし、その間に色々手伝える事はしますので」
「う~ん...どうする?」
ダンさんはギールさんに聞いてみた。何も言わなかったが、構わなさそうな仕草をした。
「よし、オレからなんとか仲間達に言ってやるからちゃんと着いて来いよ」
「「「ありがとうございます!!!」」」
こうして僕等はダンさんとギールさんの後に続きながら森の中を進んだ。歩きながら彼等からこの辺りの事や常識を教えてもらった。
今、僕らがいる大陸は人間族の領地ヒューミニル大陸の南にいるようだ。南に進めば進むほど魔物の危険度が増すらしい。僕達はその中間の近くに居るみたいだ。どうりでさっきの戦闘、危険度がかなり高かったし。あのまま戦闘が続けけられるかは疑問だった。お姉もギリギリ危なかった。
ま、何とか乗り越えたしよしとするか。僕達も教えてもらった分、何があったかを説明した。主に僕が説明した。お姉とお兄では話がややこしくなりそうなので僕が話すと言っといた。僕は出来るだけ神様に出会ったことは伏せながら真実と嘘を絶妙に混ぜながら説明した。
僕達三人姉弟は 苦しむ人達を解放する為に邪神ナルキスを倒そうと旅に出たのだが、旅の方針や心得など教えてくれる人が居なかった為に道に迷っていた。そしてゴブリンの襲撃を受け、対処する時に魔法を思いっきり放っていたと説明した。
「そうか、そりゃあ災難だったな」
「本当に助かりました」
「いいって事よ、街に着いたらオレ等パーティー全員に晩飯おごらせて貰うからな」
「「「はい!」」」
「お!オレ達の仲間が居るキャンプ場が見えてきたぜ」
ダンさんが見てる方向を見てみると焚き火が燃えていた。そこに4人の人影が見えた。
「お~い、戻ったぞ!」
「遅い!何処ほっつき歩いてたの!?」
見るからに魔法使いの服装、ロングヘアで青髪、そして美人な女性がダンさんに怒鳴る。
「悪い悪い、ちょっと人助けをな」
「人助け~?」
ダンさんが僕等の方を親指で指すと彼女はこっちを見つめる。一瞬だけ彼女の動きが止まったかと思うと震えだした。
「...か」
「「「か?」」」
「可愛い!!」
言葉が終わる間もなく彼女はお姉を抱き上げた。そして撫で回した。
「小さくて可愛さもありながら美形の顔、最っ高に可愛いっ!」
「は、離して~!キッキー、モンモン助けて~!」
あまりの素早さと行動に呆気に取られてしまい思考が一瞬止まっていた。
「おい、アイナ!離してやれ。話が進まないだろうが」
「おっと、つい悪い癖が。ゴメンネ?」
お姉は下ろされた瞬間、すぐに僕とお兄の後ろに隠れた。
「それでこの子達どうしたの?まさか誘か...」
「違う!!向こうで道に迷っている所を俺達が助けて、今から街まで案内するようにこの姉弟から頼まれたんだ!」
「そうよね、でなきゃギルドに通報するところだった」
「アイナ、お前少し黙っててくれ」
アイナと呼ばれている彼女の後ろから剣士の格好をしている男性が現れ、彼女を静めた。顔はかなりイケメンだ。金髪ショートヘアで後ろ髪が長く、良く似合っている。
「ダン達の話は分かった。でも、俺達はゴブリン集団の討伐に来ているんだぞ。ここで引き返せば依頼が失敗に終わってしまう」
「オールの旦那、オレもそうしてぇがコイツ等かなり疲れてるらしい。引き返せねえかな?」
「しかし依頼が...」
「あのぉ...提案があります」
僕は彼等が話し合う中に割り込んだ。
「僕達その討伐対象になっているゴブリン集団を倒したかも知れません」
「「「は?」」」
その場にいる皆が驚いて口が開きっぱなしになった。僕は物証を見せるため、アイテムボックスからゴブリンとゴブリンリーダーの死体を一体ずつ取り出した。
「ゴ、ゴブリンリーダー!?」
このパーティーのリーダーらしいオールはゴブリンリーダーの死体の隅々まで調べ始めた。
「ほ、本物だ...」
「まだ他にゴブリンリーダーが2体、ゴブリンが67体もあります。これを皆さん方に譲ります。その代わりに僕達を街まで連れて行って貰えませんか?」
「いいのか?これだけでもかなりの大金になるのに?」
「初めて行ったギルドに僕等がこれを持って行っても信じてもらいそうに無いので下から上のランクを地道に目指します。僕達が保証人になるのでお願いします」
「...ちょっといいかな?」
そう言うと彼等は小声で話し合い始めた。その間、僕等もそう話すように決めた。何時からかシャールの姿が見えないと思ったら、僕の影から顔だけ出して姿を見せた。良かった、そのままサヨナラって無かったみたいだ。安心だ。
「君達」
向こうの話し合いが終わったのか僕達を呼ぶ。
「話し合った結果、君達をヒュースの街まで案内しよう」
「ありがとうございます」
「ただし!俺達が貰う報酬金の半分を君達に返す事にした」
「「「え?」」」
「ゴブリンリーダーは一匹だけでも対処が難しい魔物だ。これを俺達だけの功にするのは俺達の一生の恥になってしまう。それでいいか?」
「はい、問題ありません」
「よし、交渉設立だ。おっと、俺達の紹介がまだだったな。俺は‘ゴルファド’のパーティーのリーダーをやっているオールだ。職業はウォーリアーだ、よろしく」
「はい、私はアイナ!ヴィザードよ。さっきはゴメンネ?」
「オレとギールの名は知ってるか。オレはスカウトでギールはシーフだ」
ダンさんが言い終わると他の二人が前に出た。一人は弓と矢入れを担ぎ、髪型はミディアムヘアでエメラルドに近い緑髪を持ち、耳が少し尖っている。エルフなのか詳しくはないがかなり美人だ。
「...私はフィル、アーチャー」
かなり言葉が少なかった。
もう一人はロッドを持ち、信徒っぽい格好、髪は長いおさげ一本でオレンジ色を持ち、胸部が...凄いな。
「私はローです。ヒーラーをしています」
おっとりした性格のようだ。彼女が動くたびにアレが揺れる。
いやいや、そうじゃなくて。
このパーティーはバランスが良く取れている。大きなミスさえ無ければ多くの活動が出来る安定的な組み合わせだ。
「私は長女の橘善美です。職業はネイチャーウィザード!」
「俺は長男の橘元吉。ウェポンズマスターをやっている」
「僕は次男の橘元明です。一様職業はクリエイションサモナーです。そして召喚獣のシャールです」
「にゃーん」
またの長い沈黙が訪れた。なにかミスったかな?
「君達、本当に初心者なのか?」
「え?あ、はい」
「...凄いな。かなりレアな職業が三人姉弟そろって持ってるなんて」
「そ、そんなに凄いんですか?」
「ああ、何十万に一人って位の高位職だ。それも三人もだ。ギルドに大きな嵐が吹きそうだ。まぁ、いいっか。街までに色々知識を教えるからな、覚悟を決めろよ」
「「「ありがとうございます」」」
こうして僕達姉弟とゴルファドの出会いをきっかけに僕達の本当の異世界冒険が始まった。
やっぱり新キャラとか設定を考えるって難しいモンですね。それに雨の日は体がだるくなります...
読んでいただきありがとうございます。