第36話 誕生日パーティーと3人姉弟
先週は用事があって更新できませんでした。申し訳ないです。
パソコン作成ではないので変わっている点がありますがこのままで投稿します。
館から出た僕達は敵をどう捕まえるかを手短に話し合った。まずお姉に闇魔法で姿を消し、風魔法で音を消してもらうようにお願いした。持続効果があったから他の魔法も同時に使えるから便利だった。お姉を中心に半径2メートル内が効果範囲だった。魔法に関しては僕が持ち合わせているラノベ知識でアドバイスをして、それをお姉が魔法で再現させる事でほとんどが思った通りにできた。
そのまま敵の近くにゆっくりと近づいて目視出来る距離まで近づいた。それからお姉が言うには緊張状態ではどうしても予想外な事が連続で起こると混乱しやすいと助言してくれた。目には目を、奇襲には奇襲をってね。それから闇魔法で敵を一人づつ捕まえてみようとと言った。もしも誰かが逃げ出したらお兄が捕まえに行くと言ったのでその通りに実行しよう。
まずはシャールとプービーを瞬間融合で融合させ、お兄に敵の後方に投げさせた。シャールにはすぐに影に隠れるように念じた。注意が後ろに向いた瞬間にお姉は闇魔法で敵の影で縛り上げ、風邪魔法で音を消して影でこっちに引きずった。お姉は素早く雷魔法でスタンガンみたいに杖に発生させ首元に当てて気絶させた。僕は手持ちのロープで動けないように丁寧に縛った。
恐怖心を煽ろうとお姉に塵魔法で捕まえた男の防具を腐食させて剥がした。それを魔法の効果範囲の外へと投げた。またもや注意がこちらに向いて、ひとりの男が防具を確認するために近づく。お姉にシャールの方に音を消すように指示して、シャールの近くにいる男を捕まえるように念じた。シャールは雷魔法で気絶させて闇魔法で上手く隠して待っているそうだ。
危機感を感じたボスらしき男は仲間達と共に固まって周囲を警戒するように指示していた。お互いに背合わせで周囲を警戒していたがもうバレるのも時間の問題なので堂々と捕まえることにした。闇魔法で一人を捉えたがボスらしき男に見つかった。影に捕まらないように動きながら撤退しようとしたから手下の男を捕まえた。ボスらしき男はそのまま林の中に逃げ込んでしまった。それをお兄が追いかけて行った。アスレチックやパルクールの経験があるお兄から逃げられるかな?しばらくしたら捕まえるだろうし、お姉と一緒に捕まえた男達を縛っていった。気を失った人は凄く重いと実感しながら全員を縛った時にお兄がボスらしき男を片腕で担いで戻って来た。ボスの方は念のため解けにくく強めに縛った。融合解除したプービーに捕まえた男達を運んでもらい、そのまま警備員に引き渡すために館へ戻った。
館の前にセバルさんとミュールさんが僕達を待っていた。僕達を見つけると警備員に捕まえた男達を連れていくように指示を出した。
「皆様、お怪我は御座いませんか?」
「はい、奇襲が上手くいったので特に傷とかはありません」
「すごいな、まさか有名な盗賊団、“デス・ビー”のボスが現れるとは思わなかったな」
「え、そんなに有名なんですか?」
「そうだ、依頼を受けたら完璧に遂行するの奴らのモットーだ。それを無傷で捕らえるとは恐れ入った」
見た感じそんなに凄く見えなかったけどね。神様から得た力が大きかったせいかな?今回はなんとかなったけど僕達は圧倒的に経験が足りない。これからも注意深く行動しなきゃいけないね。
「メロールちゃんの誕生日を無事に迎えるのに邪魔になるのであれば全力で阻止したい気持ちだったので」
「ボスも動揺しすぎて呆気なかったけどな」
「お姉の作戦が上手くいった証拠だね」
「モンモンの魔法のアドバイスがあったから成功できたんだよ」
「まあとにかく、後にこの件でもギルドを通して報酬を払わなくてはならないな」
「すでに書類を作成しておりますのでご安心を」
「流石だな。ともあれ、君達には深く感謝をする」
ミュールさんが頭を下げながら感謝の言葉を言った。その後からもセバルさんも頭を下げた。
「頭を上げてください!冒険者に頭を下げるなんて・・・」
「今はセバルしかいないのと、娘の命を救った恩人に貴族だからといって頭を下げない訳にはいかない。そうしなければ二人の父親として失格だ。本当に感謝する」
僕達は目を合わせながらどうするか悩んだけど、素直に受け止める事にした。
「「「どういたしまして」」」
「ありがとう。セバル、彼等もそろそろ疲れているだろうし寝室に案内してくれ。私はこれからこの件について書類を作成する」
「畏まりました」
セバルさんが館の扉を開けてくれた。もう遅いし眠たいな。少し歩いてミュールさんと方向が分かれる所だった。
「それでは、十分に休んでくると良い」
「はい、お休みなさい」
「あ、ミュールさん」
お姉がミュールさんを呼び止めた。
「何かな?」
「明日のパーティーで不機嫌そうな人がいたら気を付けてね」
「・・・分かった」
そのまま寝室に案内されて寝る事にした。部屋にはベッドが3台並んでる。セバルさんはすぐにミュールさんの元の戻ってしまった。お姉にさっきの忠告の事を聞こうとしたけど、夜遅かったせいかベッドに横になった途端に寝てしまった。仕方がなかったのでお姉に布団をかけてから僕とお兄も寝た。色々と忙しかったせいかすぐに寝付いた。
朝の光と共に目が覚めた。寝ぼけて一瞬どこにいるのか分からなくてびっくりしたが、昨日の記憶が蘇って落ち着いた。丁度お姉とお兄を起こそうとしたらメイドさんが起こしに来てた。お姉を任せてもらってお兄と一緒に顔を洗いに行った。どこもかしこも豪華なので落ち着きがないけどなんとか慣れた感じはした。使用人の人達が忙しく動き回っていた。僕達も昨日の礼服に着替えるか。
ミュールさんが朝食も準備してくれたのでありがたくいただいた。美味しいスープに美味しいパンが添えてあった。消化の良い感じのスープだったのでちょっと多く飲んじゃったよ。メロールちゃんもいたからお祝いの言葉を言ったら喜んで微笑んだ。うん、やっぱ子供は可愛いなぁ〜。お姉がジト目で見ていたから見すぎらず別の話題を振った。
朝食も食べたしそろそろ服を着替えよう。お姉は別の部屋で着替えるからメイドさん達に連れていかれた。僕とお兄も部屋に戻って礼服に着替えた。流石に髪はそのままだと行けないから手持ちのブラシでお兄の髪を整えた。よし、ハンサムになった。服も似合っているから余計に似合っているからなんかイラッとした。僕も鏡を見ながら髪を整えた。ノックが聞こえてドアを開けたら軽く化粧して髪を整えたお姉がいた。一瞬誰か分からなかったよ。お姉はあまり化粧はしない方だ。どっかに遊びに行ったりする時だけ化粧するから馴染みがない。
「なんだお姉だったか。一瞬誰だか分かんなかったぜ」
ここで死亡フラグを堂々と立てるお兄。お姉は魔力で小さな雷の玉をお兄に放った。数秒感電したお兄は髪の毛が逆立っていた。
「外傷が少ない雷魔法で攻撃とは考えたね」
「でしょ?昨日は自由に動けなかったから出来る事で懲らしめるとしたら魔法でなんとかなるかなと思ってね」
「うぐぅ、スタンガン食らったみたいだ」
「スタンガンって・・・そもそもスタンガンで攻撃された事があるの?」
「まあちょっとな」
「あ、そうそう。もうパーティー会場入場だって。早く行こう」
「「了解」」
お兄の髪を直すのに少し時間をかかったけどなんとか濡らしながら整えた。パーティー会場の中庭に着いたら結構な人が集まっていた。いかにも貴族のパーティーって感じだ。これはふざけてたり騒動を起こしたら大変な事になるね。
「お兄、誰か喧嘩売ったり何かされても何もしないでね。お姉はこういう場は大丈夫か」
「なんで俺だけ」
「お兄は前に学校で誰かの喧嘩を止めるために乱入して大事にしたからね。ミュールさんに恥をかかせない様にね」
「はい・・・それを言われると何も言えないな」
「まあ、本当に何かあったら上手く止めてくれると信じてるけど」
「お、ツンデレモンモンか?」
「誰がツンデレだ!それとモンモン言うな」
「モンモン、静かにして。ちょっと注目浴びているよ」
おっと、お姉が注意してくれなかったら大きな声を出すところだった。僕達はそのまま何もなかった様に中央の方に進んだ。色んな食事やワインなど用意されていた。綺麗な花も飾られて皆が観賞していた。
「モンモン」
「うん?」
お兄が耳元で小さく囁く。
「右斜めのデブの方を見てみろ」
右斜め?お兄が言った方向を見てみると豚が服を着ている様な貴族がいた。見る限りにイラついている。
「俺の感だけど、あいつが昨日の主犯かもしれない」
「え、じゃあ直ぐに捕まえないと」
「よせ、そういうのを本人の目の前で言っても言い逃れるし目を付けられる。ここは確信を持つまではボロを出させるか煽るしかない」
「それがもっと目を付けられるんじゃ?」
「まあ今は探るしかないな」
一応注意しておこう。流石に何を引き起こすか分かんないしね。
「皆さまお待たせいたしました」
ミュールさんとセバルさんが館の扉の前に立っていた。
「我が娘の誕生会に集まっていただき感謝する。ぜひ、楽しんでいただきたい。では、本日の主人公、メロール・ヒュースの登場だ!」
奥からメロールちゃんが現れ、集まった人達は拍手で迎えた。
徐々に魔法の使い方を覚えてきた喜美であった。