第33話 誕生日準備と3人姉弟 3
遅れてすみません。これからの進路を決めるのに深く悩んでしまって遅れてしまいました。それと新しいネタを完成させていたので気が向いたら呼んでいただけると嬉しいです。
新しい小説の名は女番長さんとVRMMOです。こちらの小説のURLはhttps://ncode.syosetu.com/n3101eq/となります。ぜひ3人姉弟と共に読んでください。
ありがとうございます。
「娘達をこんなにも可愛く描いて下さって本当にありがとうございます」
領主様の夫人、キュリア・ヒュースが大変嬉しそうに絵を眺めている。いつの間にか集まった人達の中にお兄もいた。夢中に描いていたから挨拶が遅れてしまった。
「流石モンモン。国から勲章を貰える位上手だね!」
「相変わらずモンモンの絵は凄いな。今にでも動き出そうだな」
二人からめっちゃ褒められて気分が良いな。今度美味しい物を作ろうかな。
「依頼を出して何だが君達姉弟に深く感謝する。報酬について話し合いたいので私の事務室に来なさい」
「分かりました」
僕が描いた絵がやたら気に入って貰ったのか報酬をかなり弾んで貰えるみたいだ。今の内にお兄に依頼の件で余計な事を言わないように釘を刺しておいた。
「お父様、私も付いて行って良いですか?」
メロール様も一緒に付いて行きたがったのか領主様にお願いした。腕にぬいぐるみを抱きながら。
「メリーもいきたい!」
「うむ...まぁ、構わないか。いいけど、モトアキ君達にあまり迷惑をかけない様にな」
「「はーい!」」
メリアン様も付いて行きたいらしい。奥さんも付いて行くのか領主様の隣に立っていた。そして当たり前のようにセバルさんも一緒だ。仕事の話なのに大丈夫なのかな?
ヒュース一家全員と僕達姉弟はもう一度領主様の部屋に向かった。向かっている間に僕達の自己紹介をしたら、先に聞いていた二人以外は驚いていた。お兄が「お姉、あの子より背低くない?」と余計な一言を言って、勝手に地雷を踏んではお姉に抓られる。学習能力を無くしたのか馬鹿な事を何度も繰り返していた。
部屋に着いて僕達は来客用のソファーに腰を掛けた。それに対面するようにヒュース一家が座り、その側でセバルさんが立ちながら待機していた。
「君達姉弟には深く感謝する。君達のお陰で娘の誕生日を壮大に祝えそうだ。私からの提案だが、君達、ここで働く気は無いかな?」
わぁお、良い提案ですな。安定した仕事、給料を高め、領主様も良い人なので働くのに最高の場所だ。正直、すぐにでもオッケーを出したいけど...
「あの〜、領主様?」
「ミュールで良い。私達一家も同じく気軽に呼んでくれ」
「え、でもそれは流石に...」
「大丈夫ですよ」
「私もです」
「メリーも!」
一家全員は言うとは、ここは僕が曲がるしかないのか。釈然としないけど...
「ミュールさん、その提案は嬉しいのですが、僕達にはやりたい事があるので出来ません」
「ほう、君達はかなり優秀なのでてっきり貴族に仕えるのが目的だと思っていたのだが」
「いえ、僕達は邪神を倒すために旅するために稼いでいるので」
「邪神か...壮大な目標だな」
「申し訳ございません」
「気にするな。ダメ元で提案してみただけだ」
正直言ってここで働くのも悪くは無いが、神様にお願いされて命を頂いたんだ。無視して別の事をしていたら意味が無い。
「さて報酬のことだが、まずパーティー会場の準備が30銀貨だったが、モトヨシ君の仕事が速く終わったので50銀貨にする」
おお、日本円で言うと五万円位かな?流石お兄、結構設けたぞ。
「次に事務処理の仕事が65銀貨であったが、ヨシミ君の正確な処理といくつかの問題点を見つけてくれたので1金貨にする」
あ、上がりすぎじゃないかな?でも重要な書類だったみたいだしそのぐらいか。生徒会長の経験が生かされたのかな?
「最後にモトアキ君への報酬だが、君の欲しい額を言ってくれ」
「ぶふぉっ!」
今なんて言った?欲しい額ってどんだけ余裕持っているんだ?
「すみません、事前に決まっていたのでは?」
「そうするつもりだったが、聞くに娘達にこのぬいぐるみを作ってあげそうだな」
「絵を描くためにお近づきの印として作った物であって...」
「それに」
セバルさんが全員分のプリンを紅茶と共に出して来た。ミュールさんはプリンを一口含んではプリンを堪能していた。
「料理長にこのプリンと言うレシピを提供したそうだな」
「これも絵を描く為でして...」
「そうなると元の報酬を上乗せ、さらに絵の完成度によって我々では計れないと判断した」
どうしよう。ただ可愛く描こうと思った絵が指定価額で報酬を決められるとは。元の世界だと値段を決めてくれたから楽だったんだけどな。
だとすると安い値段を言うと失礼だし、高すぎる値段を指定するのも言語道断。なんとなくだけどこちらを試しているような気がするね。今後の活動でいかにこの状況を上手く切り抜けるかが鍵だな。
「分かりました。僕が金額を指定すれば良いんですね?」
「勿論だ。どんな金額でも払おう」
「では、2金貨でお願いします」
「2金貨?それ良いのか?」
適当に数字を言ってみたのだがそれでも安いとは。気に入りすぎなのでは?
「はい、その代わりに一つお願いがあります」
「なんだ?」
「僕達もメロールちゃんの誕生日会に参加しても良いですか?」
「「「「え?」」」」
「色々と手伝ってなんですが誕生日会まで見てみたいなと思いまして」
「ほ、本当にそれだけで良いのか?」
「はい。それ以外は特に無いです」
ミュールさんとセバルさんはまるで豆鉄砲を食らった顔をしていた。誰も口を動かす事が無く沈黙が続いた。
僕何か変なことを言っていないよな?変なところで欲張っても仕方が無いし最適な答えだと思ったんだけどな。
「...これは参ったな。普通なら報酬を多く望むはずなのに、欲が無さ過ぎるな」
「ホッホッホ。そうですな、旦那様」
「セバル、今すぐ準備してくれ」
「畏まりました」
セバルさんはお辞儀をしてから部屋を出て行った。
え、どういうこと?
「君達、一旦今日はここで泊まって行きなさい」
「「「え?」」」
「明日来るのは大変だろう。なので泊まってから準備する方が良い」
「だ、大丈夫です。僕達は泊まっている宿屋があるので」
「使いの者を行かせてその宿屋に伝えて置こう」
「それに貴族のパーティーに見合う服装なんて持っていません」
「それも心配ない。今セバルが見合う服を選びに行った」
ここまで逃げ道が無いと諦めるしかないのか?お兄とお姉に視線を向けると、目で諦めろといわれた。駄目か...
「分かりました。お言葉に甘えさせて頂きます」
「宜しい、報酬は明日の誕生日会が終わったら渡そう」
満足げに笑うミュールさん。次は何とか切り抜けられるように立ち回らなければ。
「お父様、モトアキ様達は泊まっていかれるのですか?」
「ああ、メロールの誕生日に参加すためにな」
「あの、でしたらもう少し遊んでいても良いですか?」
モジモジと尋ねるメロールちゃん。可愛いなぁ~。
「僕で良ければ」
「ありがとうございます!」
「メリーも!」
「こちらで部屋の手配をするから夕食まで遊んでも大丈夫だ」
「「はい!」」
そのまま僕達は殺気の遊び部屋に再び向かった。今度はお姉とお兄も一緒だ。
「みんなで遊べば楽しいでしょ?」
「まだまだ動けるから子供と遊ぶのに問題ないしな」
だそうだ。まぁ、一理ある話しだな。大勢で遊べる遊びをするか。だるまさんが転んだをしよう!あ、でもだるまなんてこの世界には無いはずだ。何かと言い換えないといけないな。
「メロールちゃん、ストーンスライムが転んだって言う遊びは知っている?」
「いえ、聞いた事が無いです」
「どんな遊び?」
「オーガ役を一人決めて基点となる場所の壁や木に立って、冒険者役の人は離れた場所からスタートラインに一列に並ぶの。それからオーガの「始めの一歩♪」の合図で、冒険者は大股で一歩進むんだ。オーガは基点を向き、「ストーンスライムが転んだ」と呪文を言ってから冒険者のほうを見る。冒険者はオーガが振り向くまでの間にオーガに近づき、振り向くと同時に静止する。これを何度も繰り返す。途中で静止できていなかった冒険者は、オーガに名前を呼ばれて、オーガに捕まるの。冒険者が上手くオーガに近づき、オーガと捕まった冒険者のつないだ手を「切った!」と言ってさわると、すべての冒険者はスタートラインのほうへ走って逃げる。鬼は「ストップ」と言って子を止めるの。そしてあらかじめ5歩から10歩と決めてからオーガは移動し、冒険者にタッチできたら交代する」
鬼をオーガに、子を冒険者に変えて説明した。だるまは適当に丸っこいものにしていた
「難しいです」
「よくわかんない」
「ま、僕達がやって見せるよ」
「だるまさんが転んだだよね?久々にやるね」
「燃えるぜ」
「だるまさんをストーンスライムに言い忘れないようにね」
じゃんけんの結果、僕がオーガになった。最初は他の二人に分かり易いようにわざとミスしたりアドバイスをした。すると興味津々にやりたがっていた。
その後、ルールを理解した二人は楽しく遊んだ。一番オーガにならなかった人はお兄だった。なぜかお姉が一番多くオーガになった。途中で使用人やミュールさんも混ざっていた。ミュールさんは良い運動だと言いながら熱烈に遊んでいた。忙しい方なのか暇なのか良く分からなくなってきた。
夕飯が出来たのでゲームを終わらせた。みんな喜んでくれて良かった。
沢山遊んだからお腹ペコペコだ。どんな食事が出るか楽しみだな。
報酬が馬鹿儲けだぜ!