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異世界冒険と3人姉弟  作者: Banapan
第一章 始まりと3人姉弟
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第25話 称号と頼み事と3人姉弟

遅れて申し訳ございません。


 称号を習得してしまった。この世界は僕が良くやっている様々のゲームのシステムが働いている。神様が僕達の旅を進めやすいように分かりやすいシステムで助かるな。


「師匠、何か称号に師匠の弟子と出ているのですが?」

「おお、‘鑑定’を使えるのか?」

「はい、一応習得しています」

「生産業では鑑定でどれくらい見えるか重要だからのう。改めて、モトアキ君は正式にワシの弟子になった。少しは誇れるぞい」

「もしかして師匠は凄い調薬師だったんですか?」

「そうじゃ、ワシが言うのもなんじゃが調薬業ではトップの座についておる。知らずに弟子入りに来たのか?」

「はい、僕達ここの常識は知らず、ただモロット師匠の名前だけしか教えて貰えませんでした」

「カッカッカ、そりゃそうか!少し茶を飲みながら少し相談じゃ」


 モロット師匠はさっきまで使っていた調薬道具を片付けて、棚から紅茶を葉とティーセットと買いだめたお菓子を人数分準備して装いでくれた。シャール達の分もくれた。

 師匠のステータスが気になったので使ってみよう。


 名前:モロット・ベガル

 LV:69

 職業:上級調薬師

 スキル:調薬(LV:60)、錬金術(LV:55)、鑑定(LV:60)...


 凄いな、思っていたより師匠のレベルが高かった。


「む?‘鑑定’を使ったかの?」

「あ、すみません。つい、見てしまいました」

「ワシは特に見られて困る物は無いが、他の者だと気に触れてしまう。特に貴族や王族に無闇に掛けると下手したら死刑じゃ。気をつけるんじゃぞ?」


 やべぇえ...知らないままで‘鑑定’を使っていたら死ぬところだったぞ。


「ともあれ、冒険者ギルドで職業を選択するときに調薬師が表示されるはずじゃ。モトアキ君はサモナーじゃな?」

「はい、クリエイション·サモナーです」

「珍しいのう。サモナーなのに実に器用で有能じゃな。料理の他にも何かの芸当をこなせるんじゃ?」

「えっと、家事、手品、ゲーム、作画、演劇、作書、裁縫などなど運動系以外でしたらなんでもです」

「ほう、万能じゃな。今度見せて欲しいの」

「え、僕で良ければいつでも」

「楽しみにしてるぞ。さて本題に入ろうかの。ワシからモトアキ君に頼みたい事があるのじゃ」

「頼み事ですか?」

「うむ、ワシの弟子として初のお使いみたいなもんじゃが、モトアキ君達はこの街に長く滞在する予定かな?」

「ざっと3ヶ月ほど滞在します」

「そうか、なら安心じゃ。まず最初にクエストで外へ出かける時に見かけた薬と毒になる植物を採取してくれないかの?」

「採取ですか?」

「そうじゃ。ワシも年でな、外に行くと深い所までいけなくなってしまったのでな。冒険者ギルドに定期的に依頼を出していたのじゃが、中々良質な薬草が無かったのじゃ。じゃが、モトアキ君達が採取した方がより効率的じゃ。もちろん、見分けるための植物図鑑を貸してやるし、持ってきた物で新たなレシピを教えてあげよう」


 ほう、条件がいいじゃないか。むしろ得られるものが多くなるのはいい事だ。レシピが増えれば増える程、どんな状況でも使えれば耐用しやすい。


「分かりました、そうします」

「助かる。それと2つ目は3日か4日に一度、ここに来て一緒にポーションを生産して欲しい」

「何か大きな商売に出るのですか?」

「これは機密情報なのじゃが、冒険者ギルドと商人ギルドから近いうちに“邪神の進軍”起こるのでポーションを大量に生産して欲しいと依頼が来ていての。流石にワシ一人では間に合わなくての。報酬もそれ相当の金額を出すから頼めないだろうか?」


 僕達がゴルファドのメンバーと一緒に報告して間もないのに動きが早い対応だ。今から準備しているとは...思っているより大規模な進軍らしい。

 これも人助けの方法だ。神様と約束したんだし、やれるところはやっておこう。


「師匠、弟子入りして間も無い僕で良ろしければ手伝わせてください」

「ありがたいの。それと最後の頼みはポーションを飲みやすいようにモトアキ君のオリジナルレシピを作ってくれないかの?」

「僕がですか?」

「君の料理の実力があれば容易いだろうの。調薬師として最初の課題としてやって貰えないだろうかの?」

「上手く出来るか確信は無いですけど、やってみます」

「ありがとさん。ああ、そうじゃ。もう一つ、ワシ個人のお願いじゃが聞いて貰えんかの?」

「はい、何でしょうか?」

「材料はワシが払うので昼食を作って貰えんかの?」

「へ?」

「いやぁ、最近が外で食ってばっかりで家で食べる機会が少なくての。家で作る飯が恋しくての」


 師匠の言葉が少し重かった。奥さんは見る限り居られないみたいだ。少し自分の亡くなったお祖父ちゃんを思い出してしまい、心が痛む。お姉とお兄を見ると、僕と同じ事を思っていたみたいだ。モロット師匠の為に何かしようと思った。


「直ぐに材料を買ってくるので待っていてください」

「ありがとう。行ってらっしゃい」


 僕達は店から飛び出る勢いで商店街に向かった。


「モンモン、昼ごはんは何作るの?」

「そうだね...家庭的な料理を作ろうかな?」

「親子丼とか良いんじゃね?めっちゃ家庭的じゃん」

「おお、キッキーにしては良い提案だね!」

「同感だね」

「俺の意見に同感しているんだよな!?」


 お兄を軽くスルーして、早速親子丼の材料を調べた。まずは鶏肉、鶏肉は一般の鶏と鳥型の魔物があった。普通の鳥も良かったのだが、魔物の肉が美味しかったので今回は魔物の肉でチョイスだ。一番美味しいと進められたコカトリスのもも肉を買った。親子丼なので卵も合わせて同じコカトリスの卵にした。この卵も美味しいらしい。野菜の魔物もいるらしく、八百屋さんから玉ねぎ魔物のタタマネーギ、ネギの魔物のネーギギを買った。お米も見つかったが結構高かった。それでも親子丼に欠かせないので買った。その次に醤油に似た調味料と塩コショウと砂糖を買った。

 そういえばエプロンを買い忘れていた。個人的にエプロンが無いと落ち着かない。なので個人のお金でエプロンを買った。

 全部買い揃えたところでモロットさんの店に戻った。直ぐに台所を借りて料理作る準備に取り掛かった。

 では、クッキングタイム!

 まずはお米を炊いておく。炊飯器は無いので、鍋で炊いた。お米と水を同量を鍋に入れる。最初は強火で火をかけて、沸騰したら弱火で13分待つ。そしてまた強火にしてパチパチと音がしたら火を止めて蒸らす。味見っと...うん、完璧だ。

 これからが重要だ。最初は玉ねぎの繊維に沿って1.5センチの太さで切る。そして底が深いフライパンに玉ねぎを入れて、水と調味料を入れて強めの中火で二分ほど煮込む。その間にコカトリス肉を一口サイズ切って、煮込んでいるフライパンに入れて2~3分煮込んで火を通す。その間にコカトリス卵をかき混ぜる。フライパンに溶き卵を2/3を入れて蓋をして弱火で2分っと。そして残った溶き卵も加えて蓋をして、強目の中火で10秒煮る。そして盛って細かく刻んだネギをのせて完成だ!


「完成、コカトリスの親子丼です」

「「「おおー!」」」


 僕は6つの器に盛った親子丼をみんなに配った。


「では、いただきます!」

「「「““いただきます!””」」」


 流石にコカトリスの肉を食べた事が無かったけど、きっと美味しいはずだ。では、一口...


「「「「美味しい!」」」」


 何これ、美味い!肉は柔らかくジューシー、卵は汁が染み込んで濃厚な味わい、ご飯との相性が素晴らしい。自分で作っておいてなんだけど、最っ高の出来だ。


「モトアキ君、この料理はなぜ親子丼と言う名なのじゃ?今までこんなに美味しい料理を食べた事が無い!」

「ありがとうございます。これは僕達の故郷の料理でして、鶏肉が親で、卵が子供で合わせて親子丼です。コカトリスの肉と卵で作りました」

「そうか...美味しいのう。暖かい味じゃ」


 師匠の頬に雫が流れる。

 僕達は何も言わず、黙々と親子丼を食べ尽くした。


ほっこりとした不陰気です。次回は急展開になりそうです。

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