第20話 レシピと3人姉弟
皆さん、2週間ぶりの投稿で申し訳ございません。
つくづく自分に未来予知が使えればなと思うものです。
できれば週一回は出来る様にしたいのですが、最近周りに問題がありすぎて困る一方ですが、頑張って書きたいなと思います。
季節代わりなので自分、風を引きました。みなさんも気を付けてください。
宿屋に戻った僕達はアランさんに会うために食堂に入った。食堂には料理を運んでいるシェリーちゃんがいた。向こうもこっちに気付いた。
「あ、皆さんお帰りなさいです。もう戻って来たんですね」
「ただいま、かな?早く終わったからね」
僕はシェリーちゃんの頭を撫でながら挨拶を交わした。しまった、あまりにも可愛かったからつい撫でてしまった。末っ子だから自分より幼い子を見ると弟妹ができたみたいで心が和む。
シェリーちゃんは少し頬を赤らめた。子供扱いしてしまったから恥ずかしかったかな?思ったより髪の毛がサラサラしていた。
「モンモン、犯罪はダメだよ?」
「しないよ!」
そんな事は断じて考えていない!至って健全なマインドだ。
「ロリコン?」
「断じて違うよ!変な誤解しないで!」
今度はお兄までも変な誤解を産もうとする。ここが異世界なのでロリコンの意味が伝わらなかったから良かったけど...
「...え、えっと、皆さんもう食事をされますか?」
「そうだね...まだ早いけど時間も時間だし食べようかな?」
「そうだね、私はパスタ食べたい!」
「俺はオークのステーキと牛のスープで」
「僕はオークのステーキ、牛のハンバーグ、豚のスープ、あとはサラダをお願い」
「はい、畏まりました。また沢山食べるんですね...」
「色んな人達の料理を食べれば様々なバリエーションや工夫とか学べるからね。食べながら僕も料理の研究するからね」
「ほぇ、サモナーさんなのに料理もなされるんですか?」
「モンモンの料理も美味しいよ!」
「毎日世話になっているからな。それに他にも色々と出来る自慢の万能弟だ」
「ほ、褒めても何も出ないからね」
急に褒められると恥ずかしい。恥ずかしさを隠そうとプービーをプニプニといじった。
「へぇ、あんた料理が出来るのかい?」
急にアランさんが後ろから声を掛けてきた。
「あ、アリンさん。こんばんはです」
「長女ちゃん、こんばんは。それで次男坊は料理出来るのかい?」
「あ、はい。かれこれ5年位してます」
「手を見せて貰っても良いかい?」
「え、あ、はい」
僕は自分の手をアランさんに差し出した。アランさんは僕の手を掴んではまじまじと確認していた。
「手先が異常な程に器用なんだね。料理以外にもやれる事があるね」
「手だけを見て分かるんですか?」
「まぁね、一応長年ここで何百人も捌いていたからね」
手を見ただけでそこまで見抜かれるとは...流石に長年仕事をしているプロだ。
アランさんだったら僕の話を聞いて貰えるかもしれない。上手く行けば大きく稼げるかも。
「アランさん、実はお願いがあります」
「なんだい?」
「実は僕達の故郷に伝わる美味しい調味料があるのですが、それをこの街に広めたいです。そのレシピをアランさんに売りたいです」
「ほう、新しい調味料のレシピかい?いくらで売るつもりだい?」
「代価はここの宿泊を2ヶ月延長です」
「80銀貨...結構高いね。値を下げられないのかい?」
「その調味料で作れる簡単な組み合わせも教えます。それで成功すればここの宿屋の料理が評判となって泊まる人も増えて大儲け。一石二鳥どころか一石三鳥の結果となります」
「それほど自信ある物なのかい?」
「間違いありません」
「...分かった、そこまで言うなら厨房で作って見せな」
「はい、ありがとうございます!」
そうして僕達とシェリーちゃん親子を付いて行き、この宿屋の厨房に入った。厨房は様々な調理道具が備えられていた。長く使われている痕跡が多かった。
僕はアランさんから厨房の道具や食材を確認しても良いと許可を貰ったので、何があるか確認していた。
色々と確認していたら妙な物が置いてあった。魔法陣が刻まれていて、形状を見るからにコンロみたいな物だった。一応アランさんにこれが何か聞いてみよう。
「アランさん、この魔法陣が刻まれている物は何ですか?」
「それは料理を作るのに必ず必要な魔道具、点火魔導台さ。魔力を持っている人なら魔力で、持っていない人は火属性の魔石で火を点ける事が出来る優れものさ」
へぇ、魔法で動くコンロか。科学が無い世界ではこんな物を作るんだ。なかなか興味深い。
さて一通り確認したところで始めますか。
「モンモン、何を作るの?」
「それはズバリ、マヨネーズです!」
「またなんか始まったよ」
お姉の質問にテンション高く答えたら、なぜかお兄は諦めた感じだ。なんか解せないな。
「マヨネーズはここには無かったね」
「確かに言われてみると何か物足りなかったな」
「マヨネーズは簡単に作れるからね。運良くマヨネーズの材料は揃ってるから作れるよ」
「そのマヨネーズってなんだい?何で作るんだい?」
僕達の会話にアランさんが割り込んで来た。手にはメモとペンを握っていた。抜かりないですね。
「マヨネーズは僕達の故郷にある調味料の一つです。材料は卵、オリーブオイル、レモン、そして塩と胡椒で作れます」
「ほう、そこまで多い材料はいらなんだね」
「はい、ついでにマヨネーズで作れる料理も隣で作っておきます」
マヨネーズで作ると言えば、ポテトサラダだ。なので最初にじゃがいもを10個を綺麗に洗って、水と共に鍋に入れて、魔法コンロに魔力を込めて火を中火で点けた。そして一口サイズに切ったにんじんも別の鍋で煮る。
さて、茹でている間にマヨネーズを作りましょう!
まずボウルに卵の白身と黄身を分けて黄身を使います。卵3個分の黄身に塩と胡椒を少々、そしてレモンで酸味を加えるので軽く絞ってレモン汁を垂らす。それを泡立てで良くかき混ぜて、オリーブオイルを少しづつ入れて混ぜるを繰り返す。え、オリーブオイルを全部いっぺんにかき混ぜないのかって?それは分離しないようにする為です。それでは美味しく出来なので。と話してる間にいい感じにマヨネーズになってきた。泡立てを上に上げて角が出来る様になれば完成!
「では一口...うん!美味しく出来てるね」
「出来たのかい?」
アランさんは見たことのない調味料、マヨネーズを早く食べたいのか急かしてきた。
「はい、味見してください」
「んじゃ一口...」
アランさんはスプーンでマヨネーズをすくい上げ、それを口に運んだ。
「美味しい!油っ濃いと思ったけど滑らかでイケるね」
「程々に食べればそこまで太らないので大丈夫です。あ、じゃがいもが出来上がるのでマヨネーズを使ったサラダを作ります」
まず、茹でたじゃがいもの皮を剥いて潰す。そして、きゅうりを薄く輪切りして塩をまぶし水分を抜き、ハムを一口サイズに切ってさっきの茹でたにんじんと共に潰したじゃがいもに入れてマヨネーズで味をつける。ここに牛乳を入れると更に滑らかになる。味がちょっと薄かったから塩と胡椒を少し入れれば...
「ポテトサラダの完成です!」
「モンモン、私達も食べて良い?」
「腹減った、ギブミーポテトサラダ」
「僕が食べても有り余る程にあるから心配しなくて良いよ」
僕は5つの小皿にポテトサラダを盛り付けた。僕達姉弟とアランさん親子で食べるからな。シェリーちゃんが早く食べたがっていたので先に渡した。
「美味しそうです!」
「大きな更に入れなくて良いのかい?足りないかもしれないのに」
「一応サラダなのでメインじゃ無いんですよ」
「そうかい、そんじゃいただきます」
アランさんとシェリーちゃんが同じ仕草で食べた瞬間、二人は自然と笑顔になっていた
「久しぶりのポテトサラダおいひぃ!!」
「マヨネーズはやっぱサラダだな!」
「美味しいです!お芋さんが柔らかくて美味しいです!」
「こりゃ驚いた...少ない材料でこんなに美味しくできるなんて。あんた、うちの店で働く気無い?」
「いえ、本業はサモナーなので」
「それがおかしいんじゃ...」
「それはともかくこのポテトサラダ、お客さんにいくらで売れるでしょうか?」
「そうだね...サラダ系で新しい調味料とレシピだと考えると一人分で20か30銅貨かね?」
コンビニで買うとしたらここの値段で15銅貨辺りなのに二倍で売れるとは...流石にそれだと反応が良く無いかもしれない。
「最初は宣伝として値段を15銅貨にして、明日から25銅貨で売れば反応が良いかもしれませんね」
「お、良い提案だね。色々とありがとさん。夫に2ヶ月延長...いや、それよりももっと伸ばせないか聞いてみるよ。さっきの注文はただにするからそのポテトサラダも食べていて貰っても良いかい?」
「良いんですか?」
「ああ、むしろこれならウチ等の方が利益が大き過ぎるからね。気にせず食っていきな」
「「「ありがとうございます」」」
そうして僕達は追加で料理を注文してポテトサラダと共に食べていた。ポテトサラダを見た他の客が同じく注文していった。最初は見たことのない料理だったが、味見た瞬間に追加で注文をしていた。かなりの好評だったので明日のじゃがいもの消費量が半端ないだろうな...ゴルファドのメンバーもめっちゃ食いまくっていた。レシピ提供して良かったなと思った。またお金に困ったらこの手の方法で稼げそうだな。
明日の想像をしながらまたたらふく食べた。お腹いっぱいに食べたので、僕達は部屋に戻った。
今日の戦闘で色々と追加されている部分があるはずだ。それを確認しておこう。
なんだかウハウハになってきたな。
ステータスが気になります!