第15話 依頼と3人姉弟
今日一回目の投稿です。
二回目は遅れます。間違って保存してしまい、最初から書いています。
間違えて別の日に設定していました。すみませんm(__)m
窓から朝の爽やかな日差しと共に僕は目が覚めた。いつもどうりの起床時間だ。今日から冒険者としての始まりだ。
すぐに寝ている二人と二匹をを起こした。
「みんな、起きて。朝だよ」
「...ん、ふわぁあ...おはよう」
「あと3時間...」
“ふみゃ〜”
“ネムイ...”
お姉はすぐに起きたがお兄はまだ寝込もうとしている。シャールは猫なので背伸びをして、プービーはまだ眠そうだった。
「二人共、起きて早々悪いんだけど、一緒にお兄を起こして」
““はーい(ハーイ)””
しばらくお兄の弱い所を教えて、お兄をくすぐりながら起こした。猫の尻尾とスライムボディは有能だった。いつもより攻めが激しかったのですぐに起きてくれた。
全員起きたので顔を洗いに洗面所へ向かった。流石に早く起きてしまったのか、洗面所にはまだ誰もいなかったので、すぐに顔を洗えた。
部屋に戻って昨日買った装備に着替えた。なんか戦いの前に改めて着てみると戦いに行く感覚がはっきりするな。
お腹が減ったので朝ご飯を食べる為に食堂に向かった。
食堂に入ったらちょうどアランさんとシェリーちゃんが厨房で料理の下ごしらえをして、ギルガルドさんが食器を洗っていた。
「おはようございます、アランさん、シェリーちゃん」
「あ、おはようございます」
「あら、おはようさん。随分と早いのね」
「朝は強いので早く起きています」
「そうかい、末っ子なのにしっかりしているね」
「ありがとうございます」
そんなやり取りをしていると、食器洗いが終わったギルガルドさんが僕達をじまじまと見ていた。
「あんた、三人をじろじろ見てどうしたの?」
「昨日変わった服装だったのですが、今はいかにも冒険者の服装ですね。皆さん凄く似合っています」
「カッコイイです!」
色々と褒められて恥ずかしくなったが、素直に感謝した。
「今日ギルドで依頼を受けるからご飯お願いしても良いですか?」
「そうだったの?立ち話をさせてごめんよ、今作るから待っててくんな」
お姉が本来の目的を言ってくれたので朝ご飯を食べられる。
しばらく待っているとシェリーちゃんが朝ごはんを持ってきてくれた。持ってきてくれたのはパンとスクランブルエッグとベーコンだった。僕達三人と二匹の分で5皿持ってきてくれた。僕の皿の方が明らかに量が多かった。
「あの、シェリーちゃん、これいくらなの?料金払わないと」
「お代は払わなくても大丈夫ですよ」
「「「え?」」」
「昨日モトアキさんのおかげで私達儲かったので、これはお父さんからの奢りです!」
そんなに売れていたんだ。詳しく聞くと、昨日僕達が部屋に戻ってから他の客が多くの品を食べようと挑戦したり、魔物の素材が入ってる高価の品を食べてくれたので今までの中で一番儲かったらしい。
今度から食べる時は自主しないと...無理か。
半分ぐらい食べているとゴルファドのメンバーが食堂にやって来た。
「「「おはようございます」」」
「おはよう、相変わらず食うな。まだ食べられるのか?」
オールさんが僕の皿を見ながら聞いて来た。
「なんか沢山盛り合わせてくださったので」
「スゲーな...」
「(コクコク)」
ダンさんとギールさんが驚いている。一応これ位は平常運転なんだけどな。
「それよりヨシミたんの装備可愛くてカッコいい!」
「...凄くカッコいい」
「昨日買われたんですか?」
アイナさんがお姉に抱きつこうとしている所をフィルさんとローさんが止めてくれていた。
「昨日ギルドから出た後に買いました。今日から依頼を受けて経験を積もうかと思い切って買いました」
「それは良い考えだ。装備も悪くないな。良かったら俺達も一緒に行って依頼を見てあげても良いか?」
「あ、お願いします。相場とか良く分からなかったんですよ。助かります」
「いいって事だ、困ったらお互い様だ。アランさん、俺達も朝食お願いします」
「あいよ!」
みんながご飯を食べ終わって宿屋から出て、冒険者ギルドに向かった。並び立つ家の中から香ばしい匂いが漂い、仕事に向かう人達、同じく冒険者ギルドに向かう武装している人々が多かった。なんだか元の世界で学校に登校する親しさを感じさせる。シャールとプービーは僕の腕に抱いたまま、居座っている。
歩いて数分、僕達は冒険者ギルドに付いた。中に入ると僕達を見た冒険者達は自分達のパーティに誘おうとしたが、戸惑っているのかこっちに近づこうとしなかった。中には近づかないように忠告している人も見えた。昨日の試合のお陰なのか下心満々で近づく輩がいなくなったので結果は良しとするか。どうせ僕達姉弟でパーティーを組むからいいや。
受付の右側に大きな表示版に沢山の紙が貼ってあった。紙には様々な依頼の内容が書かれていた。
「君達はどんな依頼を受けようとしているんだ?」
オールさんが僕達の受ける依頼の内容を聞いて来た。
「食べられる魔物の討伐と薬草採取の依頼を受けようかと」
「ほう、いい思考だな。効率の良い選択だ」
「どの依頼が良いでしょうか?」
「だとすると...これとこれとあれとこれかな?」
オールさんが4つの依頼書を剥がして僕に渡した。
対処依頼が2つ、採取依頼が2つだった。
―ビッグボアの対処
難易度:D
対処数:ビッグボア5体
必要素材:革
制限時間:三日以内(依頼承諾後)
報酬:50銀貨
―ウルフの対処
難易度:E
対処数:ウルフ20体分
必要素材:牙、爪
制限時間:5日以内(依頼承諾後)
報酬:20銀貨
―薬草の採取
難易度:E
採取数:10本1セットで3セット
制限時間:2日以内(依頼承諾後)
報酬:30銀貨
―魔力草の採取
難易度:D
採取数:10本
制限時間:1日以内(依頼承諾後)
報酬:20銀貨
報酬が高いのが混ざっているが、誰も手を付けていない。不人気なのかな?
「この依頼なら君達のアイテムボックスがあるから大丈夫だろう。対処や採取依頼はなるべく傷つけない方が報酬に色をつけてもらえるから覚えておく方が良い」
素材とかに使うのか分からないが、なるべく一発か最小限の傷で倒さないと行けないな。
「ビッグボアはこの街の東の森に生息している。個体別で行動しているから見つけにくい。突進さえ気を気を付ければ良いからな。
ウルフは同じく東の森に生息している。ウルフは基本3体以上で狩りをしている。戦闘が長引くと遠吠えで仲間を呼ぶから出来るだけ早く倒した方がいい」
一応、‘魔物図鑑’があるけど生息地は記されていない。理由はたぶん大型魔物の影響で生態系が崩されているかもしれない。
「薬草は見分ける事が出来ればすぐに集められるが、全部を抜いちゃダメだ。少しでも残しておけばすぐに生えてくるからな。
魔力草は主に魔力が濃厚な場所に生えている。一般の人が探すには一苦労するが、魔力を感じれる人が居ればすぐに見つけられる。ヨシミかモトアキが居れば大丈夫だろ」
これは嬉しい情報だ。‘植物図鑑’とかありそうだけど習得方法が分からないのでどうやって見分けるか考えてたんだ。
あ、でも‘鑑定’があるから見分けられるか。
「他に何か聞きたい事はあるか?」
「あの、この近くに鞍を売っている所ってありますか?」
「鞍なら東の門に向かう方向に農業関連の物を取り扱っている店があるはずだ。馬でも買うのか?」
「召喚獣として新しく馬を召喚するので鞍が必要でして」
「そうか、なら早くその依頼書を持って受付に持って行け。そうしないと始まらないからな」
「ありがとうございます、お礼とは言っては何ですが、今夜何か奢ります。昨日なんやかんやで奢れませんでしたし」
「いいな、俺達今日はのんびりするのでね。楽しみにしている」
「はい。では、言ってきます」
「頑張れよ」
僕達は受付に行って依頼書を渡した。受付嬢は昨日のミネルさんだった。
「貴方達は...本当は難易度Fから初めて貰いたい所ですが、実力は検証して貰ったので承諾できます」
「「「ありがとうございます」」」
「三人でパーティーを組まれるのですか?」
「はい、当分は私達三人で良いから大丈夫です」
「そうですか。パーティー名はどうされますか?」
「今日中に考えるので待ってください」
「畏まりました。手続きは終わったのでもう出発しても大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
「気をつけて」
僕達はオールさんが教えてくれた店へ足を運んだ。そこには農業用の道具、肥料、牛や馬も居る店が一軒建っていた。中に入ると思ったより広い店内の中に麦わら帽子を被っているおじさんが座って居た。
「おや、いらっしゃい」
「すみません、鞍って売っていますか?」
「売っているとも。でも肝心な馬はどこじゃ?」
「少し待ってください。今召喚します」
サモナーアシストローブのお陰で詠唱無しで召喚魔法を発動した。
名前:モリィ
LV:1
種類:バトル・ホース
HP:400
MP:40
攻撃力:65
防御力:50
知能:40
速度:60
器用値:30
属性:無属性
スキル:体当たり、踏みつき、持久走
茶色の毛並みに黒色の鬣だ。カッコいいな。体力とか攻撃に強いがスキルの数が少ないな。
“よろしくお願いします、ご主人様”
体で挨拶をする仕草もしていた。礼儀正しいいい子だな。
「うん、よろしく。僕は元明、こっちが喜美お姉と元吉お兄、そしてシャールとプービーだよ」
「「よろしく」」
““よろしく(ヨロシク)”
「あんちゃん、サモナーなのか?」
「はい、この子に鞍を付けたいのですがいくらですか?」
「ちょっと待っておれ」
おじさんは部屋の奥に潜ったと思ったらすぐに鞍を持ってきてくれた。
「その馬に合いそうな鞍を持ってきたぞ。二人も乗せられる大きさなんでざっと1金貨じゃ」
「なんか安くないですか?」
「冒険者の懐事情は分かっておるからな。次回買う時にちゃんと買ってくれればそれでいいのじゃ」
「ありがとうございます!」
おじさんはモリィに鞍を載せてくれた。
「おお、凄い!」
「気に入ってくれたかのう?」
「はい、ありがとうございます。また寄らせていただきます!」
「またの、新米冒険者」
店を出て、門を潜るまで引き手綱を引きながらモリィを連れていた。門を潜り、早速モリィに乗って見た。久しぶりの乗馬なのだが、問題ないみたいだ。お姉を後ろに乗せて軽く走らせた。風が気持ちいい。お兄は僕達の隣を同じ速度で走っていた。この世界に来てから超人じみた身体能力が上がっているね。
遠くに見える森を目指してさらに速度を上げて走らせた。
依頼設定って意外と難しい。それ相当の報酬とか難易度とか...
バトル・ホースのモリィ登場!