第11話 商店街と3人姉弟
すみません、リアルで色々と頼まれごとが多くなってしまい遅れてしまいました。
申し訳ございません。
(7月5日修正)
ギルドから出て数分歩いていると、様々のものを売っている商店が沢山並んでいる商店街に着いていた。やっぱ異世界で憧れるのは商店街に行って必要な防具、旅に必要なもの、武器とか色々見ておきたい。
「何処から見回ろうか?」
「私は洋服!着替えの服が無いから」
「俺は武器かな?それと買える防具とか」
「僕は生活用品と食材かな?最初に洋服屋に行って必要なのをまとめて買おう」
「「うん」」
まずは洋服屋に向かった。道が分からないせいか探すのに手こずったが、その間に他の店の位置を大体把握した。洋服屋の看板には‘ファール’と書いてあった。ファールの洋服屋の中に入って見ると、様々の男性と女性の服が並んであり、高価なドレスや衣装が展示されていた。店の中を見回している時、一人の女性の店員が近づいた。
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
接客がいいね。そうだな...僕達に必要な服はこの世界のスタンダードな服装だ。僕達の服はとても目立つ。なので今は沢山買って置く事にした。一般の服装、下着、寝巻、靴などを着替えられる分を買う。 沢山買ってもアイテムボックスがあるから持ち運ぶのに問題は無いしね。色んなコーナーがあったのでその店員さんに場所を聞いておいた。
「服は自由に選んでね。それとお姉、下着は沢山買ってもいいから店員さんに聞いてね。一緒に見れないから」
「ありがとう、モンモン」
「お姉は小さいからブラとか要らなくね?」
お姉に思いっきり抓られ声を抑えてるお兄を無視して服を選ぶ。殆どの服は16世紀程のデザインだった。歴史者の映画とかに出そうな服だった。着るのには少し抵抗がある。コスプレしているみたいで羞恥心が...仕方が無いか。もう戻れないのだから。後で服とか作ってみるか。
一時間後、皆服を選び終わった。僕とお兄は一般の服装を上と下を四着ずつ、下着を上と下で四着ずつ、寝巻を二着ずつ、靴を二束ずつ購入した。お姉は一般の服装を五着、スカートは三着、ズボンを三着、下着をセットで七組、寝巻を二着、靴を二束購入した。
お姉が自分の胸を見て落ち込んでいる。またサイズが変わらなかったようだ。何もフォローを入れることが出来ないので黙ってよう。地雷の渋滞地を胸でダイブするのと同じ位危険だ。
試しに僕達は確実に買う服を選んで着替えた。かなり良い感じだ。でも、これだと只の顔が良い村人って感じだな。冒険に出る服はここではないらしい。武器屋の依頼で作る事もあるが、主に扱っているのは武器屋だそうだ。
「では、お会計失礼します。男性の一般の服装を上と下を四着ずつで24銀貨、下着を上と下で四着ずつで3銀貨20銅貨、寝巻を四着で80銅貨、靴を四束ずつで6銀貨40銅貨、女性の一般の服装を五着で7銀貨50銅貨、スカートは三着で4銀貨20銅貨、ズボンを三着4銀貨50銅貨、下着をセットで七組で10銀貨50銅貨、寝巻を二着で3銀貨、靴を二束で3銀貨60銅貨です。合計で67銀貨70銀貨ですが、大量に買って頂いたので、おまけで65銀貨にしておきます」
おお、かなりまけてもらった。良い買い物をしたな。
「ありがとうございます」
「もし宜しかったらですが、今着られてる服を売るお考えはありませんか?更に安くします」
「大丈夫です。売るつもりは無いので」
そう言いながら店員さんに65銀貨を渡した。さすがにこれは売れない。まだ着ても数日も経ってなく、元の世界の唯一持って来られた物だ。
「そうですか、残念です。珍しい服を着られていたのでつい」
「いえいえ、まけて貰ったのにすみません。その代わりに何か買う時にまたここに来ます」
「はい、今後も当店にお越しください」
「ありがとうございます」
僕は全部の制服と買った服をアイテムボックスに仕舞った。それを見た店員さんが何かを言いたそうだったが、僕達は次の目的地に向かう為に店から出た。
次の買い物は武器屋だ。これからの冒険に必要なものを買っておこう。お兄はゴブリンから奪った武器があるから当分の間は大丈夫だろう。ウェポンズマスターの恩恵で全ての武器が装備できるし、それらを扱える経験もある。元の世界で色んな部活の助っ人として活動していたからな。お兄に必要なのは防具だ。身軽のほうが良いのかな?色々と動き回るし。いいかな?
本人に聞いて見るとそのほうが良いと僕の提案に同意してくれた。
武器が必要なのは僕とお姉だ。杖があれば棒達の魔力制御とか楽に出来るはずだ。これはお金が掛かっても良いから買っておきたい。これから大きな戦いがずっと続くんだ、出来るだけ長持ちする杖が欲しい。それに個人的に買ってみたかったのもあるし。
何を買うか話し合っている内に武器屋についた。看板に‘ドングの武器工房’と書いてある。武器や防具をオーダーメイドとか出来るのかな?入ってみよう。
「いらっしゃい、何かお探しかのう?」
僕達を迎えたのは背が低く、髭がモッサモサに生えたおじさんだった。でも人間にしては低い、低すぎる。お姉より少し高いか?もしかして...
「何じゃ、ドワーフは初めて見るのか?かなりの田舎モンじゃな」
やっぱり、ドワーフだったよ。すげー、本物だ。あまりジロジロ見ていたら失礼なのでここに目的を話した
「はい、人間族以外の種族を見るのは初めてです」
「カッカッカッカッ!そうか、そりゃ良かったの。ワシの名はドング、この店の店長じゃ」
「私は善美、弟のキッキーと末っ子のモンモンです」
「違うだろ。すみません、俺は元吉です」
「僕は元明です。姉が変な癖でして」
「カカッ、ヨー嬢ちゃんにキー坊主とモン坊か。覚えたぞい」
全然違う名だよ、ドングさん。この人お姉と同じく、あだ名付けか激しい分類だ。訂正しても話が進まなくなる。僕はドングさんに僕達が必要な物を話した。一様僕達の職業も教えた。
「ウェポンズマスターに似合う防具、ネイチャーウィザードとクリエイションサモナーの杖と防具か...なかなか難しい注文じゃな」
「ありますか?」
「あるとも!この店で出せる最高のを持ってくる」
ドングさんは倉庫の方に向かったのか、店内の奥の方に入っていった。しばらくすると、色んな防具と杖を持ってきた。
「キー坊主だったらこれがいいじゃろう」
そう言って黒く表面が綺麗な曲線の軽鎧をだした。急所の部分と手足が守られており、かなり硬そうだった。
「これはブラックアントアーマーと言って、ソルジャーアントと言われるデカい蟻型の魔物の上位種の甲殻で作った軽鎧じゃ。他の鎧より軽く丈夫だから人気がある代物じゃ」
「値段はいくらですか」
「キー坊主の体格だと62銀貨だの。次はこれじゃ」
ドングさんは更に魔法使いらしいローブとコート、そして杖を数本出して来た。
「ヨー嬢ちゃんのはこのマジシャンウォールコートだ。このコートは着用者の魔力を込める量で防御が変わる優れ物じゃ。消費は半端ないから気を付けるのじゃ。値段は1金貨じゃ」
女性用なのかは分からないが、かなりかっこいいコートだ。でも、お姉が小さくて良かったと思った。もしボンキュッボンだったら値段が跳ね上がってたかもしてない。
「モンモン?何か失礼な事、考えてない?」
「イエ、ゼンゼン?」
地雷は回避出来たようだ。ここに来てから勘が鋭くなっている気がする。
「モン坊のローブはサモナーアシストローブと言って、サモナーの為のローブって言って良いぞい。このローブを着用すると召喚魔法に使う詠唱を破棄してくれるからの。ただし、他の魔法は破棄できないから気をつけるのじゃ。値段は86銀貨じゃ」
かっこいい!良いね、このローブ。あの恥ずかしい詠唱を言わなくて良いんだ!お得ですな。
「最後にこの杖じゃが、まずモン坊が魔力を流してみろ。それに反応をして杖のマジックコアが輝くから、その杖がお前さんの相棒になるかの」
ほえ~...魔法チィックな事だね。早速魔力を周りに流してみる。すると、並べてある杖と周りにあった杖が一斉に輝いた。
「なっ...」
「え、え、何?え?」
驚いて魔力を流すのを止めると輝きが収まった。
「こりゃあ驚いた...全ての杖が反応するとは...仕方が無い、好きなのを二つほど選んでおくのじゃ。一つ負けてやる」
「良いんですか?」
「ワシも珍しい物を見せて貰ったらのう、構わん」
「じゃあ、これとこれです」
「ほう、お目が高いのう。この金色のマジックコアが埋め込まれてる杖、アップマジックロッドは全ての魔法の効果を一段階上げてくれる。一般の魔法や召喚魔法も効果範囲じゃ。こっちの赤色のマジックコアの杖、サモンズマジックロッドはサモナー用の杖で、召喚獣の魔法を使える事が出来る。二本とも同じ1金貨40銀貨じゃが、一本分払えば良い」
「ありがとうございます」
「次はヨー譲ちゃんの番だ」
「はい!」
お姉は僕より高い魔力を流した。だけど何も光らなかった。
あれ?僕の時は光ったのに何でだ?合わなかったから?そんな筈が...と思った瞬間、倉庫の方から何か飛んできた。
強盗か何かと思えば、美しく加工され、神秘的な光を放っている杖がお姉の目の前に浮いていた。
「綺麗...」
「秘宝の杖、エンシャントゴッドロッドが自ら飛んで来るなんて...あり得ない...」
ドングさんが呟いてるのを聞いてかなり厳重に扱われている杖みたいだ。
「カカカ、ガハハハハハハ!!!面白い、面白いぞ!気に入った。それを5金貨で売るから持って行くが良い!」
「え、貴重な物なのでは?」
「大丈夫じゃ、あれの効果はワシも知らん!」
「「「へ?」」」
「伝説級の杖だとしか解明されておらん。分かるのはただ装備すれば分かるって事しか聞いておらん。代々受け継いできた物だが、なかなか所持者が現れなかったから良いのじゃ」
「分かりました。総計いくらですか?」
「全部で8金貨88銀貨じゃ、持ってけ泥棒!」
そう言う割には最高の笑顔でお金を受け取るドングさん。何か疲れたな。早く戻ろうか?
「いつでも来るのじゃ。使い心地を聞かせてくれ」
「また来るね!」
「また来る」
「また来ます」
買ったものを全てアイテムボックスに入れて武器屋から出た。
いつの間にか日が沈み始めてきて、世界が明るいオレンジ色に染まっていた。
「モンモン、食材は後で見よう」
「オールさん達との約束に遅れる」
「そうだね、明日にしよう」
そうして僕達は急ぎ足でギルガルドの宿屋に向かった。この世界を救える一歩を踏み出したような気分だった。まだ何も戦ってもいないが気分的に何かを成した気がする。
この世界の食事か...美味しそうだな。何を食べるか期待で心をいっぱいになり、足がまた速くなった。
武器と防具購入完了。
3人姉弟の所持金1金貨47銀貨