第9話 召喚獣と決着と3人姉弟
ギリセーフに投稿です。最近色々忙しいです。GWですけど。
タイトルを変えました。毎話のタイトルとニュアンスが合わなかったので少し変えました。
(5月4日修正)
さて、お姉とお兄が勝ったんだし、僕も勝たなければ。早速新しい召喚獣を召喚するために詠唱を唱える。
「‘我が下僕よ、我が問いに応ぜよ!’」
『サモン・モンスター』
僕が作り上げた魔方陣から現れたのは黄色の弾性ボディのスライムが現れた。
名前:プービー
LV:1
種類:サンダー・スライム
HP:300
MP:100
攻撃力:50
防御力:30
知能:40
速度:30
器用値:40
属性:雷属性
スキル:捕食、分裂、物理無効、雷魔法、体力回復(極小)
「「「「「ぷ、ぷははははは!!」」」」」
プービーを見たモヒカン達は笑い狂う。
「ス、スライムって、お前え、くはははっ!!!バカだろ!!」
「もっとましなのを用意できなかったのか?」
「頭数増やせば良いと思ったのか?マジ受ける~!ぎゃはははは!」
「さっきの猫の方がまだましだぜ、がははは...おい、あの猫は何処に行った?」
モヒカン部下の一人が異変に気付いた。
「ようやく気付いた?」
「何処に...」
「おっと動かない方が良いよ、その瞬間ズタズタになる」
動こうとしたモヒカン達は立ち止まる。
「スライムだからって家の家族をバカにしたことを後悔させてやる」
隙だらけになっているモヒカン達に迫るプービー。モヒカン達は何処から迫る攻撃に警戒し、迫るプービーにも警戒してしまい、身動きが取れずにいる。作戦第一、成功だ。
(二人とも、攻撃開始!)
‘召喚獣意思疎通’で僕の指示を出す。このスキルは僕と召喚獣の間のテレパシーみたいな物だ。だから僕がわざわざ言葉にしなくて良い。
(シャールは敵の影に何度も潜りながら隙が出来る様に攻撃、プービーは隙が出来た奴から心臓に近い部分に電撃で麻痺させて)
“はい!”
“リョーカイ”
プービーの返事が片言みたいだったが、伝わっているみたいだ。二人は両面からモヒカン達に攻撃した。何人かがシャールの攻撃を避けるために、無駄に体を動かしながらかわした瞬間、プービーの電撃を食らって動けなくなる。第二作戦は順調だな。
僕はお姉とお兄の様に体力や魔法がずば抜けている能力は無い。あると言えば器用度くらいだ。なので多数の敵を僕一人で倒す時にどうすればいいか。相手の数の暴力に対抗する策を考えた。優位性を崩し、こちらの流れに流すように仕掛ける事だ。この流れもそうだ。
「洒落臭え!!」
気づいたら残り三人になっていたが、モヒカンリーダーのジークがシャールの攻撃を受け流し、プービーから距離を取る。後の二人がその後ろを守る体制になった。
ほう、腐っても冒険者って訳だね。流石に一筋縄には行かないか。シャールとプービーに僕の側に戻るように指示した。
「もう何回も見りゃ避けられる、冒険者を舐めんな!」
「舐めたりしないよ。汚いし、する価値もない」
「な、生意気なガキめ!てめえの召喚獣の動きは見切った。こいつ等さえ気をつければお前を簡単にブチのめせる」
「そう考えるのも今の内だね。まだ僕は能力をフルに使っていないし」
「何?」
「初めてだけど今するしかないな」
第三作戦、それは僕の職業、クリエイションサモナーの効果だ。スキル‘召喚獣融合’を使う為に意識を強めると、融合は瞬間融合、武装融合、永久融合と三種類のイメージが脳内に流れる。
-瞬間融合は二匹以上の召喚獣を融合し、注いだ魔力の比率で継続時間が長くなる。能力はレベルが高い召喚獣に他の召喚獣の能力値とスキルの一部を統合される。意思はレベルが高いに主導権を握られる。
-武装融合は召喚獣を武器に変える事が出来る。ただし、能力に適合する武器をイメージしないと失敗する。継続時間は召喚獣のランク+魔力の比率、耐久値0になれば解除される。意思は残ってあり、召喚者と装備者だけ会話が出来る。
-永久融合は条件を満たしている召喚獣同士を永久に融合する。条件を満たしている召喚獣は瞬間融合は出来ない。融合素材となった召喚獣の全ての能力が統合される。二回以上の永久融合は出来ない。意思は完全に変わる。
今回は瞬間融合を使う。条件は満たしていないし、まだ召喚して間もないの直ぐに永久融合を使うのは抵抗がある。これも詠唱を唱えないといけないみたいだ。またやらないといけないのか...
仕方が無い。慣れるしかない。
「‘我が下僕たちよ、その姿を一時的に一つとなり我が道を塞ぐ者達に鉄槌を!’」
『フュージョン・モーメンタリー・モンスター』
呪文を唱えると魔力が体から抜ける感覚と共に魔方陣が現れ、シャールとプービーを飲み込んだ。魔法陣が強い輝きを放ったと思ったらそこには見慣れない召喚獣が現れた。
名前:シャール
LV:4
種類:キャット・スライム
HP:205>355
MP:120>170
攻撃力:55>80
防御力:30>45
知能:40>60
速度:55>80
器用値:60>80
属性:闇属性、雷属性
スキル:猫爪、噛み付き、影同化、闇魔法、魔力回復(極小)、物理抵抗(中)、雷魔法、体力回復(極小)
活動時間:300秒
凄い...瞬間融合はたぶん、主導権を握っている召喚獣に他の召喚獣のステータス1.5倍が足されるみたいだ。ほぼ倍に近いパワーアップだ。
「な、何だその召喚獣は!?見たこと無いぞ!」
「説明なんて面倒だし時間も無い。シャールやっちゃって」
“はい、ご主人!”
スライム化したシャールはモヒカン達に向かって走った。さっきよりスピードが上がっているので直ぐに一人のモヒカンの影に潜り込んだ。
「こ、コイツ早っ、あががががががががががが!!」
黒焦げになりながら倒れる仲間を見るモヒカンの二人、何が起こったのが分からないまま唖然とした顔だった。
「な、何が?」
「兄貴、オレにきいても分から、イギギギギギギギギギギギィ!!」
また倒れる仲間から離れようとするジークだったが、足が動かない。いや、動かせない。その足元の影からシャールの尻尾が巻きついて、ジークの足が拘束されている。気付いた時には電流が流れる。だが、倒れずに立ち続けるジークだった。
「ガハァ...!!影から、だと?」
「まだ倒れないか...タフだね」
「...チッ、もう、...うご、けねえよ。負けだ」
「そう。じゃあ、さっきのクソみたいな発言と今までの態度の落とし前を付けて貰うね」
「好きに、しろ」
もう思う存分にやったので一瞬で終わらせる事にしよう。僕の意思を察したシャールはジークの体を覆い尽くし、電撃を浴びせた。
「勝者、モトアキ!三人姉弟の勝利!」
勝利宣言で訓練所の熱気が一気に上がった。
「すげぇ!一人で十人を圧倒的に叩きのめすなんて」
「パーティーに入ってくれねえかな」
「俺達が先だ!」
「付き合って下さい!」
「ペットにしてー!!」
沢山の歓喜の中に変な声が混ざってる気がした。そんな中、お姉の魔法で意識を取り戻せたモヒカン達を正座させていた。
「さて、俺達がこいつ等に要求する事になったけどどうする?」
「僕にいい考えがあるよ。ちょっと耳貸して」
僕はお姉とお兄にひっそりと要求する内容を伝えた。
「それはいいな」
「やり過ぎなんじゃないの?」
「これ位が良いよ、そうしないとまた僕達以外に被害がいつか出る」
「わかったよ」
僕等はジークの前に立った。
「僕達三人で要求する数は三つ。良いですか?」
「何を要求するつもり、ですか?」
随分と丸くなったな。これ位が話せて良いね。
「簡単です。まず一つ目、パーティー名を‘中二病’にする事」
「なっ!」
口答えを言う前にさらに言葉を告げる。
「二つ目、‘中二病’の属する者は大怪我、病気で体を動かせないとき意外はパーティーを脱退は認めません」
「ちょっとま」
「三つ目、パーティーのCランクアップ条件を十倍にする事。以上です」
「いくら何でもランクは勘弁してください。お願いします!」
モヒカン達が僕達に向けて一斉に土下座する。どうしようかな。
「みっともない事を言うな、このバカタレ共!」
後ろから威圧感が凄まじい男性が現れた。
「ギ、ギルドマスター!」
設定は何時も大変です。
追申:タイトルを少し変更しました。この以前の問題点と修正をしました。また最初から読んでも構いません。そのままでもいいです。