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異世界冒険と3人姉弟  作者: Banapan
プロローグ
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プロローグと3人姉弟

はじめまして!Banapanと申すものです。初めて投稿してみる作品です。どうか楽しく読んでくだい。

毎週木曜日へ変わる頃に投稿する予定です。ぜひ、貴重な時間を読むのに使ってください。ありがとうございます。(5月4日修正)


 ...ピピピピピピピッ...プッ...


「...ふぁああ」


 朝6時、一日が始まり生命活動するのに最適な時間帯。多くの人達は起床し、各自の役割を果たすために準備する。僕もまたその内の一人だ。あ、僕の紹介がまだだったかな?

 僕の名前は(たちばな 元明(もとあき。今日から高校1年生になる予定だ。高校デビューなので気持ち良い目覚めだが、学校に行く前にまずやらなければならないことがある。もう日課になってしまった僕の隣で寝ている二人を叩き起こさないといけないことだ。


「お姉、お兄、起きて」


 反応がない、まるで死体のようだ...じゃなくて!!!


「お姉、早く起きて!今日学校始まるから準備して!」

「うう〜ん..あと10時間」

「10時間は長いわ!...もう、わかったよ。15分だけだよ」


 呆れながらも僕はシャワーを浴びに浴室に向かった。起きてすぐにシャワーを浴びないと二人の寝顔を見ているだけでこっちまで眠くなってくるので、適当に洗って眠気を完全に飛ばす。着替えを着てドライヤーで髪の毛を乾かしていると誰かが入って来た。


「おはよー、モンモン」

「おはよう、喜美お姉」


 僕の姉、たちばな 喜美よしみ。今日で高校三年生になるJK。けど、それに似合わずかなりロリっ子だ。身長130センチでやる事もかなり...僕が言うのもなんだが、子供っぽいことをする。例えば、さっき僕のことをモンモンと呼ぶように気に入っている人にあだ名を付ける事だ。それにこの年になってもまだ一人で寝れず僕の部屋で三人揃って寝ている。我が家の長女とは思えない

 だが、学校では常に学年トップなのだ。そして自分の事は考えず、他人の為に努力しながら学校生活をしている。ちなみに生徒会長様だ。殆どの生徒や教師達から親しまれている。

 毎日下駄箱にラブレターが積もっているほど告白を受けているのだが、それを一つずつ読んでは会いに行っては丁寧に断り回っている。本人が言うのはまだ関心も無く、感謝しているので顔を合わせてちゃんと断らなければいけない、と言うことだ。

 ラブレターを渡しただけで満足している輩もいるのに、それを本気で受け止めちゃって...それでも優しい自慢の姉だ。


 「お姉、シャワー浴びたら朝ご飯の準備手伝って」

 「はーい」


 髪の毛が乾いたのでお姉と入れ替わり、僕の部屋に寝ている兄を起こしに向かった。部屋に入るとまだ寝ている兄を起こす。


「お兄、いい加減起きて!」


 反応が全くない...仕方がない、最終手段だ。兄の布団を取り上げ、脇をくすぐった。反応あり。脇を守るように動いたが、すでに脇をホールドしてあるので無駄なあがきだ。


「ほーらほら、早く起きないとくすぐり段階一段づつ上げるよ?」

「...クククッ、アハハハハハハハ!わ、分かったから、起き、起きるよ。も、もうやめてぇ!」


 よし、完全に起きたみたいだ。くすぐり攻撃はやめて置こう。


「ふわぁあ...おはよう、モンモン」

「おはよう、元吉お兄」


 僕の兄、たちばな 元吉もとよし。同じく今日で高校二年生になるバリッバリの超人スポーツマンだ。あまりにも活発的な性格で大人しくして居られないので常に運動やスポーツをしている。まるで泳いでいないと生きられない魚のように。でも、その異常な体力を消費するのに最適な場所が学校の運動系の部活だ。

 主に入っている部活はサッカー部だが、部員不足で大会へ出るのに困っている部活の代理人として助け回っている。バスケ部、卓球部、野球部、バレー部など球技、柔道部、剣道部、水泳部、陸上部など他にも沢山出ている。

 この地域の高校でお兄を知らない学生は殆どいない。全ての競技大会で撮影された写真に写っているのだ。誰かがその事に気づき噂を広めた結果、様々な部活からスカウトが耐えなかったのだ。

 でもお兄は家族との時間を大切にしたいと言って一日数回だけ依頼を受けたのだ。でも細かい事は苦手なので時間管理を僕に頼んだのだ。そこまでは良かったのだが、誰かが僕の連絡先を共有してしまい、メールが数百通来ていた。その管理のことだけで一日が過ぎた事があったので、部長か副部長の連絡だけ受けて時間を決めていた事があった。

 今は収まって定位的に連絡が来たら時間を調節している。こんなにめんどくさい事を押し付けられたが本人は楽しそうに為に生きる生活しているので、何も言わず時間を振り分けている自分がいた。

 ちなみにお姉からキッキーと呼ばれている。


「そろそろお姉が浴室出る頃だから準備して。僕は朝ご飯準備しているから」

「分かったよ。ありがとうな、モンモン」

「モンモン言うな」


 お姉が付けたあだ名が移ってしまってお兄もそう呼んでいる。お姉がそう読んでもおかしくはないが、お兄がそう呼ぶとなんか背中が痒くなる。

 布団をたたんでるお兄を置いて朝ご飯の準備をするため台所へ向かった。今日はトーストとベーコンエッグにしよう。パンをトースターに入れた後、ベーコンを薄く切って火の通ったフライパンに焼くと香ばしい匂いが漂う。卵を割ってフライパンに入れて数分焼いたら完成だ。


「モンモン、何を手伝おっか?」


一人分が出来上がった時にお姉が制服姿で立っていた。


「お皿とコップとフォークを出してもらってもいい?」

「はーい」


 お姉は鼻歌歌いながら食卓の上に置き始めるお姉。今日はやけに嬉しそうだ。何かあったっけ?


「お姉、今日はやけに楽しそうだね。何かいい事あった?」

「それは勿論!今日はモンモンが私達の高校へ一緒に登校できる日だもん。楽しいに決まっているでしょ」

「と言っても高校と中学がすぐそこだったし別に変わんないじゃ...」

「一緒の学校の中にいるってことだけでも嬉しいの!」


 まあ、分かんなくはないけど、流石に違うかもしれないな。目に見える範囲にいないと安心できないな、主に僕が。いつも心配でたまんないわ。

 変な輩に絡まれていないか、何処の部活と約束したかとか何か問題を持ってくる姉弟なので心配だ。これから一緒の学校なので少し安心だ。


「そうだね...」

「今、失礼なこと考えてない?」

「キノセイデス」


 危ない危ない、感づかれる所だった。適当に誤魔化し話題を変えながら、三人分の朝ご飯の準備ができた。丁度お兄も制服を着てやってきたので、三人揃って食卓に座った。


「では、いただきます」

「「いただきます」」


 美味しく食べているお姉とお兄を見ながら僕も朝ご飯を食べる。我ながら美味しくできている...ってよく見たら僕だけ制服着ていない!急いで食べて制服を着ることにした。


「ごちそうさま!お皿洗いよろしく」

「そんなに急いでどうした?」

「僕まだ制服着ていない!」

「ああ、分かった。俺がして置くよ」

「キッキー、私も手伝うよ」

「二人共よろしく!」


 僕は急いで部屋に戻って、壁に掛けてある制服に着替えた。学校に行く準備をし終え、全身鏡に映る自分を見た。


「おお...これ、いいな」


 それっぽくポーズを取って鏡を見る。


「ハンサムモンモン君、早くしないと遅れるよ」


 振り向くとニヤニヤしているお姉とスマホを持っているお兄がいた。


「録画完了っと」

「...忘れてぇ〜〜!!」


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「いや〜、朝からいいモン見せてもらったよ」

「絶対消してよ!絶対だよ!?」

「はいはい、わかったよ(嘘だけど)」

「今、何か言った?」

「ゼンゼン?」


 ううぅ...朝からとんでもない目にあった。恥ずかしい。恥ずかしい思いをしながら僕はタンデム自転車のペダルを漕ぐ。

 なぜタンデム自転車に乗っているのかと言うと、お兄が自分を鍛えるためだの事でかれこれ五年は乗って登校している。最初は恥ずかしかったが今はもう慣れた。しかも家の姉弟はそれなりに有名なのでもっと有名になった。

 一番前にお兄、その次が僕、補助席にお姉が乗っている。通りすがる人達は皆挨拶してくださるので、それなりに挨拶して返す。

 途中赤信号だったので自転車を止めたら、何かが破裂する音と共に自転車が下に少し下がった。


「あ、みんなちょっと降りて」

「今のパンク?」

「みたい」


 僕達三人は自転車から降りて、お兄と僕が一緒に状態を調べた。


「あちゃー、こりゃあ酷く破れたな。タイヤもパーだ」

「時間は歩いて行けば学校にギリギリ到着だね」

「帰り道に修理出すか。お姉、今日帰りに...ん?」


 お姉は坂道の上から来ているトラックを見ていた。


「ねえキッキー、モンモン。あのトラックなんか早くない?」

「どれどれ?」


 確かに下り坂なのに早い気がする。見ているうちに段々と速度が上がってきた。


「お兄、あれやばくね?」

「だな、ちょっと声叫んでおこう」


 するとお兄は息を深く吸い込み叫んだ。


「皆さん、トラックが急接近しています!気をつけて!」


 どうにか向こう側の人達にも聞こえたようだ。皆安全の為に車道から一歩引いた。緑になったが誰も渡ろうとせず、トラックが通り下がるのを待つことにした。僕はスマホを取り出し、110番号押した


「一様警察に通報を...」


 だが、イアホンをつけながら道を渡る中学生の少年がいた。大きい音で聞いているのかさっきのお兄の叫び声が聞こえなかったらしい。

 そんな中、その少年を止めようとお姉が駆け出した。


「「お姉!!!」」


 僕達二人も呼び止めようと車道へ駆け出した。少年を呼び止めるとはできたが、トラックは止まる気はない。運転手は居眠り運転をしているのか止める事はできない。逃げる時間も無かった。誰もがもう駄目だと思う状況だった。

 それでも僕等三人はとっさに少年を守るため、僕とお姉が少年を庇い、お兄が僕達を庇うように立った。無謀なことでもいい、この少年が助かって欲しい願いで僕等は襲いかかる衝撃に備えた。

 トラックがゆっくりとお兄の体にぶつかるのが見えた。お兄の体から人間からは鳴ってはいけない音が響いている。それでも身を張って、踏ん張って衝撃を和らげようとしている。

 これが走馬灯と言うものなのか、かなり遅く感じる。運転手も気付いたようだ。ブレーキをかけようとしているようだが間に合わないようだ。

 次に僕の体に凄まじい衝撃が響く。急ブレーキをかけたせいで僕達の体は宙に浮いた。僕は抱いている二人を離すまいと最後まで離さなかった。

 一瞬、暗くなったと思えば僕の目の前にボロボロになったお姉と泣きわめく少年の姿が見えた。


「ごめんなさい...ごめん、なさい...」


 僕は彼に伝えたい言葉を伝える為に、出ない声を振り絞った。


「...よ...かっ...た」


 最後の言葉を口にして僕の意識は闇へと落ちた。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 想い残りが沢山あるけど、もう死んでいる。学校生活をしたかったなあ。初の高校生活無駄になってしまった。無駄じゃあないか。命を救えたし。いいっか...と思ったら体に感覚があった。

 あれ?生きてる?生きてているのかな?なんかふかふかのベッドで寝てるのか?病院?にしては薬臭くない...試しに目を開けようとしてみた。

 青い空だ。今まで見たことのない絶景だ。


「起きた?」


 声が聞こえる方を向くと喜美お姉が見えた。傷口など一切ない、可愛い顔が覗いている。


「え?お姉?お兄はどこ?」

「向こうの草原で走ってるよ」


 お姉は前の方を指差した。その方向を見ると丁度こっちに走ってくるお兄の姿が見えた。


「起きたか。具合はどうだ?」

「うん、大丈夫。なんか身が軽いかな?」

「そうそう、あまりにも調子良くて走っちゃった」

「...」


 呆れて何も言えなかったがみんな無事のようだ。僕は身を起こして周囲を見回した。3人寝れるほど大きいサイズのベッド、周囲はどこまでも無限に続きそうな草原、そして一つの椅子が置いてあった。


「僕達死んだんじゃなかったっけ?」

「わかんない」

「俺たちも目覚ましたらここだったんだ」

「ここは一体?」


「それには私が答えよう」


 目の前にあった椅子に光が集まり、人の模様になった。


「だ、誰ですか?」

「そう警戒するでない。まあ無理もないか。驚かずに聞いて欲しい、私はこの世界を主管している神だ」


最初はシリアスですがあとは楽しい雰囲気です。次回の投稿日まで待ってください!

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