友達
あたたかい目でよろしくお願いいたします。
私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる気がしていた。
「委員長、保健室まで運んでくれ」
「わかりました。」
何でだろうか。谷崎と会ったのはこれが初めてじゃない気がしてきた。
俺がまだ10歳のころ病院で倒れていた同じ年の女の子を運んで先生の所へ行ったのを思い出した。
あったことがあると思ったのはそんなことがあったからかもしれない。
後ろから足音が聞こえてきて振り向くと同じクラスの中村だった。
「なんで、お前がいるんだよ。」
中村は、俺の言葉には反応せず谷崎のことを見ているだけだった。
俺はまた進みだした。中村もついてきた。
中村はずっと無言で、少し気味が悪かった。
保健室のある一階につくと中村が口を開いた。
「ごめんね…寿満」
俺は意味が分かんなくて、少々頭が混乱していたが何も言わなかった。
保健室の扉を開けるとそこには誰もいなかった。
「あれ…?先生いないのかよ…」
「私が呼んでくる。」
中村は、職員室へと入っていき養護の先生を連れてきた。
「早坂くん、ベッドまで運んでくれる?」
「わかりました。」
谷崎をベッドまで運ぶと、中村が俺に話しかけてきた。
「早坂くん、話があるの…」
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