第4話 旅立ちの深夜
龍介はベッドから起き上がる。
あいつらまだ起きてるかな? ……………あれ?
「ん? 何だ、まだ考えてんのか?」
目の前には未だにブツブツ呟いて頭を抱えてる女性。
「あんた気楽ねぇ〜。 同じ捕まってる身でしょ、あんたも考えなさいよ」
「悪いが俺はこれから出て行くところだ。 ま、がんばれ」
「はぁ? どうやって出るのよ。 ここは対魔法防御があるから魔法使っても意味無い【ベキン!!】…………って」
そこには格子の隙間から南京錠に手を伸ばし意図も簡単にぶっ壊してる龍介がいた。
「…………………あんた以外に力あるわねぇ〜」
「結構錆びてたし、捻じ込みながら引っ張ると簡単に折れたぞ?」
「いや、普通無理だから」
そのまま何事も無かったかのように普通に出てくる龍介。
「ちょうどいいわ、私のも開けてちょうだい」
「いや」
…………………
「そういうのは、もうちょっと考えて言いなさいよ」
「自業自得だろ」
「じゃあ、出してくれたらお金あげる〜」
「お前、金無いからここにいるんだろうが」
「うっ…………」
ごもっとも。
「んじゃ条件」
「なになに?」
「これから先、俺と行動する事」
「何でそんなこと………………………
はっ!? まさかあんた、私の身体が目当てなん「じゃ、さよなら」冗談よ冗談! わかったわよ、一緒に行ってあげるから!」
「よし成立だな」
【バキン!!】
そしてまたも楽々と破壊する龍介。
「で? 何でまた一緒に行動しろなんて言ったの?」
「いやぁ、召喚されたばかりで道もなにも知らないからな」
「召喚? へぇ〜、あんた召喚されし者だったんだ」
「サモンナークス?」
「ええ、召喚によって出てきた者をそう呼んでるわ。
たまに召喚して強力な人や獣を呼ぶ国があるんだけど……………あんた力は強いけど魔力は全然感じないわね」
魔力……………か。
とたんに寂しそうな顔をする龍介。
「どしたの?」
「いや、何でもない。 …………俺は皐月 龍介だ、よろしく」
「私はシエリー ・ レインカースよ」
そして握手を交わす二人。
「よしじゃあ、さっさと上に行くぞ」
「それもそうね。 さ、早くこの城から出ましょ」
その言葉を聞いて龍介は少し考える。
「いや、ちょっと寄り道して行く」
「どこに?」
当然聞いてくるシエリー。
「お姫様のとこ」
「ウフフ……………ウィーリア………もっと楽にしなさい…………………」
「ひ、姫…………こ……これ以上は……………あぁ!」
アイシスの部屋で服を着たままベッドの上で、アイシスが上ウィーリアが下という構図になっている。
「だめよ。 二人の時は名前で呼びなさい………………」
「あ……くっ! ア、アイシス………様………………ああん!?」
「フフフ……………」
「あ! ……………もう、だ……めで………す…………んあ!?」
……………………
「うわー、あの二人ってこういう関係なんだ」
「アイシスが“攻め”か……………逆だと思ったけどな」
いつの間にか部屋に入ってきていた二人。
「なっ!? …………あ………うっ……………」
二人がいるとわかった途端、顔を真っ赤にするウィーリア。
アイシスは平気な顔をしている。
「あ、どうぞ気にせず続けて続けて」
「う、ううううるさい!! だいたい何故、貴様がここにいる!?」
そう言い近くに置いてあった剣を取る。
「そのことなんだが、アイシスには悪いが俺はこれから出て行く」
「そうですか、わかりました。 お気をつけて」
……………………
やけに簡単だな。
「もうちょっと止めるかと思ったんだがな」
「ええ、多分そう言ってくると思ってましたから」
なるほど。
「あぁ、それと成り行きでこいつ連れて行くことになったから」
そう言ってシエリーを指差す。
「どうも〜」
「ん? お前は………………誰だ?」
知らんのかよ…………。
「いや、知らないならいいよ」
「?」
そして城門前へと移動した四人。
「じゃ、短い間だったけど元気でな、アイシス」
「はい、こちらの都合で召喚してしまってすみませんでした」
「それはもういいって」
「……………わかりました、ではお元気で」
「………じゃあな」
そのまま外へ進む二人。
「おい!」
「ん? おわ!?」
ウィーリアが紐で縛られた布の袋を投げつけてきた。
それを慌てて受け取る龍介。
「餞別だ! 持っていけ!」
中を開けると金貨や銀貨など結構な量があった。
おそらくこの世界の金だろう。
「うわー、それすごい金額よ」
それにしてもいいのか? こんなのもらって。
……………ま、いいか。 くれるってんだし。
「ありがとなー! ウィーリア、いいとこあるんだなー」
またまた顔が赤くなるウィーリア
「な………う、うるさい! さっさと行け!!」
その言葉にアイシスが陰で笑っていたことは内緒にしておこう。
龍介達はアイシス達に手を振り城を後にした……………………。
「ってぇ! 何で野宿なのよ――!!!」
「だって、宿無いし」
二人は道の外れにある木の下で叫んでいました。(主にシエリーが)
いやぁ、風邪で寝込んでしまっていて小説書けませんでした〜、アハハハハ。
龍介「大丈夫なのか? 無理するなよ」
お、心配してくれるんだ。 うれしいな〜
龍介「悪化したら、その分俺の出番減るじゃないか」
そっちの心配かよ。




